ものづくり補助金平成27年度製造業福島県

こだわりのある自家製あんの増産を目指す新設備の導入

成果一度に大量の豆を仕込めるようになり、光熱費・人件費が大幅に削減された

この事例のポイント

  • これまで職人の勘に頼ってあんを製造しており、工程は火加減が難しく焦がさないよう神経を使う手作業の多い重労働で、手間や時間がかかって作業効率が低下していた。
  • こだわりの自家製あんの効率的な再現を目指し、煮豆機とあん練機を導入した。
  • 一度に大量の豆を仕込めるようになり、光熱費・人件費が大幅に削減された。自家製あんの増産に成功し、見た目も味も目標以上になった。

事業者のプロフィール

所在地福島県 郡山市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数6人
設立1902年

事業の背景

明治32年創業の和菓子店で、現店主は6代目である。ゆべし饅頭や仙五郎羊羹など定番・季節商品に支持があり、仙五郎羊羹は第23回全国菓子博覧会で栄誉金賞を受賞している。和菓子業界は従業員10人未満の事業所が9割近くを占める零細性の強い業界とされるが、地域密着型の経営形態によって安定した業績を保っているとされる。国内の和菓子の生産量はほぼ横ばいで推移している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力これまで職人の勘に頼ってあんを製造しており、工程は火加減が難しく焦がさないよう神経を使う手作業の多い重労働で、手間や時間がかかって作業効率が低下していた。
  • コスト・採算一度に製造できる量が少なく、光熱費も高くなっていた。
  • 生産能力自家製あんが間に合わず製あん業者・組合から購入していたため、味にこだわったあんの製造に限界があり、あんを前面に出した商品展開ができていなかった。
  • 人手・技能人気の高い商品の欠品が少なくなく、顧客の要望に応えられていなかった。

やったこと

こだわりの自家製あんの効率的な再現を目指し、煮豆機とあん練機を導入した。煮豆機は小豆のあんの材料や粒あんを煮上げるもので、一度に大量の豆を仕込めるようになった。あん練機は高品質なあんを練り上げるためのもので、ガスによる温度の微妙な管理を行える、職人の技の再現が可能な機種を選択した。ボリューム式およびタイマー付きガス調整のできるあん練機を導入し、焦がさずに練り上げられるようにした。

加工機煮豆機
加工機あん練機

新しい製品・サービス:自家製あんを前面に出した上生菓子(大納言鹿の子、白手亡鹿の子など)

事業の効果

  • 一度に大量の豆を仕込めるようになり、光熱費・人件費が大幅に削減された

自家製あんの増産に成功し、見た目も味も目標以上になった。煮豆機の導入で一度に大量の豆を仕込めるため光熱費・人件費が大幅に削減され、仕上がりもつぶれず、ふっくらとした見栄えの良い粒あんになった。あん練機の導入により、風味を生かしたグレードの高いあんとなり、自家製あんを前面に出した新しい商品開発や販売展開が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治32年創業で先代から味を学び、自家製あんの増産が看板商品の展開につながると読めるが、経営戦略上の明確な位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    地域密着型の経営形態や地域固定客に触れるが、競争優位性を発揮する根拠や市場動向の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    欠品や自家製あん不足、職人の勘に頼る工程など課題が具体的に示され、煮豆機とあん練機の導入で増産し商品展開につなげる流れが書かれている。

事業の実現可能性36%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    自家製あんの増産に成功したとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大納言鹿の子など上生菓子の魅力や、欠品を減らし顧客要望に応える狙いは読めるが、ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として顧客との対話や地元食材の新商品開発に触れるが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    福島ではあまり商品化されていない大納言鹿の子や白手亡鹿の子を手掛ける点が同地域での差別化として書かれているが、高価格化の数字はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済への貢献や地元食材活用が述べられているが、雇用創出や波及効果の具体的な数字はない。

  • 費用対効果3

    一度に大量の豆を仕込めて光熱費・人件費が大幅に削減されたと書かれているが、補助額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術の活用や新ビジネスモデルの記述は読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元食材を活用した新商品開発や地域経済への貢献が書かれ、地域の特性を活かす方向性はうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

地域の顧客に向けて和菓子のおいしさをアピールし、主婦層を中心にした和菓子講習会を企画する。直接対話で顧客の反応やニーズを集めて新商品のブラッシュアップに生かし、地元食材を活用した新商品の開発を通じて地域経済への貢献を続ける。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。