ものづくり補助金平成27年度製造業秋田県

プラント内で繰り返し使用される鋳型砂の温度・水分含有量を監視・制御するシステムを導入し、高品質な鋳物づくりを実現

株式会社イトー鋳造

成果導入後7ヶ月で約15%減少

この事例のポイント

  • 新たな鋳物部品は鋳放し状態で表面欠陥があると不良品となる。
  • 鋳造後の砂温と水分含有量をリアルタイムで監視・制御する装置を導入した。
  • 導入後7ヶ月で約15%減少。導入後7ヶ月で鋳物用の砂に起因する代表的な欠陥である砂かみ不良が約15%減少し、製品の高品質化とコストダウンに一定の効…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イトー鋳造
所在地秋田県 秋田市
業種鉄鋼業
技術分野材料製造プロセス
従業員数80人
資本金1,000万円
設立1868年

事業の背景

主製品は水道用パイプだったが、公共工事の減少などにより需要は減少傾向にある。そこで産業機械、輸送車輌、建築資材などの鋳物部品市場を新たに開拓している。鋳型砂は再使用時にホットサンドと呼ばれる高温状態で、80〜100℃の砂が偏在し、水分も蒸発し続けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度新たな鋳物部品は鋳放し状態で表面欠陥があると不良品となる。
  • 生産能力表面欠陥の原因は鋳型に用いられる砂の温度や水分量のバラツキにあり、一定の砂性状を適切に管理できるシステムの導入が必要であった。
  • 人手・技能砂の性状の調整は熟練作業者が予測や砂の感覚で注水量を調整しており、安定させることが難しかった。

やったこと

鋳造後の砂温と水分含有量をリアルタイムで監視・制御する装置を導入した。センサーで砂の温度、水分量、外気温を計測し、混練時の注水量を適切に調整できるようにした。これにより熟練作業者の感覚に頼らず、砂性状を最適な状態にコントロールできるようになった。導入した装置により、鋳肌の美しい高品質な鋳物を安定的に鋳造する体制を整えた。

  • その他生型砂の温度・水分コントロールシステム砂温・水分の監視・制御装置

事業の効果

  • 導入後7ヶ月で約15%減少

導入後7ヶ月で鋳物用の砂に起因する代表的な欠陥である砂かみ不良が約15%減少し、製品の高品質化とコストダウンに一定の効果が得られた。新たに取引先から鉄道関係部品や機械部品鋳物を複数受注し、商談中の案件もある。コストと品質の両面で取引先から高い評価を得ている。今後は全体の不良率を低減させ、新たな鋳物部品の販売量を全販売量の50%とすることを目標としている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    水道用パイプ主体から産業機械・輸送車両等の鋳物部品へ新分野を開拓する流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明確に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    公共工事減少で需要が減っているという外部環境と、創業129年の鋳造技術・人材という強みは読み取れるが、競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    砂温と水分のバラツキにより鋳放し品の表面欠陥が生じるという課題が明確で、砂性状の監視制御で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    今後の目標として不良率を19(数字不明瞭)低減、新たな鋳物部品の販売量を全販売量の50%にするという数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員80人と創業以来の鋳造技術・人材がいることは書かれているが、補助事業を遂行する担当体制の具体説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車業界など品質要求の厳しい市場向けに、砂温と水分の精密制御で鋳肌を美しくする価値とターゲットが整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の効果と今後の展開は書かれているが、遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鋳型砂の性状を精密制御する点は特色だが、普及度や同分野での高付加価値化の水準は具体的に書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    自動車・鉄道・機械など川下産業への販路拡大がうかがえるが、経済波及や雇用創出の記載は明確ではない。

  • 費用対効果4

    導入後7ヶ月で砂かみ不良が約15%減少し、コストダウンに一定の効果があったと具体的な数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    センサーでの温度・水分量・外気温のリアルタイム計測が示されるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秋田市の鋳物事業者として新分野を開拓する点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用・成長への言及は薄い。

今後の展望

不良率の低減と新分野開拓による販路拡大に向けた取組みを継続する。全体の不良率を低減させ、新たな鋳物部品の販売量を全販売量の50%とし、鋳物市場でのシェア拡大を図る。

事業者の声

首都圏で開催される商談会等に積極的に参加し新規取引先の開拓に努めたい。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。