ものづくり補助金平成26年度宿泊業、飲食サービス業愛媛県

急速冷凍機器等の能力向上による自社冷凍食品の生産性向上及び品質改良計画

有限会社かつれつ亭

この事例のポイント

  • 専用設備を持たず、「助っ豚(すけっとん)」の生産能力に限界がある。
  • 急速冷凍機一式(急速冷凍機、真空包装機、業務用冷凍機、ガスフライヤー、食用油ろ過機等)の仕様を検討し、機種選定を行ったうえで導入した。
  • 急速冷凍機の導入により製品の乾燥や酸化などの劣化を防ぎ、安全性を保てるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社かつれつ亭
所在地愛媛県 松山市
業種飲食店
技術分野製造環境
従業員数4人
資本金300万円
設立1966年

事業の背景

昭和41年創業のとんかつ専門店で、国産豚肉や三種配合の食油、オリジナルのパン粉などにこだわり、各店舗で揚げたての味を追求してきた。平成19年に自社冷凍食品「助っ豚(すけっとん)※媛ポークひれ一口かつ」を楽天市場に出品し、総菜部門で常時5位以内に入る売れ行きとなった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力専用設備を持たず、「助っ豚(すけっとん)」の生産能力に限界がある。
  • 品質・精度サクサクの衣とジューシーで柔らかな肉の食感を再現するには、調理人の技術と最新の急速冷凍機が不可欠である。
  • 品質・精度風味の劣化を防ぎ保存するには、急速冷凍機、真空包装機、窒素充填装置及び冷凍庫が必要である。

やったこと

急速冷凍機一式(急速冷凍機、真空包装機、業務用冷凍機、ガスフライヤー、食用油ろ過機等)の仕様を検討し、機種選定を行ったうえで導入した。急速冷凍機は-20℃のエアーブラストで-18℃まで急速に冷却でき、ドリップの生成を抑えて味や食感を凍結前と変わらない状態で再現できる。真空包装機で窒素ガス置換包装を行い、油の酸化と雑菌の増殖を防ぐ。

加工機急速冷凍機
加工機真空包装機
加工機業務用冷凍機
加工機ガスフライヤー
加工機食用油ろ過機

新しい製品・サービス:自社冷凍食品「助っ豚(すけっとん)」の品目拡充として、追加で豚ミンチの肉団子を検討することになった。今後は黒豚、海老フライ等を新商品として投入する予定である。

事業の効果

急速冷凍機の導入により製品の乾燥や酸化などの劣化を防ぎ、安全性を保てるようになった。真空包装機による窒素ガス置換包装で酸化やカビを防止し、賞味期限を延長できるようになった。業務用冷凍庫の導入で貯蔵スペースが広がり、計画的な生産が可能になった。「ひれの一口かつ」は好評で、追加で豚ミンチの肉団子も検討することとなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成19年に冷凍食品「助っ豚」を楽天で上位ランクさせた実績があり、その延長で急速冷凍設備を導入したとの流れは読めるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    楽天市場の総菜部門で常時5位以内という外部評価と、中食需要の伸びへの言及はあるが、競争優位の根拠となる分析は示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力の限界、食感再現、風味劣化防止という三つの課題を整理し、急速冷凍機や真空包装機で解決する計画が具体的に記載されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの数値目標は示されていない。貯蔵スペースの拡大や賞味期限延長の記述はあるが、目標値とは言えない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数4名、設備を導入して生産を進める旨は書かれているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ターゲットを既存顧客、お持ち帰り客、東京・大阪のアッパー層に分け、黒豚や海老フライなどの新商品と販売チャネルを挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    表記変更、周知活動、新商品投入、通販誌展開などの今後の予定は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    揚げ物惣菜購入頻度が増加傾向とあるが、冷凍とんかつ市場の認知度や高価格化の位置付けは示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    中食需要の伸びや健康志向への言及はあるが、地域経済や雇用創出への波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果2

    賞味期限延長や貯蔵スペース拡大など効果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    急速冷凍機や真空包装機の導入は書かれているが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述はほぼない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県松山市の地元店舗や地元取引先への言及はあるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

家庭での揚げ物調理は減少傾向だが、惣菜購入は増加傾向で、中食や健康志向を背景に需要と市場規模は今後も伸びると予想される。「Suketton」への表記変更とキャラクター作成で馴染みやすくし、既存顧客への周知、お持ち帰り商品としての販売、新商品投入で大都市のアッパー層も取り込み、自社サイトのほか通信販売の展開も検討する。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。