ものづくり補助金平成26年度製造業高知県

製造工程の内製化・最新設備の導入による自社製品の付加価値向上

株式会社 青柳

成果そぼろの歩留まり率 35%→80%

この事例のポイント

  • そぼろの供給量をコントロールできず、主力商品「土左日記」の量産化のボトルネックになっていた。
  • 補助事業では、そぼろ製造に必要な6機種を導入して製造工程を内製化した。
  • そぼろの歩留まり率 35%→80%。そぼろの製造を内製化したことで、歩留まり率が大幅に向上し、大きなコストダウンを実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 青柳
所在地高知県 高知市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数104人
資本金3,200万円
設立1936年

事業の背景

当社は1936年に菓子製造小売業として創業し、1954年から銘菓「土左日記」を製造・販売している。県外への販路拡大と県内での販売強化を図る中で、そぼろの安定供給と品質の安定・向上が課題になっていた。そぼろは13年前から県内の事業者に製造を委託していたが、古い機械を使い、手作業の工程が多く、人件費と歩留まりの問題を抱えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力そぼろの供給量をコントロールできず、主力商品「土左日記」の量産化のボトルネックになっていた。
  • 品質・精度そぼろを外注していた業者の古い機械は衛生面に万全とはいえず、湿度や温度によって一定の品質が得られないことがあった。
  • コスト・採算ほぼ手作業のため人件費がかかり、生産工程でのロスも多く歩留まりが悪いため仕入れ値が高くなり、利益を圧迫していた。

やったこと

補助事業では、そぼろ製造に必要な6機種を導入して製造工程を内製化した。最中の皮を粉にして蜜と白餡を加えて練り混ぜ、粒にして乾燥させる工程に合わせ、密閉式のステンレス製ミキサー、裏ごし機、電気乾燥機、ロボクープ、自動ふるい機を導入した。ロボクープでは2~5mmの一定サイズにカットできるようにし、自動ふるい機では粒の揃ったそぼろを生産できるようにした。また高感度型金属検出機を導入し、目視検査から精度の高い異物検出に切り替えた。

加工機ミキサー(一式)
加工機高速裏ごし機(一式)
加工機電気乾燥機(一式)
加工機ロボクープ(一式)
加工機自動ふるい機(一式)
検査測定高感度型金属検出機(一式)

新しい製品・サービス:土左日記 四万十栗餡(県内のみ3ヵ月限定で販売)

事業の効果

  • そぼろの歩留まり率 35%→80%
  • 乾燥時間 5時間→2時間

そぼろの製造を内製化したことで、歩留まり率が大幅に向上し、大きなコストダウンを実現した。乾燥時間の短縮や密閉式機械の導入により生産性と作業性が高まり、粉末飛散によるロスも抑えられた。高感度金属検出機によって厳格な品質チェックが可能になり、品質も向上した。四万十栗餡の土左日記が県内限定販売で1,800万円の売上を記録し、そぼろをいつでも必要な量だけ製造できる量産体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    64年にわたる土左日記の製造・販売が事業の柱で、そぼろ内製化は主力商品の安定供給という既存事業の延長に位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県外販路拡大や県内販売強化を掲げ、独自そぼろが他社と異なる点は示されるが、市場動向や競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    そぼろの歩留まりが35%から80%に向上し、量産体制と新味開発につながったと、課題と効果が数字で示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    歩留まり改善や4,800万円規模の数値目標の記載はなく、高い付加価値創出の目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    製造委託から内製化へ移行し、新たな雇用も発生したとあるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    四万十栗餡が県内限定3か月で1,800万円を売り上げたとあり、商品の選ばれる理由の一端がうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の新味開発や原料供給企業の検討は書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    独自製法のそぼろは他社と異なる特徴とされるが、分野の普及度や高価格化の具体的根拠は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    県内業者への外注からの内製化は地域の事業者との関係を含むが、波及効果や雇用創出の規模は具体的に示されていない。

  • 費用対効果4

    歩留まり35%から80%への向上や、乾燥時間が5時間から2時間に短縮された点など、費用対効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    密閉式の機械やステンレス製による衛生面の向上は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    高知県の地場産品を使った土左日記の味の拡大が書かれ、地域の特性を活かす事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

四万十栗餡の好評を受け、次の「ま餡」の商品開発に着手しており、銘菓にふさわしい味を模索している。生姜、ゆず、いちごなどの新味についても、原料供給を担う県内企業を検討している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。