ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

ボトルネック工程の解消による生産性の向上と商圏の拡大

成果1時間あたりの生産量 720枚→1,500枚

この事例のポイント

  • 山田揚げせんべいの成型工程は手作業で時間がかかり、ボトルネックとなっていた。
  • 山田揚げせんべいの製造工程は、米粉の蒸練、米粉とゴマのつきあげ、成型、乾燥、油での揚げの5工程からなり、成型は生地を丸型にくり抜く工程である。
  • 1時間あたりの生産量 720枚→1,500枚。成型工程を機械で自動化したことで、1時間あたりの生産量が手作業の720枚から1,500枚へと増え、生産力が倍増した。

事業者のプロフィール

所在地岩手県 山田町
業種食料品製造業
従業員数7人
設立1985年

事業の背景

当社は昭和60年に自家製麺のうどん店として開業し、山田町に江戸時代から伝わる銘菓「山田生せんべい」の製造販売も行っている。山田生せんべいは保存料を使わず賞味期限が約10日と短い。生せんべいを揚げた「山田揚げせんべい」は平成26年に誕生し、生せんべいを上回る売り上げとなったため、量産化に迫られていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力山田揚げせんべいの成型工程は手作業で時間がかかり、ボトルネックとなっていた。
  • 生産能力正月やお盆などの大量注文に応じきれず、販売機会を失っていた。
  • コスト・採算生せんべいは賞味期限が短く、製造から5日経過したものを自主回収しており廃棄ロスが生じていた。

やったこと

山田揚げせんべいの製造工程は、米粉の蒸練、米粉とゴマのつきあげ、成型、乾燥、油での揚げの5工程からなり、成型は生地を丸型にくり抜く工程である。機械メーカーに「山田せんべい専用型抜き機」をオーダーメイド品として特注した。専用機は上下2本のローラーで生地を薄く延ばし、ベルトコンベアの途中の型抜き機で自動的に型抜きする仕組みである。生地がローラーにはりつく問題は、油を塗って試したものの解決せず、上下2本のローラーの表面に細かい研磨を施すことで生地がローラー間を通過し、型抜きができるようになった。

加工機山田せんべい専用型抜き機

新しい製品・サービス:山田揚げせんべい

事業の効果

  • 1時間あたりの生産量 720枚→1,500枚

成型工程を機械で自動化したことで、1時間あたりの生産量が手作業の720枚から1,500枚へと増え、生産力が倍増した。これにより大量注文にも応じられるようになり、販売機会を逃さなくなった。賞味期限が長い揚げせんべいにより県内全域へ販路を拡大でき、山田生せんべいの周知や自家製麺うどん店の利用増加も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去に生せんべいを販売し、揚げせんべいを新商品として開発した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県内全域への販路拡大や保存料未使用で賞味期限が長い点はうかがえるが、競争優位の根拠の記述は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    成型工程がボトルネックで需要に対応できなかった課題が明示され、型抜き機導入で解決する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1時間あたりの生産量が手作業720枚から1,500枚へ増えると数字で示され、目標と実現の根拠が明確。

  • 事業を進める体制2

    従業員7名の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大量注文に応じきれず販売機会を失っていたことや、賞味期限が長い商品の顧客ニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試作での生地の付着や滑りを研磨で解決した経緯は書かれるが、今後のスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    山田揚げせんべいは生せんべいを上回る売上となったと書かれ、一般的な普及度の低さは読み取れるが根拠は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    山田町の銘菓の継承や県内への周知が述べられるが、経済波及や雇用創出の具体的記述は少ない。

  • 費用対効果3

    生産量が2倍超になった数字はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    型抜き機の自動化は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献の記述は乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    江戸時代から伝わる山田生せんべいを地域の味として守り、山田町へ人を呼ぶ狙いが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も新たな発想で新商品開発に取り組み、米粉とゴマを使ったせんべい生地を揚げせんべい以外にも応用していきたいとしている。

事業者の声

山田町の味を残してほしい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。