ものづくり補助金平成27年度製造業宮城県

最新の超精密加工機導入による電子部品製造装置の品質向上、低コスト化、及び短納期による競争力強化の実現

トラスト・メカ株式会社

成果直径1mm以下の小型工具の加工精度を、従来の±0.005mmを超える精度に向上

この事例のポイント

  • 微細加工用工具製造時や深い穴加工、高速切削時の加工精度に課題があった。
  • 最新の超精密加工機CNCジグボーラーを導入した。
  • 直径1mm以下の小型工具の加工精度を、従来の±0.005mmを超える精度に向上。加工精度が向上し、精度を保ったまま加工時間を短縮できた。

事業者のプロフィール

事業者名トラスト・メカ株式会社
所在地宮城県 加美郡加美町
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数35人
資本金1,500万円
設立1993年

事業の背景

同社は金型製造からはじまり、加工機の設計生産、自動化生産設備、電子部品組立機の設計製作へと事業を拡大してきた。平成24年からは自動車エンジン組立関連の設計・製作も手がけている。取引先からは低コスト化や短納期化、難加工素材への対応が求められていた。リーマン・ショックの影響で仕事が半分以下に減った時期もあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度微細加工用工具製造時や深い穴加工、高速切削時の加工精度に課題があった。
  • 生産能力製品を固定する治具を2個しか取り付けられず、作業効率の向上を妨げていた。
  • コスト・採算一般的に加工時間を短縮すると精度が落ちるため、精度と加工時間の両立が難しかった。

やったこと

最新の超精密加工機CNCジグボーラーを導入した。直径1mm以下の小型工具の加工精度を従来の±0.005mmを超える精度に高めた。工具径の5倍以上の深い穴加工では加工時間を3割減らした。高速切削では先読み機能を従来の30ブロックから600ブロックに拡張し、加工精度を向上させた。治具を2連から6連にしたことで作業効率を高め、長時間の無人加工と夜間生産を可能にした。CAD・CAMのプログラム時間も1割短縮した。

加工機超精密加工機CNCジグボーラー

事業の効果

  • 直径1mm以下の小型工具の加工精度を、従来の±0.005mmを超える精度に向上
  • 工具径の5倍以上の深い穴加工で加工時間を3割減
  • 加工時間を2割減
  • 高速切削の先読みブロック数 30ブロック→600ブロック
  • CAD・CAMのプログラム時間を1割短縮
  • 生産性 1倍→3倍

加工精度が向上し、精度を保ったまま加工時間を短縮できた。治具の増設により生産性が大きく上がり、長時間の無人加工と夜間生産が可能になった。CAD・CAMのプログラム時間も短縮され、全体で大幅な削減につながった。今後は加工条件の最適化により、さらに精度を高められる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    リーマン・ショック後に技能士資格取得を推進し、技術力向上を続けてきた経緯が書かれているが、今回の設備投資との戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    提案型営業や3Dプリンタ導入で他社と差別化し、2カ月以内納品を実現していると具体的に書かれており、強みが読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    微細工具の精度を±0.005mm超に向上、加工時間を2割減、治具2連から6連で生産性3倍と、課題と数値効果が明確に示されている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間2割減、深穴3割減、CAMプログラム時間1割減、治具6連で3倍の生産性と数値目標と実績が示され、実現性が読み取れる。

  • 事業を進める体制4

    技術職の8割近くが技能士資格を取得し、設計技能士が打合せに同行する体制が具体的に書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    電子部品の小型化・高性能化や高精度複雑形状へのニーズ増加を背景に、スピードと品質を強みとして打ち出している。

  • 事業化までの道筋3

    今後加工条件の最適化やデータベース蓄積で精度向上を図るとあるが、具体的なスケジュールや手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超精密加工と微細加工の高精度化を強みとしているが、市場の普及度や認知度に関する記述は少ない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    国が補助する雇用創出や経済波及効果への言及は薄く、わずかに地域の製造業の発展がうかがえる程度である。

  • 費用対効果4

    加工時間2割減や生産性3倍など投資に対する効果が数値で示されており、費用対効果の高さが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    超精密加工機や3Dプリンタの導入は示されるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    電子部品や自動車部品の高度化への対応は書かれているが、構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    宮城県加美町の企業であることはわかるが、地域特性を活かした成長や雇用創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回得たデータを蓄積し、さらなる技術力の向上を目指す。お客様の求める以上の製品を作っていきたいとしている。

事業者の声

特に治具が2連から6連となったことで、3倍の生産性が実現したことが非常に大きいですね。この結果、長時間の無人加工ができるようになりましたので、従業員に負担を掛けない夜間生産が可能になりました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。