ものづくり補助金平成27年度製造業静岡県

世界最小クラス0402チップ実装の精度向上・量産体制構築

株式会社アルファ電子

成果実装速度 30,000点/時→75,000点/時

この事例のポイント

  • 現有機では十分な性能が確保できず、自社技術の応用による開発は試作の域を出ていなかった。
  • 最新モジュラー機を導入し、現状の3万点/時から採算ラインの7万点/時までの実装速度向上を目標とした。
  • 実装速度 30,000点/時→75,000点/時。最新モジュラー機と印刷検査機の導入により、高精度の実装がオートメーション化され、不良率は大きく低下した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アルファ電子
所在地静岡県 富士市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野接合・実装
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

昭和48年に富士市で山本工業として創業し、電子ゲームやPHS等の基板製造を経て、現在は幅広い電子機器の基板実装を主たる事業としている。平成19年にISO9001/ISO14001を統合認証登録し、顧客志向の高品質・低コストを目指している。年々市場規模が拡大傾向にある電子部品の分野で、同社は実用化電子部品で世界最小クラスの0402チップの実装を可能にしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度現有機では十分な性能が確保できず、自社技術の応用による開発は試作の域を出ていなかった。
  • 品質・精度不良率は10%で、自社基準値の0.01%には程遠かった。
  • 生産能力量産対応には1日あたりの実装点数を現状の2.5倍にする必要があった。

やったこと

最新モジュラー機を導入し、現状の3万点/時から採算ラインの7万点/時までの実装速度向上を目標とした。印刷検査機とAPCシステム搭載モジュラー機を導入し、印刷検査機で確認した印刷ずれをモジュラー機とデータ共有して自動調整する仕組みを構築した。これによりクリームはんだとチップのずれを防止し、段取り替えの手間を軽減することを狙った。導入後の検証では、高精度の実装がオートメーション化され、不良率は0.22PPMとなった。自動検知による実装位置の識別が可能になり、段取り替えは1回12.4分に短縮された。量産性評価では1時間あたり75,000p/Hの実装が可能となった。

検査測定印刷検査機
加工機APCシステム搭載モジュラー機
ソフトAPCシステム

事業の効果

  • 実装速度 30,000点/時→75,000点/時
  • 不良率 10%→0.000022%

最新モジュラー機と印刷検査機の導入により、高精度の実装がオートメーション化され、不良率は大きく低下した。実装速度及び精度の向上は目標値をクリアし、不良率の低下に伴い従来の2.5倍の量産が可能となった。段取り替えの時間も短縮され、生産の効率とスピードが向上した。今回の補助事業は、目先のニーズだけでなく将来必要となる技術・ノウハウ・設備の確立を図る付加価値の高いものとなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の基板実装事業と0402チップ実装の技術蓄積が書かれ、一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ISO認証や徹底した品質管理、0402チップを実装できる技術が強みとして具体的に書かれ、競争優位性の根拠が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    不良率10%を自社基準0.01%に近づける課題と、実装点数2.5倍の必要性が数字で示され、量産体制への解決策も具体的である。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    実装速度を3万点/時から7万点/時へ、不良率を0.22PPMへ、量産性を75,000p/Hへと数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    IPC認証トレーナー1名・スペシャリスト4名の認定や技能標準化が書かれ、体制の一端はうかがえるが、補助事業の遂行体制として十分な記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    世界最小クラスの0402チップ実装や取引先からの量産打診が書かれ、顧客ニーズと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    段取り替えの短縮や建屋新設、将来的な0201チップ需要への対応が書かれるが、スケジュールや課題解決の方法は詳細でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    0402チップは世界最小クラスの実装であり、0201チップへの需要拡大も見込むなど高付加価値分野であることが読み取れる。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    医療機器や電子製品製造産業の需要拡大への言及はあるが、波及効果や雇用創出の具体的な記載は少ない。

  • 費用対効果4

    不良率0.22PPMや実装速度の向上、量産2.5倍など効果が数値で示されており、費用対効果の一端が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    自動検知や印刷検査機とモジュラー機のデータ共有による自動調整が書かれ、デジタル活用の要素はあるが、サプライチェーン全体への貢献は薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    電子部品業界の今後5年の需要拡大に触れているが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    富士市での創業や地域の立地は書かれるが、地域の特性を活かした雇用・経済成長への効果は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

取引先企業から0402チップを軸に量産の打診があり、さらなる生産体制の強化を進めている。平成27年の補助事業と同時期に生産ラインの建屋を新設し、IPC標準の認証トレーナー1名、認証スペシャリスト4名の認定を取得した。今後5年で医療機器やモバイル機器等の電子部品の需要拡大が見込まれ、0201チップへの対応も視野に入れている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。