ものづくり補助金平成26年度学術研究、専門・技術サービス業大分県

新設備導入による写真撮影からアルバム製本までの工程の社内一本化による品質向上と効率化

有限会社さかえ写真スタヂオ

成果撮影から納品までの期間 2か月→1か月

この事例のポイント

  • 写真の製本を関西の専門業者に外注しており、撮影から納品まで約2か月かかり、繁忙期にはさらに遅くなっていた。
  • 撮影から仕上げまでを社内で行うため、大分市三芳の写真加工施設「さかえラボ」に設備を導入した。
  • 撮影から納品までの期間 2か月→1か月。撮影から納品までを社内で行えるようになり、納品期間は約2か月から1か月に短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社さかえ写真スタヂオ
所在地大分県 大分市
業種技術サービス業
従業員数40人
資本金350万円
設立1969年

事業の背景

大分市で指折りの老舗写真館で、七五三や成人式などの記念写真を長く撮影してきた。特にブライダル写真には定評があり、これまで1,000組以上の新郎新婦を撮影してきた。県内外に8店舗を展開し、多様なニーズに応じた写真撮影を行っている。写真館の納品形態は、プリントから台紙貼り、さらにアルバムに仕上げる形へと時代とともに変化していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程写真の製本を関西の専門業者に外注しており、撮影から納品まで約2か月かかり、繁忙期にはさらに遅くなっていた。
  • 集客・繁閑外注に時間がかかるため、待たされることで顧客の感動が薄れてしまうおそれがあった。
  • 納期・工程外注先が関西にあるため、写真の修正や変更には最短でも1週間、繁忙期や休日が重なると2週間かかっていた。
  • コスト・採算9店舗分の写真を外注すると、コストが膨大になっていた。
  • 新製品・新技術外注先のデザインバリエーションが多くなく、自社独自のアルバム商品を打ち出しにくかった。

やったこと

撮影から仕上げまでを社内で行うため、大分市三芳の写真加工施設「さかえラボ」に設備を導入した。導入したのはフォトブックオンデマンド機器、アルバム製本機、電動式断裁機、電動コールドラミネーターである。フォトブックオンデマンド機器は銀塩プリントではなくオンデマンド印刷で出力するため、今までとは風合いの異なるアルバムを製作できる。電動式断裁機は5ミリ単位の正確な断裁ができ、100ページ以上のアルバムも製作できる。ラボには10名の社員を配置し、デザインから出力、裁断、製本、ラミネート加工、チェックまでを一括して行っている。

加工機フォトブックオンデマンド機器
加工機アルバム製本機
加工機電動式断裁機
加工機電動コールドラミネーター

事業の効果

  • 撮影から納品までの期間 2か月→1か月

撮影から納品までを社内で行えるようになり、納品期間は約2か月から1か月に短縮された。修正や変更にも即座に対応でき、外注時の時間の不便さが解消された。デザインを社内で行えるため、アルバムのデザイン自由度が上がり、自社独自の新商品も打ち出せるようになった。外注費は減り、より高品質なアルバムを作れるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    老舗写真館が新設備で撮影から製本まで内製化し、高品質化を図ると書かれているが、これまでの事業との連続性は詳述されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    外注の納期や修正時間の課題、大分での内製化が同社だけという点が書かれ、強みは読み取れるが市場分析は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    外注で撮影から納品まで2か月前後、繁忙期はさらに遅れたが、内製化で一ヶ月に短縮できたと具体的な数字で課題と解決が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    納品期間を一ヶ月に短縮できたこと、100ページ以上の製作が可能になったことなど、成果の数値が示されている。

  • 事業を進める体制2

    ラボには10名の社員がいると書かれるのみで、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブライダル写真に定評があり1,000組以上を撮影した実績と、自社デザインによる独自商品化など、顧客と選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    稼働一年後の紙やインクのロス、今後の作業練度向上や他社受注構想が書かれ、課題と展望はあるが工程表はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    フォトブックのオンデマンド印刷を導入したと書かれるが、ジャンルの普及度や高付加価値化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の老舗写真館の内製化による雇用や波及効果の記述はわずかで、国が補助する積極的理由は読み取れない。

  • 費用対効果3

    外注費の削減や納期短縮の効果は書かれるが、投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術は使われるが、サプライチェーンや地域のイノベーションへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大分市の老舗写真館が地域で店舗展開し、大分で撮影から製本まで内製化している点は地域性として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は作業の練度を上げて製本作業をより効率化していく。さらに、製本作業専用のラボを独立させ、ゆくゆくは他社のアルバム製本も受注したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。