ものづくり補助金平成27年度製造業岩手県

独自酵母による新商品開発及び生産プロセスの強化による販路拡大

この事例のポイント

  • 生産プロセスのボトルネックとなっていた、日本酒の味や香りを左右する蒸し米・麹づくりと火入れ・瓶詰め工程の機能が、既存の蒸気ボイラーで低下することが懸念されていた。
  • 生産プロセスの改善と強化を図るため、新機種の高性能蒸気ボイラー(エクオス貫流式蒸気ボイラー)を導入した。
  • 高温乾燥蒸気を安定して供給できるようになり、良質な麹づくりや外硬内軟の蒸し米の生産が可能になった。

事業者のプロフィール

所在地岩手県 紫波郡紫波町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数5人
設立1903年

事業の背景

当社は明治36年の創業以来、地元の水、米、風土を活かし、手づくりの酒を多品種少量で生産している。吟醸酒や純米酒など特定名称酒は毎年清酒鑑評会で入賞しており、商品開発力も評価されている。現在、日本酒全体の消費は下降傾向にあるが、当社の特定名称酒は平成20年頃から微増ながらも売上の増加傾向が続いている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産プロセスのボトルネックとなっていた、日本酒の味や香りを左右する蒸し米・麹づくりと火入れ・瓶詰め工程の機能が、既存の蒸気ボイラーで低下することが懸念されていた。
  • 品質・精度新商品開発で求められる味、風味、衛生の面で、高いレベルに到達する必要があった。
  • 新製品・新技術顧客の高い要求レベルを満たす新商品の開発が求められていた。

やったこと

生産プロセスの改善と強化を図るため、新機種の高性能蒸気ボイラー(エクオス貫流式蒸気ボイラー)を導入した。このボイラーにより、蒸し米・麹づくりに必要な高温乾燥蒸気を安定して供給できるようになった。火入れ・瓶詰め工程でも同じ蒸気を使えるようにし、作業効率と品質の向上を図った。

その他エクオス貫流式蒸気ボイラー

新しい製品・サービス:花酵母を使った新商品の開発とシリーズ展開(月下美人、撫子の花酵母を使った日本酒「なでしこ」など)、および水分酵母を使ったプライベートブランド(PB)商品の日本酒開発

事業の効果

高温乾燥蒸気を安定して供給できるようになり、良質な麹づくりや外硬内軟の蒸し米の生産が可能になった。火入れ・瓶詰め工程では殺菌能力が向上し、酒の衛生面が確実に確保された。火入れ・瓶詰めの時間が短縮され、労力も削減された。生産プロセスの安定と強化により新商品開発が進み、水分酵母を使ったPB商品を開発して納品している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治36年創業以来の手づくり・多品種少量の酒づくりを背景に、蒸気ボイラー導入を生産プロセス強化と新商品開発に位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    吟醸酒・純米酒など特定名称酒の評価や清酒鑑評会での入賞に触れ、強みを示しているが、市場データや競合比較は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    既存ボイラーの機能低下を課題とし、高性能蒸気ボイラー導入で蒸し米・麹と火入れ工程を改善、新商品開発に繋げる構図が具体的。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は記載がなく、火入れ・瓶詰めの時間短縮と労力削減が示されるのみ。

  • 事業を進める体制2

    従業員5名の体制と開発プロジェクトの進行は読めるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    花酵母・水分酵母を使った商品や特定名称酒の品質が示され、顧客ニーズを察知する方針も書かれているが、ターゲットの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    二つの開発プロジェクトが進行中と書かれているが、スケジュールや中長期の課題解決方法は読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    花酵母の醸造権利を岩手県内で唯一保有し、「月下美人」「撫子」の花酵母酒を発売するなど、高付加価値の独自商品に取り組んでいる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    地域の水・米・風土を活かす酒づくりや紫波町水分地区の酵母に触れるが、経済波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    省エネ型の貫流式ボイラー導入は読み取れるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は記載されていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    紫波町水分地区に由来する水分酵母を使ったPB商品を東京の企業に納品しており、地域資源を活かした付加価値の取組が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。