ものづくり補助金平成26年度宿泊業、飲食サービス業大分県

『五感で味わえる良質な温泉』および『機能温泉浴』をお客様に提供するシステムの構築

株式会社 山一観光

この事例のポイント

  • 源泉が約100℃と高温のため加水して適温にしており、加水で成分が希釈され本来の泉質と効能を提供できていなかった。
  • 高温の源泉を加水せず適温にするため、竹製温泉冷却装置『湯雨竹』を導入し、ホテル入り口そばの泉源と露天風呂の上部の2カ所に設置した。
  • 『湯雨竹』の設置により、加水せず源泉100%の湯を適温で楽しんでもらえるようになり、泉質の本来の良さを提供できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 山一観光
所在地大分県 日田市
業種宿泊業
従業員数50人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

株式会社山一観光は天ヶ瀬温泉でホテル『みるき〜すぱ サンビレッヂ』を運営しており、3本の源泉を持つ。2本はPH9超のアルカリ性でメタケイ酸を220mg含む湯、1本は単純硫黄泉で、泉質は良好である。とくにメタケイ酸を多く含む湯は美肌の湯として女性に人気が高い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度源泉が約100℃と高温のため加水して適温にしており、加水で成分が希釈され本来の泉質と効能を提供できていなかった。
  • 品質・精度高温の源泉と冷たい水を混ぜるため温度調節が難しく、「熱い」「ぬるい」と苦情が来ることも少なくなかった。
  • 人手・技能泉源のパイプ清掃に音や振動の大きいエンジン式ウインチを使っており、入浴客や宿泊客に気兼ねする状況だった。
  • その他3号源泉の水中ポンプが頻繁に故障していた。

やったこと

高温の源泉を加水せず適温にするため、竹製温泉冷却装置『湯雨竹』を導入し、ホテル入り口そばの泉源と露天風呂の上部の2カ所に設置した。『湯雨竹』は昔の塩田で用いられた枝条架の原理を応用し、熱い湯のしずくが竹の枝を伝って落ちる間に冷却する仕組みで、電源が不要である。あわせてタンクを新設し、温度差の少ない湯同士で温度調整できるようにした。また、音や振動の大きいエンジン式ウインチを静粛性の高い電動ウインチに替え、3ヶ所の露天風呂には事務所から湯温をチェックできる温度センサーを設置した。さらに3号源泉の水中ポンプを高性能なものに替えた。玄関前には手湯を楽しめる場も整備した。

その他竹製温泉冷却装置『湯雨竹』
その他温度調節用の源泉タンク
加工機電動ウインチ
その他水中ポンプ
検査測定温度センサー

新しい製品・サービス:竹製温泉冷却装置『湯雨竹』による源泉100%の温泉提供

事業の効果

『湯雨竹』の設置により、加水せず源泉100%の湯を適温で楽しんでもらえるようになり、泉質の本来の良さを提供できるようになった。電動ウインチへの変更により、入浴客や宿泊客に気兼ねせず泉源のメンテナンスができるようになった。露天風呂の温度センサーや高性能な水中ポンプにより温度管理とトラブル対策が改善された。泉質や雰囲気の評判が口コミで広がり、利用者数は確実に増加している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との連続性は書かれておらず、温泉の泉質を活かす方向性が背景に示される程度で、経営戦略上の位置づけは読み取れません。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    源泉の泉質が良好で美肌の湯として女性に人気があるという強みが書かれ、外部環境との関係は一部読み取れるが、市場動向の数字はない。

  • 課題の認識と解決4

    加水による泉質希釈や温度調節の難しさ、苦情が来ることなど課題が具体的に示され、冷却装置の導入で解決する流れが読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、利用者数が確実に増加しているとの記述のみで数値目標は読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員の温泉マイスター7名や社員数50名の記載はあるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    源泉100%の湯を適温で提供する価値や美肌の湯としての顧客ターゲット、湯巡りの機能温泉浴という選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    中長期の検証や遂行スケジュールは書かれず、温泉マイスター増員による充実という展望が示される程度である。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    温泉の泉質による高付加価値化への言及はあるが、温泉冷却装置の普及度や認知度に関する記述は読み取れません。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果2

    設備導入の効果として作業負担軽減や利用者数増加が示されるが、投入額や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    電源不要の竹製冷却装置という独特の仕組みは示されるが、先端的なデジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    日田市天瀬町の温泉地という地域資源を活かしている点は読み取れるが、雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

泉質の良さをPRして美人の湯・美肌の湯としてさらにPRし、機能温泉浴の提案などで集客力を高める。また温泉マイスター検定への挑戦を促し、現在7名が温泉マイスターであるところから、温泉に詳しい人材を増やしてハードとソフト両面の充実を図る。

  • 目標:2本の源泉はメタケイ酸を220mg含む(補助事業の効果ではなく泉質の説明)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。