ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

舌(シタ)ブラシの毛材製造のため超音波溶着機を導入し自動ラインを開発

SHIKIEN株式会社

成果舌ブラシW-1の1日の生産個数 1倍→5倍

この事例のポイント

  • 毛材の溶着を外部に委託しており、注文が増えても量を満たせない状況だった。
  • 安全機能を備えた超音波溶着機を導入し、独自に開発した毛材の自動移動ラインを設置した。
  • 舌ブラシW-1の1日の生産個数 1倍→5倍。自社で溶着を行う体制ができたことで、舌ブラシW-1は1日の生産個数が約5倍になり、W-1プラスは約2倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名SHIKIEN株式会社
所在地新潟県 新潟市
業種その他の製造業
技術分野接合・実装
従業員数8人
資本金1,250万円
設立1948年

事業の背景

新潟大学大学院医歯学総合研究科の協力で舌ブラシを開発し、平成19年から製造・販売を始めた。平成23年に会社を設立し、生産と包装は外部に委託していた。病気や口臭の予防に関心が高まり口腔ケア市場は拡大しており、販売数は平成25年2月期35万本、26年2月期65万本、27年2月期80万本と年々増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力毛材の溶着を外部に委託しており、注文が増えても量を満たせない状況だった。
  • 人手・技能委託先の溶着作業は手作業のため怪我の危険があり、生産性も低かった。

やったこと

安全機能を備えた超音波溶着機を導入し、独自に開発した毛材の自動移動ラインを設置した。舌ブラシW-1では毛材をカットせずロール巻き2本をセットし、1本は溶着機の治具に滑らせ、もう1本は空間を置いて走らせる。治具とホーンの真下にプラスチックの芯をロボットアームが正確に置き、アームが離れた直後にホーンが作動して溶着する。溶断はせずベルト状のまま移動させ、次工程で型抜きして下のケースに落とす。舌ブラシW-1プラスは超音波ウエルダーインサート式送り装置を外して超音波溶接機のみを導入し、幅10cmのロール状のブラシ毛材を同様に固定して、治具とホーンの真下に来る前に正確に二つ折りする装置を通して溶着する。溶着後は型抜きプレスを通過させ、下のケースに落下させる。

加工機超音波溶着機
加工機超音波ウエルダーインサート式送り装置
加工機毛材自動移動ライン
ロボットロボットアーム
加工機型抜きプレス

新しい製品・サービス:舌ブラシW-1プラス

事業の効果

  • 舌ブラシW-1の1日の生産個数 1倍→5倍
  • 舌ブラシW-1の1個当たり製造コスト 100%→78%
  • 舌ブラシW-1プラスの1日の生産個数 1倍→2倍
  • 舌ブラシW-1プラスの1個当たり製造コスト 100%→77%

自社で溶着を行う体制ができたことで、舌ブラシW-1は1日の生産個数が約5倍になり、W-1プラスは約2倍になった。1個当たりの製造コストも約22〜23%下がった。今後増える需要に不安なく応えられる供給体制を確立し、手作業による怪我の危険もなくなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    舌ブラシの製造・販売を平成19年から手がけ、毛材の溶着を外部委託から自社化する方針が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    口腔ケア市場の拡大と販売数の増加(25年2月期35万本から27年2月期80万本)が書かれ、外部環境との関係はうかがえる。自社の強みとの対応は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外注の手作業による怪我の危険と低効率を課題とし、溶着機導入で一日の生産個数が約5倍、製造コストが約22%削減と具体的に示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産個数約5倍・製造コスト約22%削減という数値目標の達成実績が書かれている。賃上げ目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8人で、製造の自社化に取り組んだことはうかがえるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    舌に残った汚れを絡め取る商品特性、高齢者を視野に入れた柔らかさ、ヨーロッパでの特許取得などの差別化が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ロール巻の毛材から溶着、型抜き、落下までの工程や次の展開(海外市場開拓)は書かれているが、スケジュールや検証の記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    舌ブラシは歯ブラシに比べ社会的認知度が低いと書かれ、市場の普及度が低いことが読み取れる。高付加価値化の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    災害・事故時の外注先リスク管理の意味合いや、今後増える需要への安定供給が書かれ、社会的な意義がうかがえる。

  • 費用対効果4

    投資に対して生産個数約5倍、製造コスト約22%削減、怪我の危険性の解消が数字で示されており、費用対効果は読み取れる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    新潟県新潟市の企業で、地域の特性を活かした雇用創出の記述は薄いが、地域企業であることはうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後増加が予想される舌ブラシの需要に対応でき、国内の販路拡大に加えてヨーロッパでも特許を取得したことから、海外市場にも進出する方針である。

事業者の声

消費者にいかに広く正しく広められるかが重要

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。