ものづくり補助金平成27年度農業、林業岩手県

湯葉製品の生産能力及び安全性・保存性を高める生産プロセスの改善

株式会社ミナミ食品

成果乾燥ゆばスープの1時間あたり個包装数 150個/時間→960個/時間

この事例のポイント

  • 乾燥ゆばスープの包装袋への充填作業は手作業で1回に1個しか包装できず、効率が悪く時間がかかっていた。
  • 手作業だった乾燥ゆばの個包装と、ゆば製品の包装袋への充填を自動化するため、ノントレイ深絞り食品包装機を導入した。
  • 乾燥ゆばスープの1時間あたり個包装数 150個/時間→960個/時間。包装機の導入により乾燥ゆばスープの個包装能力が大きく向上し、生産能力が飛躍的に高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミナミ食品
所在地岩手県 洋野町
業種農業
技術分野製造環境
従業員数6人
資本金200万円
設立1981年

事業の背景

当社は昭和56年の創業以来、養鶏業のほか地元特産の大豆を使ったゆば製品や桑葉製品など岩手の素材を活かした健康志向食品を製造販売している。ゆば製品は生ゆば、冷凍ゆば、乾燥ゆばのほか、海産物と組み合わせた即席スープを開発し、FOODEX JAPAN2015やスーパーマーケットトレードショー2016への出展で多くの新規取引先から引き合いを受けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力乾燥ゆばスープの包装袋への充填作業は手作業で1回に1個しか包装できず、効率が悪く時間がかかっていた。
  • 品質・精度ゆばと冷凍ゆばはヒートシール時に溶着部分へ豆乳が付着して圧着不良が起き、液漏れや流通時の破損が課題となっていた。
  • 納期・工程即席スープ用の乾燥ゆばの製造や個包装は全て手作業で、既存設備では生産量が追いつかず、納期の延長や失注が発生していた。

やったこと

手作業だった乾燥ゆばの個包装と、ゆば製品の包装袋への充填を自動化するため、ノントレイ深絞り食品包装機を導入した。金型1つに個包装サイズのくぼみが8個あり、1回のプレスでフィルムに8個のくぼみを成形する。フィルムのくぼみに具材を載せ、上からフィルムをかけて熱圧着するため、生ゆばでも溶着部に豆乳が付着しない。包装内に空気を入れて成形するためトレイが不要で、乾燥ゆばの破損を防げる。真空包装とガス充填包装の機能も備え、同種の機械では世界最小サイズで省スペースである。

加工機ノントレイ深絞り食品包装機

事業の効果

  • 乾燥ゆばスープの1時間あたり個包装数 150個/時間→960個/時間
  • 生ゆばの1時間あたり個包装数 150個/時間→360個/時間

包装機の導入により乾燥ゆばスープの個包装能力が大きく向上し、生産能力が飛躍的に高まった。生ゆばの個包装も増加し、真空包装やガス充填包装により商品の劣化が防がれ保存性が向上した。包装袋の圧着も自動化され、運用段階で不良品は発生していない。納期遅延や失注していた受注案件も受け入れられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の養鶏・ゆば製品の事業を基盤に、即席スープの開発と販路拡大を進めている流れが読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    見本市出展で多くの新規取引先から引き合いを得たことや、類似品がほとんどない点から競争優位性がうかがえる。

  • 課題の認識と解決5

    手作業の充填が1分2.5個で納期遅延や失注を招いていた課題を示し、1分16個と6.4倍への改善を数値で示している。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量6.4倍という実績は示されているが、事業計画としての数値目標や賃上げ目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    専務取締役が生産ライン作りから営業まで取り組む点は示されるが、事業遂行の体制や人員配置の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    試食提供や見本市出展を経て新規取引先の引き合いを得た点と、破損防止の特長から選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後は営業活動を充実させるとあるが、中長期の遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    乾燥ゆばスープは類似品がほとんど見受けられず、需要も年々高まっているとあり、新市場性がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域の雇用増加につなげたいという記載はあるが、雇用人数や経済波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    生産量の向上は示されるが、補助金の投入額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数値は記載されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による生産性向上は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体のイノベーションへの言及は読み取れない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    即席スープ需要の拡大が見込まれるとあるが、構造転換に資する政策的な位置付けは明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    岩手の素材を活かした商品づくりと洋野町の雇用拡大への貢献が示され、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

納期遅延や失注していた受注案件を受けられるようになったため、今後は営業活動を充実させ、既存主要取引先からの受注拡大を目指す。昆布とゆばの乾燥スープは需要が年々高まっており、市場の拡大も見込まれる。地域の雇用の増加にもつなげたい。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。