ものづくり補助金平成26年度サービス業(他に分類されないもの)広島県

広島県産柑橘を使った高品質天然アロマオイルの多品種試作開発

株式会社 H・R

成果広島県産柑橘を使った天然アロマオイルを7種の商品として試作開発した。

この事例のポイント

  • 従来のコンサルティング業務に加え、新しい事業の柱として広島産柑橘を使ったアロマオイル等の新商品開発と販売に取り組む必要があった。
  • 産地である大崎下島に加工場を設置し、柑橘類の特性を検証したうえで、果実の果皮の皮むき機、粉砕機、蒸留機等の機械装置を選定・設置した。
  • 広島県産柑橘を使った天然アロマオイルを7種の商品として試作開発した。市場価格に対応可能な天然アロマオイルの安定生産が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 H・R
所在地広島県 広島市
業種その他のサービス業
従業員数5人
資本金500万円
設立2006年

事業の背景

当社は従来コンサルティング業務を主としてきたが、支援先の都合により当社が主体的に事業へ関与する場面が増えてきた。大崎上島・大崎下島での柑橘類を活用した新商品開発支援をきっかけに、自社事業としてアロマオイル等の開発に取り組んだ。広島県は中晩柑の産地であり、従来廃棄していた柑橘類の再利用が地域課題の解決にもつながると考えられた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術従来のコンサルティング業務に加え、新しい事業の柱として広島産柑橘を使ったアロマオイル等の新商品開発と販売に取り組む必要があった。
  • コスト・採算高品質で安全性の高いアロマオイルを市場価格に合った価格で提供するため、自家生産によってコストを圧縮する必要があった。
  • 生産能力従来廃棄されていた柑橘類を再利用し、アロマオイルの加工量を増やす体制が必要だった。

やったこと

産地である大崎下島に加工場を設置し、柑橘類の特性を検証したうえで、果実の果皮の皮むき機、粉砕機、蒸留機等の機械装置を選定・設置した。皮むき機と蒸留機の性能を実際の柑橘類を使って実地検証した。当社内での蒸留と外注による成分分析を実施し、機械の実地運用で品質と生産量(抽出量など)を検証した。これらにより、レモンなどの柑橘類から7種のアロマオイルを試作開発した。

加工機皮むき機
加工機粉砕機
加工機蒸留機

新しい製品・サービス:広島県産柑橘から抽出した高品質な天然アロマオイル(レモンアロマオイル)など7種の商品

事業の効果

  • 広島県産柑橘を使った天然アロマオイルを7種の商品として試作開発した。

市場価格に対応可能な天然アロマオイルの安定生産が可能になった。レモン果皮から抽出する際の果皮状態や粉砕サイズ、蒸留時の水の量・時間などから、適正な抽出率を選択できるようになった。デコポン、ポンカン、甘夏などの果皮7種からアロマオイルを試作し、甘夏、橙、八朔、さらにレモンの葉からプチグレインのアロマオイルの商品づくりができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    コンサルティング業務から新しい事業の柱としてアロマオイル開発へ移行したと明記され、既存事業からの延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    他社の一般製法品の売価は倍以上、同製法の製品は1/10程度と価格優位性が具体的に示され、競争優位の根拠がうかがえる。

  • 課題の認識と解決3

    廃棄されていた柑橘の再利用や耕作放棄地の減少が課題として挙げられているが、課題の定量的な把握や事業計画の数字は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    市場価格での提供や生産者・生産量を増やす方針は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員5名の小規模体制であることは分かるが、補助事業を遂行する人材や事務処理の体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットはアロマ愛好家、品質と安全性へのこだわりが選ばれる理由として整理され、化粧品メーカーからのOEM需要も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    皮むき機・蒸留機の実地検証から試作、成分分析までの工程は示されているが、今後の具体的なスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    資本金500万円と従業員5名の記載はあるが、財務状況や金融機関からの資金調達の見込みは書かれていない。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    レモン・甘夏・橙・八朔など7種の柑橘からアロマオイルを試作し、一般製法の倍以上の売価で高付加価値化を図る点が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    生産者の増加、耕作放棄地の減少、生産高の向上と地元ブランド化への貢献が示されており、地域への波及効果がうかがえる。

  • 費用対効果2

    価格優位性は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    体験型観光や蒸留の受託などの広がりは書かれているが、デジタル技術の活用や新しいビジネスモデルの具体性は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    コンサルティングから製造・販売へ事業の柱を広げる動きはあるが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    大崎下島の柑橘を活用し加工場を設置、地元の耕作放棄地の減少や地域ブランド化に繋げる地域特性を活かした事業として具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

小売販売、OEM販売、メーカー販売の形態を採り、品質を保持しながら国内への安定供給と国内・国外の販路確立を目指す。メインターゲットは香りの質や成分、安全性にこだわるアロマ愛好家とする。販売価格は一般的な製法の他社製品の倍以上だが、同製法の製品に比べると1/10程度の売価であり、価格優位性を維持する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。