ものづくり補助金平成26年度製造業大分県

画像寸法自動測定器導入による生産性向上・短納期・品質向上の実現

大分電子工業株式会社

この事例のポイント

  • 寸法計測作業のために製造設備が長時間止まっており、生産性向上と短納期の実現が求められていた。
  • 画像寸法測定器IM-6700/6145を導入し、画像の中に計測する基準線を設定して寸法計測を自動化するための設定条件を研究した。
  • 寸法計測の自動化により、14箇所の測定がボタン一つで行え、結果は約5秒で得られるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名大分電子工業株式会社
所在地大分県 日出町
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野測定計測
従業員数160人
資本金4,500万円
設立1970年

事業の背景

同社は昭和45年に日出町で設立され、2年後に豊後大野市三重町に三重工場を建設した。テレビ・パソコン・プリンターなどに使われる汎用ロジックICの半導体製造を手掛け、国内の大手電機メーカーから後工程を請け負っている。大手電機メーカーとの関係は絶対的なものではなく、海外の巨大メーカーの参入に常に緊張感を抱えている。同社の強みは多品種少量生産やサンプル品の短納期対応にあり、海外メーカーに対抗するにはさらなる生産性向上と短納期の実現が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力寸法計測作業のために製造設備が長時間止まっており、生産性向上と短納期の実現が求められていた。
  • 人手・技能寸法計測は熟練した手作業で、特定の測定検査員しか実施できなかった。
  • 納期・工程1つの検査用サンプルの寸法計測に約1.5時間かかり、計測から良品判定までの間、製造設備を停止させなければならなかった。
  • その他人件費や用力費で有利な海外の巨大メーカーがいつ参入してもおかしくない状況にあり、競争力の強化が必要だった。

やったこと

画像寸法測定器IM-6700/6145を導入し、画像の中に計測する基準線を設定して寸法計測を自動化するための設定条件を研究した。独自に開発した測定治具(プリズムを使って複数の項目を測定する)を用いて、寸法計測作業のプロセスを見直した。これまで1つのICについて位置合わせ・焦点合わせ・測定ポイント設定・計測を14回繰り返していた手順を、導入した測定器ではすべての計測箇所をボタン一つで行えるようにした。14箇所の測定結果は約5秒で得られる。測定器の手順書を作成し、これまで特定の測定検査員しか行えなかった寸法計測を全員が実施できるよう教育と指導を行った。

検査測定画像寸法測定器IM-6700/6145
その他測定治具

事業の効果

寸法計測の自動化により、14箇所の測定がボタン一つで行え、結果は約5秒で得られるようになった。手順書と教育により誰でも短時間で寸法計測を実施できるようになり、年間の寸法計測作業時間が大幅に短縮された。それに伴い製造設備の稼働停止時間も大幅に短縮され、生産能力が飛躍的に向上した。多品種少量生産やサンプル品の短納期対応という強みが強化され、海外の巨大メーカーに対しても大きなアドバンテージとなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性2

    海外メーカーへの対抗と多品種少量・短納期という強みは読めるが、過去の取組との一貫性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外巨大メーカーの参入懸念と、多品種少量・サンプル品の短納期対応という自社の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    寸法計測に1.5時間停止する課題を認識し、画像寸法測定器導入で自動化する方針が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    14回の手順が一度の操作で5秒程度に短縮され、年間の計測時間の大幅短縮が達成されたと書かれている。

  • 事業を進める体制3

    測定検査員への教育と手順書作成を行ったとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種少量生産やサンプル品の短納期対応という顧客ニーズは読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入、設定条件の研究、教育といった進め方はうかがえるが、スケジュールや中長期の検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    汎用ロジックICの後工程で、画像寸法測定の高水準化を図る方向性がわずかにうかがえる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    海外メーカーとの競争という国内産業の課題は読めるが、雇用や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    稼働停止時間の大幅短縮と生産能力の飛躍的向上は読めるが、補助金額に対する数値の記載はない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像寸法測定器という新しい設備は読めるが、デジタル技術の活用による地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    大分県日出町・豊後大野市に工場を構える地域企業であることはうかがえるが、地域経済への牽引は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

機動力を増した生産体制で、今後は強みを最大限に生かし、顧客からの要望にこれまで以上にきめ細かく対応するとともに、国内外において積極的に営業展開する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。