ものづくり補助金平成25年度製造業香川県

大型塗装ライン導入による生産の効率化及び、省エネルギーの推進

福寿産業株式会社

成果色変えによる時間のロス(ラインの前後に間を空けるために発生する時間)30分

この事例のポイント

  • 既存の粉体塗装ラインは小物の製品が中心で、重量物や中型以上の製品には対応できなかった。
  • 幅3500mm、奥行4500mm程度の製品まで対応できる焼付炉を導入した。
  • 色変えによる時間のロス(ラインの前後に間を空けるために発生する時間)30分。大型製品も前処理から乾燥、塗装、焼付までを搬送設備でラインにつなげて生産できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名福寿産業株式会社
所在地香川県 三豊市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
設立1970年

事業の背景

創業時より粉体塗装ラインを主力設備として事業を営んできた。有機溶剤を使わない粉体塗装は環境配慮型としてニーズが伸びており、問い合わせも増えている。一方で既存設備は比較的小さなサイズの製品向けで、中型以上や重量物の問い合わせに応えられない状況だった。市場のニーズに確実に応えられる体制を整えたいという願いがあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の粉体塗装ラインは小物の製品が中心で、重量物や中型以上の製品には対応できなかった。
  • 生産能力炉の入口が小さく、中型以上の製品や重量物への問い合わせを断る状況が続いていた。
  • コスト・採算既存ラインは自動搬送のため工程ごとに人員が多く必要で、常時炉を稼働させているためランニングコストも高かった。

やったこと

幅3500mm、奥行4500mm程度の製品まで対応できる焼付炉を導入した。重量物などをレールに着荷し、吊るした状態で移動できる搬送設備を導入した。大型製品に対応するため、間口3000mmの大型塗装ブースを導入し、15kWのファンを搭載して最大で約500m3/minの風量を吸引できるようにした。低温乾燥が可能な乾燥炉を導入し、従来日数のかかっていた乾燥工程を縮めることをめざした。

  • 加工機大型焼付炉搬送設備レール吊り下げ式大型塗装ブース間口3000mm、15kWファン低温乾燥炉前処理設備

事業の効果

  • 色変えによる時間のロス(ラインの前後に間を空けるために発生する時間)30分
  • 色変えによる炉の燃焼ロス(炉内に製品はないが燃焼させている時間)1時間
  • これらを合計すると10時間/月以上のロス軽減を見通すことができた

大型製品も前処理から乾燥、塗装、焼付までを搬送設備でラインにつなげて生産できるようになった。少量品や時間のかかる製品を新しい設備で行うことで生産性が向上し、エネルギーコストも削減された。色変えなどのロスは月10時間以上減る見通しである。大型受注の拡大と短納期化が期待でき、従業員の賃上げなど労働条件の改善にもつなげたい考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業時からの粉体塗装ラインを主力とし約30年の事業実績があり、今回の大型化も既存事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    環境配慮型の粉体塗装へのニーズ増加と、中型以上に対応できず断っていた状況が書かれているが、競合比較や強みの定量的な記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    中型以上の製品に対応できない課題を認識し、10時間/月以上のロス軽減や短納期化の見通しを示しており、成長につながる計画が読み取れる。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    10時間/月以上のロス軽減、乾燥作業が半減される見込み、受注拡大の見通しなど数値目標があり、実現性の根拠も示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数や体制、事務処理能力に関する記述はあるが、補助事業を遂行する人材体制の具体的な説明は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    近隣の建築関係部品・配電板製造事業者をターゲットとし、アートウォールの短納期量産という具体的な顧客ニーズと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入後の展望は書かれているが、スケジュールや中長期の課題検証の具体的な記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    粉体塗装は環境配慮型として需要が伸びていると書かれ、大型製品対応で高付加価値化を図る方向性がうかがえるが、数値的な根拠は薄い。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    アートウォールの供給や職人減少への対応、建築・電気関係への波及が書かれているが、国が補助する積極的理由としての記述は限定的。

  • 費用対効果3

    ランニングコストと燃焼ロスの削減、10時間/月以上のロス軽減など効果の記述はあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル技術の活用は記載がなく、低温乾燥や搬送設備による工程の連結がうかがえる程度でイノベーションの記述は乏しい。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    香川県三豊市の地域企業であることは分かるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は乏しい。

今後の展望

粉体塗装の大型受注は引き合いが多く需要が見込まれる。近隣の建築関係部品製造事業者や配電板等の電気関係部品製造事業者をターゲットに受注拡大が望める。乾燥炉を活用して「アートウォール」の短納期量産も見込める。

事業者の声

設備導入によって競争力を高められたので、ますますお客さまのニーズにお応えします。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。