ものづくり補助金平成26年度製造業徳島県

不良在庫を最小限にした印刷受注システム開発

福山印刷株式会社

この事例のポイント

  • 印刷物は1回の発注数が多いほど単価が安くなるため、将来の使用分もまとめて発注されることが多いが、品名や価格、仕様の変更で不良在庫となり廃棄されていた。
  • ボトルネックとなっていた折り工程に、コンピュータ制御の新しい折り機を導入した。
  • 年間契約による単価の低減と毎月納品により、不良在庫を削減してコストを抑えられるシステムが構築できた。

事業者のプロフィール

事業者名福山印刷株式会社
所在地徳島県 徳島県海部郡牟岐町
業種印刷・同関連業
従業員数9人
資本金300万円
設立1972年

事業の背景

印刷業界における紙の廃棄物は年間70万トンにも及び、顧客へ納品済みのものを含めると廃棄量はその数倍になる。顧客との契約では1回の発注数が多いほど単価が安いため、まとまった数量を一度に発注する傾向があり、不良在庫の廃棄が生じていた。製造工程では折り工程がボトルネックとなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算印刷物は1回の発注数が多いほど単価が安くなるため、将来の使用分もまとめて発注されることが多いが、品名や価格、仕様の変更で不良在庫となり廃棄されていた。
  • 生産能力多品種小ロット生産に対応するため、生産効率を向上させる必要があった。
  • 人手・技能製造工程で折り工程がボトルネックとなっており、ベテラン作業者でなければ対応できず、工程の進捗がその作業者のスケジュールに依存していた。

やったこと

ボトルネックとなっていた折り工程に、コンピュータ制御の新しい折り機を導入した。この機械は作業者を選ばず誰でも操作でき、小ロットの仕事への対応が格段に向上した。コンピュータ化により前回までの仕事内容が記録され、呼び出すことで準備時間を短縮できた。この折り機を組み込み、年間契約によるコスト削減と毎月納品による不良在庫削減が可能な印刷受注システムを構築した。顧客が毎月使用する分だけ製造・納品する仕組みを実現した。

加工機コンピュータ制御の折り機

新しい製品・サービス:不良在庫を最小限にした印刷受注システム

事業の効果

年間契約による単価の低減と毎月納品により、不良在庫を削減してコストを抑えられるシステムが構築できた。折り工程の新機械導入により多品種小ロットへの対応が向上し、準備時間も短縮された。ベテラン作業者への負担軽減や外注費用の抑制による利益向上も期待できる。一部のカタログで試験的に実施している企業もある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    印刷業界の紙廃棄問題への問題意識はうかがえるが、これまでの事業や過去の取組との一貫性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    年間契約による単価低減や外注費抑制は書かれているが、市場動向や競合に対する自社の強みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    ベテラン依存のボトルネック折り工程と不良在庫による廃棄という課題が明確に認識され、解決策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    利益向上や負担軽減は期待として触れられているが、数値の目標値や高付加価値化・賃上げの目標は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    誰でも操作できる機械の導入は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    商品カタログを対象に、毎月納品と年間契約を求める顧客ニーズがあり、一部試験導入の実績も書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    生産体制が整えば正式受注に繋がり、より多くの品目受注を目指すとの展望はあるが、期限や具体的な工程は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    多品種小ロット生産への対応は書かれているが、高付加価値化や高価格化を図る内容は読み取れない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    印刷業界の紙廃棄物年間70万トンという数字を挙げ、環境負荷低減の意義を示しているが、波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    コスト削減や不良在庫削減は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加などの定量的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピュータ制御の折り機で前回の仕事内容を呼び出せる仕組みが導入されているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    紙廃棄の削減という方向性はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するという記述は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    本社所在地の記載はあるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既に年間契約・毎月納品で受注している企業のほか、試験的に一部のカタログで実施している企業があり、生産体制が整えば正式受注につながる予定である。生産体制を整え、より多くの品目の受注を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。