ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

大型・複雑異形アルミ鋳物を早期量産化・低コスト化するプラモデル方式量産プロセスの構築

真辺工業 株式会社

成果量産立上工数(量産検証日程) 3か月→日→1か月→日

この事例のポイント

  • 大型化したアルミ鋳物の需要が増えているが、大型製品の量産に対応する生産能力が不足していた。
  • 3Dプリンターで大型アルミ模擬鋳造品を造形し、その分解モデルを用いて最適なプラモデル分解モデルを確立した。
  • 量産立上工数(量産検証日程) 3か月→日→1か月→日。大型化したアルミ鋳物を、高精度を保ったまま早期に量産できるプロセスを構築した。

事業者のプロフィール

事業者名真辺工業 株式会社
所在地広島県 広島県府中市
業種非鉄金属製造業
技術分野精密加工,立体造形
従業員数40人
資本金1,000万円
設立1964年

事業の背景

真辺工業は、アルミ鋳物を50年にわたり500製品以上量産してきた実績があり、ノウハウ、高い技術と品質、納期遵守、低コストの生産体制を強みとしている。近年は小型で比較的容易な量産部品の海外生産移管が進んでいる。一方、国内では複数部品を一体化して製品が大きくなるもの(一体化による高付加価値製品)への引き合いが高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型化したアルミ鋳物の需要が増えているが、大型製品の量産に対応する生産能力が不足していた。
  • 納期・工程大型のアルミ鋳造品は量産検証の日程が通常3か月から10か月かかり、立ち上げに時間を要していた。
  • コスト・採算大型製品では加工ラインが大きくなり、生産コストを下げることが難しかった。
  • 品質・精度大型で複雑な異形アルミ鋳物を高精度に加工しながら量産する方法を確立する必要があった。

やったこと

3Dプリンターで大型アルミ模擬鋳造品を造形し、その分解モデルを用いて最適なプラモデル分解モデルを確立した。大型高速マシニングセンターを導入し、加工ラインのコンパクト化と生産能力の増強を図った。これらを組み合わせ、鋳造後1日で量産加工ラインを立ち上げられるプラモデル方式量産プロセスを構築した。構築したプロセスの有効性を検証し、A3サイズの大型複雑異形アルミ鋳物を対象とした量産に適用できることを確認した。

加工機大型マシニングセンター

新しい製品・サービス:大型・複雑異形アルミ鋳物を早期量産化・低コスト化するプラモデル方式量産プロセス

事業の効果

  • 量産立上工数(量産検証日程) 3か月→日→1か月→日
  • 生産コスト 100指数→70指数
  • 疑似鋳造品製作コスト 100指数→80指数

大型化したアルミ鋳物を、高精度を保ったまま早期に量産できるプロセスを構築した。量産検証日程は通常3か月から10か月かかっていたものを1日へ短縮できる見込みである。大型高速マシニングセンターの導入により加工ラインがコンパクトになり、生産コストと測定段取りの工数を削減できた。時間とコストの両面で優位性が高い成果である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    アルミ鋳物の量産を50年・500製品以上手掛けてきた実績があり、大型一体化製品へ広げる方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内では複数部品の一体化による大型製品の引き合いが高まっていると述べ、高精度・早期立上げ・低コストという自社の強みを結びつけている。

  • 課題の認識と解決5

    立上げ期間を3か月~10か月から1日へ、生産コストを30%削減、疑似鋳造品製作コストを20%削減と数値目標を示し、課題と解決策が対応している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    立上工数の短縮(3か月~10か月を1日)や生産コスト30%削減、疑似鋳造品コスト20%削減など数値目標が設定され、導入設備の成果も示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員40人、50年の量産実績は書かれているが、事業遂行の具体的な人材配置や事務処理体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ターゲットは自動車・農機具・医療・航空機など分野を示し、時間軸とコスト面の優位性を成果として述べている。

  • 事業化までの道筋3

    プラモデル方式の構築手順は4段階で示されているが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型・複雑異形アルミ鋳物の量産で同分野の高精度・高付加価値化を図る点が示され、医療・航空機への新規参入も目指すとしている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    電気自動車部品や自動車・農機具などへの受注拡大がうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    立上げ期間短縮とコスト30%削減の効果は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    3Dプリンターによる造形と大型高速マシニングセンターの組み合わせは示されるが、サプライチェーン全体への貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    広島県府中市に本社を置く地域企業であることはわかるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在生産している電気自動車部品に加えて、自動車・農機具・産業機器・医療・航空機など様々な分野への受注につなげていく考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。