ものづくり補助金平成27年度製造業秋田県

花火玉にクラフト紙を貼り付ける作業の機械化で型物花火の品質向上と作業時間の短縮を実現

株式会社北日本花火興業

成果玉貼り乾燥作業の一連工程時間(12cm玉25個あたり) 28時間→11.5時間

この事例のポイント

  • 手作業による玉貼り工程で振動が生じ、火薬粒の位置ズレが起きることがあった。
  • 海外で開発された自動玉貼り機を導入し、花火製作・打ち上げで自動化が進んだ海外機械を利用した。
  • 玉貼り乾燥作業の一連工程時間(12cm玉25個あたり) 28時間→11.5時間。防爆型煙火用自動玉貼り機の導入により、玉貼り乾燥の一連工程の作業時間が大きく短縮され、生産性が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社北日本花火興業
所在地秋田県 大仙市
業種その他の製造業
従業員数20人
資本金2,000万円

事業の背景

1899年(明治2年)創業の煙火製造業者で、大曲の花火大会で創造花火を得意としてきた。全国競技大会で数々の賞を得るなど、開発と生産の種類で国内業界のトップにあるとされる。型物花火では先駆的な技法で新商品を発表してきた。近年は海外で自動玉貼り機が開発され、振動を軽減して火薬粒のズレを抑えられるとの情報を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手作業による玉貼り工程で振動が生じ、火薬粒の位置ズレが起きることがあった。
  • 生産能力伝統的手法に頼るため生産が期日に追われ、注文を断る状況が続いていた。
  • 生産能力自社使用花火が不足する場合があり、その分を他社からの仕入れに頼っていた。

やったこと

海外で開発された自動玉貼り機を導入し、花火製作・打ち上げで自動化が進んだ海外機械を利用した。花火工場内では発火の恐れがない仕様が法律で定められているため、一般の電気仕様の機械は使えず、防爆型動力機にカスタマイズした。防爆型煙火用自動玉貼り機を型物花火の製造に使用し、あわせて小玉・中堅玉サイズの割物花火の玉貼り工程にも使用した。今回の導入に伴い専用の作業工室を新設し、もう1台分のスペースも確保した。

事業の効果

  • 玉貼り乾燥作業の一連工程時間(12cm玉25個あたり) 28時間→11.5時間

防爆型煙火用自動玉貼り機の導入により、玉貼り乾燥の一連工程の作業時間が大きく短縮され、生産性が飛躍的に向上した。作業員の製作技量による個人差も少なくなった。玉貼り時の振動による障害はほとんど無視できる状態になり、型物花火の品質向上に極めて効果的であることが確認できた。夏期直前の受注残や仕掛り品も激減し、品質向上以外の面でも効果が現れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1899年創業で型物花火に先駆的技法を持ち、過去6度の内閣総理大臣賞を得ている点から一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国大会での受賞や開発・生産種類が国内トップという強みは書かれるが、市場動向や弱みとの対比は記載がなく、競争優位の説明は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    手作業玉貼りの振動による火薬粒のズレという課題を明示し、自動玉貼り機導入で作業時間を28時間から11.5時間に短縮したと具体的に示している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていないが、他社仕入れの低減や受注残の減少など効果は示されており、目標の具体性は薄い。

  • 事業を進める体制2

    作業工室の新設や複数台活用の展望は書かれるが、人材や事務処理体制の確保について具体的な記述はほぼない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    型物花火の品質の均一性や供給不足の解消という価値は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体的に書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    防爆仕様へのカスタマイズや専用作業工室の新設、もう1台分の確保など遂行方法は示されるが、スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    防爆型の自動玉貼り機を海外技術から応用し、型物花火で先駆的技法を用いた新商品を発表しているとあり、高水準の高付加価値化がうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    供給不足の解消や観客の幸福への寄与は書かれるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果3

    導入経費削減や作業時間の短縮、製造コスト抑制に有効とあるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    海外で開発された自動化機械を防爆仕様に応用する点はうかがえるが、地域やサプライチェーン全体へのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    大曲の花火発祥の地での創造花火の伝統や、秋田県の事業者としての取組が書かれるが、地域経済成長への牽引は具体的に示されていない。

今後の展望

自動玉貼り機は型物花火だけでなく中・小型花火玉全般に応用でき、品質と同時にボリューム感が求められる場合の製造コスト抑制にも有効とみている。もう1台分のスペースを生かして複数台を活用し、品質の安定と供給体制を整えたうえで、国内外のより多くの観客に喜びを届けたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。