ものづくり補助金平成30年度製造業岡山県

多品種中量生産に和ける4軸MCとロボット化導入による生産性向上

岡山検査有限会社

成果主軸回転数は毎分1万回転と従来機より66%性能が向上

この事例のポイント

  • 保有するマシニングセンターの4割が製造から15年を超え、故障や精度悪化、加工効率の低さが問題になっていた。
  • 4軸マシニングセンターに垂直多関節ロボットを組み合わせた機械加工システム(ファナック製)を2019年に導入した。
  • 主軸回転数は毎分1万回転と従来機より66%性能が向上。規格寸法からのズレが従来機の3分の1以下に減り、精密部品の精度が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名岡山検査有限会社
所在地岡山県 美作市
業種非鉄金属製造業
技術分野情報処理,精密加工,機械制御
従業員数64人
資本金300万円
設立2004年

事業の背景

岡山検査は1998年の創業当初は検査を主力としていたが、顧客の要望に応えて業容を広げ、2012年に機械加工専門の工場を新設した。取引先は岡山県のダイカスト工場から近畿地方の商社やメーカーへと広がり、家電や情報機器、自動車部品などを手がけてきた。2020年からのコロナ禍で苦しんだが、医療機器や産業機器など単価の高い仕事を取り込み回復基調にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力保有するマシニングセンターの4割が製造から15年を超え、故障や精度悪化、加工効率の低さが問題になっていた。
  • 品質・精度すべて人手で作業しており、ワークの取り付け方に起因する不良が発生していた。
  • 人手・技能夜間や休日の人手不足が課題で、従業員の習熟度向上も必要だった。

やったこと

4軸マシニングセンターに垂直多関節ロボットを組み合わせた機械加工システム(ファナック製)を2019年に導入した。新システムは主軸回転数が毎分1万回転で、従来機より66%性能が向上した。精密機械の部品では規格寸法からのズレを従来機の3分の1以下に低減できた。ロボットによるワークの着脱を行い、24時間の連続運転も可能になった。

事業の効果

  • 主軸回転数は毎分1万回転と従来機より66%性能が向上
  • 切削時間は13%短縮
  • 工具交換の高速化で非切削時間も40%短縮
  • 規格寸法からのズレは従来機の3分の1以下に低減

規格寸法からのズレが従来機の3分の1以下に減り、精密部品の精度が上がった。主軸回転数は従来機より66%向上し、切削時間は13%、非切削時間は40%短縮した。ロボット導入でワーク着脱ミスによる不良はほぼなくなり、24時間の連続運転も可能になった。品質が安定し、生産量も安定するようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決MCの4割が15年超で故障や精度悪化が課題と特定し、切削時間13%短縮・非切削時間40%短縮と課題に対応した成果を示している。
  • 4
    これまでの取組との一貫性1998年の検査主力から2012年の機械加工参入、2019年の自動化導入へと一貫して加工領域を拡大しており、事業の流れと位置付けが明確。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性多品種少量品を率先受注する体制に加え、精密部品で規格ズレを従来機の3分の1以下に低減し、競争優位を示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、性能向上率などの効果指標のみで、目標値としての実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    1998年の検査主力から2012年の機械加工参入、2019年の自動化導入へと一貫して加工領域を拡大しており、事業の流れと位置付けが明確。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種少量品を率先受注する体制に加え、精密部品で規格ズレを従来機の3分の1以下に低減し、競争優位を示している。

  • 課題の認識と解決5

    MCの4割が15年超で故障や精度悪化が課題と特定し、切削時間13%短縮・非切削時間40%短縮と課題に対応した成果を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、性能向上率などの効果指標のみで、目標値としての実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    従業員64人の体制で2019年に導入を完了し、24時間連続運転を実現しており、遂行体制は一定程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機器や産業機器など単価の高い新しい仕事を取り込んでおり、顧客ターゲットとニーズに基づく受注が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入から効果発現までの経緯と、今後の関西メーカーとの協業による金型・治具提供の計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    多品種少量の機械加工や単価の高い医療機器部品に取り組んでおり、高付加価値分野への展開が見られる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    岡山県北部は人手不足の地域であり、ロボット活用の余地が大きいとして地域課題への貢献が示されている。

  • 費用対効果3

    不良の大幅低減や切削・非切削時間の短縮など生産性向上の効果が示されているが、投資額に対する費用対効果の数値は記載がない。

  • イノベーションへの貢献4

    4軸MCと垂直多関節ロボットを組み合わせた自動化システムを中小加工現場で導入し、ワーク着脱の自動化など先進的な取組を示している。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    自動化による生産性向上は示されるが、成長分野への進出による構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    人手不足の岡山県北部でロボット自動化を進め、地域の製造業で雇用と生産性を支える事業であることが読み取れる。

今後の展望

今後は協業関係にある関西のメーカーと協力し、ダイカスト金型や治具まで提供できる体制を構築し、さらなる受注拡大を目指している。岡山県北部は人手不足の地域であり、今後もロボットが活躍する余地は大きいとみられる。

事業者の声

一番よかったのは品質が安定すること。人間みたいに不平不満を言わず、生産量も安定する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。