回転装置を活用した溶接ロボットによる生産性向上計画
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
有限会社山本鐵工所
成果深穴内径加工の対応可能長さ 1,300mm→1,800mm
| 事業者名 | 有限会社山本鐵工所 |
|---|---|
| 所在地 | 佐賀県 佐賀市 |
| 業種 | 金属製品製造業 |
| 技術分野 | 精密加工 |
| 従業員数 | 5人 |
| 資本金 | 300万円 |
| 設立 | 1989年 |
1967年に先代が創業し、当初は大手タイヤメーカーの下請けとして大型特殊部品の金属加工を手がけてきた。特殊部品が中心で量産品が少ないため加工単価は比較的高く、業績は堅調だった。2008年のリーマンショック後は主要取引先からの受注が激減し、長尺物を中心に営業を進めて売上は徐々に回復したが、現時点でもリーマン前の水準には達していない。近年の円安で輸出系の仕事が緩やかに増え、特に海外発電プラント用パイプ加工の引き合いが多くなっている。
抱えていた課題
やったこと
汎用機械機能と最新型NC制御機能を併せ持つ超大型旋盤を導入し、長さ10m程度まで対応できるようにした。同時に専用治具を開発し、これまで対応できなかった超深穴サイズの内径加工に対応できるようにした。1,300mmの深穴パイプでは角度が1度違うだけで22.69mmの誤差が出るため、誤差を1mm以下に抑えるには角度を4/100度以内に納める必要があり、高い精密加工精度が求められた。導入した設備は普通旋盤としても使えるため、熟練技術者から若手まで全社員が活用できるようになった。
| 加工機 | 超大型旋盤(汎用機能と最新型NC制御機能を併せ持つ、長さ対応10m程度) |
|---|---|
| その他 | 専用治具 |
既存設備では限界だった1,300mmを超える深穴内径加工が可能になり、海外向けの発電プラント用パイプの加工能力を増強できた。熟練技術者の加工技術を、NC加工機を使えない高齢の技術者も含めて全社員が使える一台の設備で継承し、NC加工技術の習得と効率化を進められた。精密加工の要求に応えたことでリピート受注も増えた。
いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています
長尺部品の旋盤加工を強みとし、リーマン後の受注減から外需向けニッチ戦略へ移ったと経緯が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。
円安による海外発電プラント用パイプの引き合い増加と、長尺・特殊部品加工の強みを結びつけた戦略が具体的に書かれている。
1,300㎜超の深穴加工が不可だった課題を1,500~1,800㎜対応で解決すると書かれるが、売上や付加価値の数値目標は示されていない。
付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、生産能力増強の成果が定性的に述べられるのみである。
ベテラン技術者の技術継承と若手育成の方針が書かれるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及は薄い。
メーカーが求めるサイズや高い加工精度に応えリピートが増えたと書かれ、選ばれる理由が明確である。
専用治具開発を同時に行うと書かれるが、スケジュールや課題解決の方法の詳細は読み取れない。
公開されている事例からは読み取れません。
1,300㎜超の超深穴内径加工を可能にし、中小のニッチ分野で高精度加工に特化した差別化戦略が書かれている。
海外発電プラント向けの需要増加が書かれるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由は読み取れない。
生産能力増強の効果は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。
公開されている事例からは読み取れません。
中国・インド・ASEANの火力発電増加に触れるが、日本経済の構造転換に資する点までは書かれていない。
中小企業のニッチ分野に特化した差別化モデルとして示されるが、地域の特性や雇用創出への言及は薄い。
5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。
世界の発電電力量は年々増加し、特に中国、インド、ASEAN諸国で火力発電の増加が見込まれ、同社にも増産対応の要請が来ている。他社が真似しにくい超深穴内径加工技術を武器に、長尺加工部品の自社ブランドを構築していく考えである。
長尺加工部品は山本鐵工所へ
公式の事例集より(原文のまま)
平成30年度補正ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を活用し、溶接ロボット1台と回転装置を増設した。
効果:溶接作業時間(20カ所) 6分→2分
火入れ機と連結し、熱酒をそのまま自動で充填・打栓する設備一式を導入した。
効果:タンク1本(1,300ℓ)の充填時間 2時間→1.3時間
2018年11月に、それまで職人が手でやっていた木材加工のほぼ全てを自動化するNC加工機を導入した。