ものづくり補助金平成26年度製造業広島県

地元ボールメーカーとのコラボ製品開発に拠る、国内中小モノづくり企業の新価値創造

八橋装院 株式会社

成果裁断工程の作業時間 1倍→0.1倍

この事例のポイント

  • 服飾縫製の委託製造体制から脱却し、国内外での競争力を高めるとともに販路を広げる必要があった。
  • CAM搭載の自動裁断機、自動延反機、底に針送り機構を持つ特殊ミシンを導入した。
  • 裁断工程の作業時間 1倍→0.1倍。自動裁断機の導入により裁断工程の作業時間が大幅に減り、全社的な生産効率が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名八橋装院 株式会社
所在地広島県 広島市安佐南区
業種繊維工業
技術分野デザイン,機械制御,情報処理,複合・新機能材料
従業員数33人
資本金3,200万円
設立1961年

事業の背景

1961年に設立された縫製会社で、50年以上の縫製技術の蓄積と、大手ブランド商品を手掛けてきたデザイン力を持つ。主に服飾縫製の委託製造を手掛けてきた。2015年度の売上は114百万円、社員は30名だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信服飾縫製の委託製造体制から脱却し、国内外での競争力を高めるとともに販路を広げる必要があった。
  • 生産能力特殊素材であるボール素材の縫製加工技術力を強化し、オリジナル製品を量産できる体制を整える必要があった。
  • 納期・工程裁断を外注に頼っていたため最短リードタイムが10日かかっており、5日に短縮する必要があった。
  • 販路・情報発信オリジナル製品の直販体制が十分ではなく、多品種小ロットの注文に対応しきれていなかった。

やったこと

CAM搭載の自動裁断機、自動延反機、底に針送り機構を持つ特殊ミシンを導入した。自動裁断機で厚みのある素材を積層しても精密に裁断できるようにし、裁断業務を内製化した。滑りにくく重いボール素材を縫製できる量産加工法を確立した。地元ボールメーカーの「MIKASA」製ボール素材を生かし、ボールとの連携メリットが伝わるバッグ・小物のデザインを実現した。新規導入機器は既存事業の布帛生地の裁断・延反・縫製にも使用した。

加工機CAM搭載自動裁断機
加工機自動延反機
加工機底に針送り機構を持つ特殊ミシン
ソフトCAD・CAMシステム

新しい製品・サービス:地元ボールメーカーの「MIKASA」製ボール素材を使用したバッグ・財布・小物類

事業の効果

  • 裁断工程の作業時間 1倍→0.1倍
  • 最短リードタイム 10日→5日
  • 売上 114百万円→162百万円
  • 社員数 30名→33名

自動裁断機の導入により裁断工程の作業時間が大幅に減り、全社的な生産効率が向上した。裁断や延反の作業精度が上がり、品質も向上した。CAD・CAMの導入でデザイン力を生かした商品開発が省力化・迅速化され、裁断・延反作業が平準化されて技術継承も容易になった。リードタイム短縮と直販体制により、多品種小ロットへの対応と販売チャネルの拡大を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    服飾縫製の委託製造からの脱却と、50年以上の縫製技術蓄積を活かす方向が示され、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ボール素材とMIKASAブランドの活用、大手ブランド商品のデザイン力など自社の強みが記載されるが、市場動向の分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    最短リードタイムを10日から5日に短縮し、売上114百万円から162百万円の目標が示されるが、課題の詳細な分析は薄い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    平成27年度売上114百万円から平成31年度162百万円、社員30名から33名への目標値が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制2

    社員30名、50年以上の縫製技術、新卒採用と人材育成の継続が記載されるが、補助事業の遂行体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ボール素材の手触りや耐久性、軽さを強みとし、MIKASAブランドとの連携による製品価値とターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    裁断の内製化や直販体制の構築が示されるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ボール素材を使った滑りにくく縫製困難な素材の量産加工を確立し、グローバルニッチ市場での高付加価値製品を開発している。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域雇用を守る使命感と地元産業との連携が記載され、地域の雇用と産業連携への寄与がうかがえる。

  • 費用対効果3

    CAM自動裁断機で裁断作業を1/10以下に削減したと記載され、生産性向上の効果は示されるが費用対効果の数値は無い。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD・CAMの導入による商品開発の省力化が記載されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島市の地元ボールメーカーとの連携や地域雇用の維持が記載され、地域の特性を活かした事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産コストの削減を進めて収益性を高める。オリジナル商品やコラボレーション商品を増やしてブランド力を高める。営業を強化して販売チャネルを拡大する。新卒採用と人材育成を続けて事業規模の拡大に備える。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。