ものづくり補助金平成27年度製造業福島県

パンの品質安定と生産性の向上へ向けた製造ラインの整備

成果発酵完了までの時間 80分→35分

この事例のポイント

  • 発酵が不均一で、生地ごとに膨らみにばらつきが出ていた。
  • 大型ホイロを導入した。
  • 発酵完了までの時間 80分→35分。発酵時間が約80分から約35分に短縮され、すべての生地に水蒸気が当たって発酵が均一に進むようになった。

事業者のプロフィール

所在地福島県 石川郡浅川町
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数3人
設立1953年

事業の背景

石川郡浅川町で唯一のパン屋として、町内と近隣市町村を商圏に営業してきた。近年は給食関係の需要が増え、車で30分圏内の事業者へ主食を納品している。他社にはないパン生地の2回ミキシングが強みで、店舗では食パン・菓子パン・総菜パンを販売している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度発酵が不均一で、生地ごとに膨らみにばらつきが出ていた。
  • 品質・精度オーブンの焼き加減が不均一で、焼きムラが発生していた。
  • 生産能力出荷できないパンの製造ロスが2割にも及び、安定した品質で定量を生産することが難しく、生産性の拡大を阻んでいた。

やったこと

大型ホイロを導入した。温度は0~45℃、湿度は0~95%の間で設定でき、室内の左右および奥からスプレー式で水を噴射し、ファンで水蒸気を行き渡らせることで、すべての生地に均等に水蒸気が当たり同一条件で発酵するようにした。オーブンも導入した。オーブン内の熱線と生地の間に熱を均等に伝えるプレートを入れ、各段に窓を設けて焼成工程を確認できるようにした。設置後は試運転を兼ねて動作確認を行い、手順をマニュアル化した。スタッフの誰もが操作できるようにし、安定したクオリティーを保てるようにした。

加工機大型ホイロ
加工機オーブン

事業の効果

  • 発酵完了までの時間 80分→35分
  • 1回の製造量(食パン換算) 40本→64本

発酵時間が約80分から約35分に短縮され、すべての生地に水蒸気が当たって発酵が均一に進むようになった。焼成ではオーブン内が均等な温度になり、焼きムラがなくなり、味と香りを引き出せるようになった。1回の製造量は食パン換算で40本から64本に増え、生産性が向上した。品質が安定したことで、新規受注を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    1953年創業で町内のパン屋として営業してきたことはうかがえるが、経営戦略上の位置付けは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    給食需要の増加と他社がやっていない生地の二回ミキシングという強みが書かれ、競争優位性の一端が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    課題は製造ロス2割と具体的で、大型ホイロとオーブン導入後に1回製造量が40本から64本に増えたと数字で示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    発酵完了が80分から35分に短縮、1回製造量が40本から64本に増加と数字で示されており、生産性向上の実績が明確。

  • 事業を進める体制3

    試運転時に手順をマニュアル化し、スタッフの誰もが操作できるようにしたと書かれているが、体制の規模は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    味・食感の向上や給食需要への対応が書かれ、選ばれる理由の一部は読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    試運転と手順のマニュアル化を進めた経緯は書かれているが、中長期の検証やスケジュールは具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ご当地名物を活かした製品づくりに触れているが、製品分野の認知度や高価格化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の特産品を活かしたパンづくりや町のPRに触れているが、波及効果や雇用創出の規模は示されていない。

  • 費用対効果3

    製造量が1回40本から64本に増え、製造ロス2割の解消が見込まれると書かれ、費用対効果の一端がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川郡浅川町で唯一のパン屋として地域の給食需要に応え、特産品を活かす方針が書かれており、地域性は読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

給食の取引先の増加に対応し、新規の給食にも応じられるようになった。既に町内施設と納入数量や時期を協議しており、営業活動を続ける。給食専任の担当者を新規に雇用することも考えている。特産品を活かしたパンづくりや高齢者向け給食パンの開発にも取り組む予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。