ものづくり補助金平成26年度製造業佐賀県

海外発電プラント用パイプ加工能力増強及び精密加工技術力向上の取組み

有限会社山本鐵工所

成果深穴内径加工の対応可能長さ 1,300mm→1,800mm

この事例のポイント

  • 既存設備では1,300mmを超える深穴内径加工ができず、海外向け発電プラント用パイプの増産要請に応えられなかった。
  • 汎用機械機能と最新型NC制御機能を併せ持つ超大型旋盤を導入し、長さ10m程度まで対応できるようにした。
  • 深穴内径加工の対応可能長さ 1,300mm→1,800mm。既存設備では限界だった1,300mmを超える深穴内径加工が可能になり、海外向けの発電プラント用パイプの加工能力を増強で…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社山本鐵工所
所在地佐賀県 佐賀市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数5人
資本金300万円
設立1989年

事業の背景

1967年に先代が創業し、当初は大手タイヤメーカーの下請けとして大型特殊部品の金属加工を手がけてきた。特殊部品が中心で量産品が少ないため加工単価は比較的高く、業績は堅調だった。2008年のリーマンショック後は主要取引先からの受注が激減し、長尺物を中心に営業を進めて売上は徐々に回復したが、現時点でもリーマン前の水準には達していない。近年の円安で輸出系の仕事が緩やかに増え、特に海外発電プラント用パイプ加工の引き合いが多くなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備では1,300mmを超える深穴内径加工ができず、海外向け発電プラント用パイプの増産要請に応えられなかった。
  • 人手・技能ベテラン社員が70代と60代後半で、その加工技術を中堅・若手社員へ早急に継承することが喫緊の経営課題だった。
  • 集客・繁閑リーマンショック後に主要取引先からの受注が激減し、売上は回復したもののリーマン前の水準に届いていなかった。

やったこと

汎用機械機能と最新型NC制御機能を併せ持つ超大型旋盤を導入し、長さ10m程度まで対応できるようにした。同時に専用治具を開発し、これまで対応できなかった超深穴サイズの内径加工に対応できるようにした。1,300mmの深穴パイプでは角度が1度違うだけで22.69mmの誤差が出るため、誤差を1mm以下に抑えるには角度を4/100度以内に納める必要があり、高い精密加工精度が求められた。導入した設備は普通旋盤としても使えるため、熟練技術者から若手まで全社員が活用できるようになった。

加工機超大型旋盤(汎用機能と最新型NC制御機能を併せ持つ、長さ対応10m程度)
その他専用治具

事業の効果

  • 深穴内径加工の対応可能長さ 1,300mm→1,800mm

既存設備では限界だった1,300mmを超える深穴内径加工が可能になり、海外向けの発電プラント用パイプの加工能力を増強できた。熟練技術者の加工技術を、NC加工機を使えない高齢の技術者も含めて全社員が使える一台の設備で継承し、NC加工技術の習得と効率化を進められた。精密加工の要求に応えたことでリピート受注も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    長尺部品の旋盤加工を強みとし、リーマン後の受注減から外需向けニッチ戦略へ移ったと経緯が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    円安による海外発電プラント用パイプの引き合い増加と、長尺・特殊部品加工の強みを結びつけた戦略が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    1,300㎜超の深穴加工が不可だった課題を1,500~1,800㎜対応で解決すると書かれるが、売上や付加価値の数値目標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、生産能力増強の成果が定性的に述べられるのみである。

  • 事業を進める体制3

    ベテラン技術者の技術継承と若手育成の方針が書かれるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    メーカーが求めるサイズや高い加工精度に応えリピートが増えたと書かれ、選ばれる理由が明確である。

  • 事業化までの道筋2

    専用治具開発を同時に行うと書かれるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    1,300㎜超の超深穴内径加工を可能にし、中小のニッチ分野で高精度加工に特化した差別化戦略が書かれている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    海外発電プラント向けの需要増加が書かれるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果2

    生産能力増強の効果は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    中国・インド・ASEANの火力発電増加に触れるが、日本経済の構造転換に資する点までは書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    中小企業のニッチ分野に特化した差別化モデルとして示されるが、地域の特性や雇用創出への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

世界の発電電力量は年々増加し、特に中国、インド、ASEAN諸国で火力発電の増加が見込まれ、同社にも増産対応の要請が来ている。他社が真似しにくい超深穴内径加工技術を武器に、長尺加工部品の自社ブランドを構築していく考えである。

事業者の声

長尺加工部品は山本鐵工所へ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。