ものづくり補助金平成27年度製造業山形県

塗装工程の環境整備による、生産性および品質向上への取組み

有限会社太陽コーティング

この事例のポイント

  • 乾式塗装ブースはフィルターが目詰まりするとミストの捕集効果が落ち、フィルター交換に3時間から半日程度かかって生産効率を下げていた。
  • 塗装を乾式工法から湿式工法に切り替えるため、水洗式塗装ブースを新規に導入した。
  • フィルター交換が不要になったことで、これまで3時間から半日程度かかっていた交換作業の時間を他の作業にあてられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社太陽コーティング
所在地山形県 山形県北村山郡大石田町
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数7人
資本金900万円
設立1989年

事業の背景

有限会社太陽コーティングは焼付塗装のほか、機械加工や板金加工、土木工事などを手がけている。大きな製品を機械加工から塗装まで一貫して受注できることが強みで、顧客は県内より岩手県・東京都・横浜市などの県外が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力乾式塗装ブースはフィルターが目詰まりするとミストの捕集効果が落ち、フィルター交換に3時間から半日程度かかって生産効率を下げていた。
  • コスト・採算フィルター交換は年間4回程度行われ、1回あたり約20万円の費用がかかっていた。
  • 品質・精度フィルターに吸着されなかったミストが空中に舞い、塗装が終わった製品に付着して塗り直しが発生していた。
  • その他ミストの飛散が作業員の労働環境や周辺地域の生活環境に悪影響を与えるおそれがあった。

やったこと

塗装を乾式工法から湿式工法に切り替えるため、水洗式塗装ブースを新規に導入した。水洗式は空気中に舞ったミストを吸引し、洗浄室の水に付着させて捕集する。水に付着した塗料ミストは沈殿・浮遊したものを含めて産業廃棄物として処理できるため、フィルターが不要になる。

その他水洗式塗装ブース

事業の効果

フィルター交換が不要になったことで、これまで3時間から半日程度かかっていた交換作業の時間を他の作業にあてられるようになった。年間4回程度、1回あたり約20万円かかっていた交換費用も削減された。塗料ミストの捕集率が上がったため、製品へのやり直しもほぼなくなり、品質が向上した。労働環境と生活環境も改善された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    得意の大物加工を活かし、機械加工から塗装まで一貫体制をめざすと記載。過去の取組との連続性は読み取れない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大物加工の強み、県外顧客の多さ、介護関連製品の受注増に触れ、自社の強みと外部環境を結びつけている。

  • 課題の認識と解決5

    フィルター交換に3時間から半日、年4回で約20万円かかっていた課題を示し、水洗式ブース導入で解決すると説明している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    費用削減や時間短縮の実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員7名の体制と、機械整備や人材育成、新規雇用への取組に触れているが、事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質向上で介護関連製品の塗装受注が増えたと記載。顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は限定的。

  • 事業化までの道筋2

    機械加工の自社化をめざすとあるが、スケジュールや課題の解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    水洗式への切り替えで品質を高め、医療分野に近い介護関連製品の受注につなげたことはうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    高齢化を背景に介護関連製品の増加と新規雇用に触れるが、波及効果の大きさは示されていない。

  • 費用対効果3

    年約20万円の費用削減と3時間から半日の作業時間短縮が示されるが、補助金投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    塗料ミストの産業廃棄物化や周辺環境の改善に触れるが、デジタル技術や地域イノベーションへの言及はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    高齢化に伴う介護関連製品の需要増加に対応すると記載されているが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    大物加工と塗装の一貫受注による地域の付加価値創出は示されるが、地域特性の活用は明示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

県外顧客が多く、大きい製品の輸送コストが高くなるため、機械加工まで社内で行える体制を整え、一貫受注によりコストと納期を管理しやすくする。高齢化に伴い介護関連製品の受注増も見込まれるため、社内の機械整備や人材育成、新規雇用にも力を入れていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。