ものづくり補助金平成28年度製造業奈良県

オリジナルから社会貢献まで-1冊の【ノーモ】から拡がる顧客ニーズ開拓事業

株式会社新踏社

成果売上の1/4が対象団体へ寄付される仕組み

この事例のポイント

  • ペーパーレス化の時流により印刷業界全体が厳しい状況にあり、公的機関や学校などの取引先も年々減少していく中で、紙の印刷機会を創出するため、法人・団体だけでなく個人の顧客獲得が急務であった。
  • 既存の製本ラインに影響を与えず小ロットにも対応できるよう、レイアウトソフト、プリンター、製本機を導入し、低コスト・短納期で対応できる環境を構築した。
  • 売上の1/4が対象団体へ寄付される仕組み。ノーモの短納期プロセスにより、ジャストインタイムで製品を供給できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社新踏社
所在地奈良県 奈良市
業種印刷・同関連業
技術分野情報処理
設立1931年

事業の背景

昭和6年(1931年)に奈良県唯一の謄写印刷専門業として創業し、ガリ版印刷・活版印刷から始まり、技術革新に対応しながら企画から印刷、製本まで一貫したサービス体制を維持してきた。公的機関や銀行、学校などから短時間・短納期への柔軟な対応力で信頼を得ている。一方で、ペーパーレス化により印刷業界は非常に厳しい状況に置かれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑ペーパーレス化の時流により印刷業界全体が厳しい状況にあり、公的機関や学校などの取引先も年々減少していく中で、紙の印刷機会を創出するため、法人・団体だけでなく個人の顧客獲得が急務であった。
  • 新製品・新技術個人対象の事業展開として、社会貢献活動と当社事業を絡めた新たな取り組みを検討する必要があった。
  • 販路・情報発信寄付をしたくても振込は手続きが面倒で、募金に出会っても小銭がないなど、手軽に寄付できる方法が少なかった。

やったこと

既存の製本ラインに影響を与えず小ロットにも対応できるよう、レイアウトソフト、プリンター、製本機を導入し、低コスト・短納期で対応できる環境を構築した。個人が気軽に作れるオリジナルノート「ノーモ」を企画し、最小ロットはA5版1冊から制作できるようにした。売上の4分の1が対象団体へ寄付される仕組みを盛り込み、オーダーメイドのチャリティーノートとして完成させた。

ソフトレイアウトソフト
その他プリンター
その他製本機

新しい製品・サービス:オリジナルノート「ノーモ」(みんなが少しずつ幸せになるチャリティーノート)

事業の効果

  • 売上の1/4が対象団体へ寄付される仕組み

ノーモの短納期プロセスにより、ジャストインタイムで製品を供給できるようになった。寄付の要素が顧客のイメージアップにつながり、グッズ企画提案で好感触・高評価を得ている。「奈良公園ゴミゼロプロジェクト」など地域貢献の活動規模も拡大している。今後は製作ノウハウをまとめ、全国で同じフォーマットの寄付プロセスを展開し、チャリティーネットワーク構築を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の一貫したサービス体制やノーモ事業の成果は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    短時間・短納期対応への評価や奈良県庁・銀行などの取引先からの信頼は読み取れるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    ペーパーレス化による印刷業界の厳しい状況と個人顧客獲得の必要性が課題として示され、ノーモで対応したと読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    レイアウトソフト・プリンター・製本機の導入やNPO連携は書かれるが、人材や事務処理体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    最小ロットA5版1冊から、寄付要素による顧客イメージアップ、ノベルティ提案での高評価など、ターゲットと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    全国のチャリティーネットワーク構築を目指すと今後の方向性は示されるが、スケジュールや解決方法の詳細は乏しい。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    オリジナルノートの小ロット受注生産で、自費出版の時間・費用の印象を覆す点は読み取れるが、高価格化の数値はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    奈良公園の鹿やゴミ拾いなど地域貢献の波及は読み取れるが、川上・川下への経済効果は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    オンデマンド印刷の活用はうかがえるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明確ではない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ペーパーレス時流への対応として紙印刷の創出を目指す点がうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及3

    奈良県の地域貢献活動や奈良公園ゴミゼロプロジェクトなど、地域に根差した取組は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ノーモ製作のノウハウをまとめ、日本グラフィックサービス工業会を通じて全国で同じフォーマットの寄付プロセスを展開し、チャリティーネットワーク構築を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。