回転装置を活用した溶接ロボットによる生産性向上計画
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
有限会社飯野鉄工所
成果芯ズレ 0.02mm→0.005mm
| 事業者名 | 有限会社飯野鉄工所 |
|---|---|
| 所在地 | 福岡県 直方市 |
| 業種 | 生産用機械器具製造業 |
| 技術分野 | 精密加工 |
| 従業員数 | 15人 |
| 資本金 | 300万円 |
| 設立 | 1892年 |
同社は精密部品の切削及び研削加工を手掛け、旋盤加工、マシニングセンター、円筒研削、内面研削まで一貫して行い、精度の高い部品加工技術を持つ。以前は工作機械や一般産業機械の部品が主力だったが、金型メーカーや半導体装置メーカーからの依頼が増えている。受注先も九州圏内から中国、関西、名古屋地区へ広がっている。単一部品の大量生産は海外に流れやすく、小ロットで高精度な加工へのニーズが国内で高い。
抱えていた課題
やったこと
従来は旋盤加工とフライス加工を別の機械で行っていたが、複合加工機能をもつNC旋盤を導入し、複数の工程を1台で加工する体制を整えた。これにより、従来4工程(NC旋盤、フライス加工、焼入、円筒研削・内面研削)に分かれていた加工の一部を1工程で行えるようになった。導入後は、複数工程の集約による掴み替え回数の削減、機械の連続加工時間の延長、機械の多台持ちの実施が可能になった。
| 加工機 | 複合加工機能をもつNC旋盤 |
|---|
複合機による工程集約により、工程間の待ち時間がなくなり、リードタイムが短縮された。掴み替えが不要になって工程間の位置ずれがなくなり、高精度加工が実現した。1台の機械で連続加工する時間が長くなり、機械の多台持ちがしやすくなってコスト削減と生産性向上が図られた。生産性の向上は労働負担の軽減など労働環境の改善にもつながっている。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
旋盤・マシニングセンター・円筒研削など一貫加工の強みと、半導体・金型分野への受注拡大が書かれており、過去の取組との連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけの記述は薄い。
九州圏内から中国・関西・名古屋へ受注先が広がったこと、円筒研削を含む一貫加工が強みとして具体的に書かれており、競争優位が読み取れる。
工程間の待ち時間、掴み替え、機械の多台持ちの困難など4つの課題を挙げ、複合加工機で4工程を1工程にまとめ、芯ズレを0.02mmから0.005mm以下に低下させたと数字で示されている。
芯ズレの数値改善や多台持ちによるコスト削減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
オペレーターが2人必要だった課題が挙げられているのみで、導入後の人材配置や事務処理体制の記述は読み取れない。
小ロットで高精度な部品への需要、金型・半導体装置メーカーからの依頼増加など、ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。
大型部品の内製化や自動車関連部品の受注拡大など今後の方針は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。
公開されている事例からは読み取れません。
精密部品の一貫加工は差別化の要素として書かれているが、同分野での高付加価値化・高価格化の水準は具体的に示されていない。
国内の小ロット高精度部品の需要や、北部九州自動車産業の推進構想に触れているが、雇用創出や波及効果の記述は薄い。
生産性向上とコスト削減、リードタイム短縮は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。
複合加工機の導入は示されるが、デジタル技術の活用や新しいビジネスモデルへの言及はうかがえる程度にとどまる。
半導体装置や自動車関連など成長分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。
直方市の企業として九州圏内の産業振興に触れているが、地域の経済成長を牽引する具体的な記述は薄い。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
今回の設備導入で短納期化の要望に応える体制が整った。今後は円筒研削及び内面研削を含めた加工品の受注量の拡大を図り、半導体製造用部品に加えて自動車関連部品も積極的に取り入れる方針である。大型部品は現在協力工場で対応しているが、大型化も内製化して顧客満足度を高めたいと考えている。
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
多関節ロボットと次世代成型機を組み合わせ、インサート成型の全自動化や2材料成型などを実現した。
効果:加工時間 420s/サイクル→38.5s/サイクル
顧客の要求を満たすため、段取り、治具の製作、仕掛りスペース、待ち時間を減らす新型の複合加工機を導入することにした。
効果:部品1個の完成までの日数 3日→2日