ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

既存施工技術と印刷技術を組み合わせた新たな製造プロセスの構築

株式会社 オスク

成果全体の工程日数 10.7日→3.9日

この事例のポイント

  • 壁紙施工は職人の力量によって仕上がりに差があり、再施工のために壁紙を再発注することがあって納期遅延が発生することがある。
  • 自社で壁紙を製作するために、ラテックスプリンター(デジタルプリンター)を導入した。
  • 全体の工程日数 10.7日→3.9日。印刷からフィルム加工、施工までワンストップで行える体制により、全体の工程が10.7日から3.9日へ大幅に短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 オスク
所在地茨城県 那珂市
業種家具・装備品製造業
従業員数20人
資本金1,000万円
設立1991年

事業の背景

同社はブラインドやカーテンなどインテリア資材の卸売販売業として1991年にスタートし、現在は施工やリフォーム工事も取り込んで成長してきた。壁紙施工は内装業務の一つだが、計画の遅延や納期の問題から失注するケースもあった。現在は消費者の好みが多様化し、シンプルな壁紙よりオリジナルの壁紙への要望が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程壁紙施工は職人の力量によって仕上がりに差があり、再施工のために壁紙を再発注することがあって納期遅延が発生することがある。
  • 品質・精度作業中に依頼主の当初のイメージと異なることがあり、壁紙を変更せざるを得ない場合に早急に対応できなかった。
  • 人手・技能現行の現場ののり付けは職人によって接着剤の塗布量や希釈率にばらつきがあり、仕上がり品質に差が出ることがあった。

やったこと

自社で壁紙を製作するために、ラテックスプリンター(デジタルプリンター)を導入した。紙のほかフィルムや布などにも高解像度で美しくシャープなプリント画質を実現し、プリンター内部で硬化されるためそのまま加工や施工ができる。製作時にのりをつけて裏に保護フィルムを貼る機械を導入し、品質の向上と均一化を図った。さらに自社でのりづけできるラッピング設備を導入し、現場でのりづけの必要がなくフィルムをはがすだけで施工できるようにした。これらにより、デザイン・印刷・ラッピング・施工をワンストップで行う高解像度壁紙製作システムを構築した。

加工機ラテックスプリンター(デジタルプリンター)
加工機保護フィルム貼付機(のりづけ・保護フィルム貼り機械)
加工機ラッピング設備

新しい製品・サービス:はがせる壁紙(貼ってはがせる壁紙)

事業の効果

  • 全体の工程日数 10.7日→3.9日

印刷からフィルム加工、施工までワンストップで行える体制により、全体の工程が10.7日から3.9日へ大幅に短縮した。依頼主の希望に柔軟に対応できる体制が整い、突発的な変更や施工ミスにも社内で壁紙を作成して対応できるようになった。職人ごとのばらつきが減り、仕上がり品質の向上と均一化が図れた。新たにメーカーという分野へ進出し、他の内装業者との差別化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    卸売・施工・リフォームへと成長してきた経緯があり、壁紙の印刷・ラッピング・施工の一貫体制は既存事業の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    オリジナル壁紙への要望増加という市場動向は書かれているが、競争優位性を数字で示す記述は少ない。

  • 課題の認識と解決5

    工程が10.7日から3.9日へ短縮され、納期遅延や失注という課題に対応する高付加価値化の取組として具体的に記されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工程短縮の実績は数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    自社で製作から施工までを行う体制は示されているが、人材や事務処理能力の確保については具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    消費者の好みの多様化とオリジナル壁紙への要望増加を背景に、貼ってはがせる壁紙など顧客ニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    デザイン部門の新設やラインナップのネット紹介など今後の進め方は示されているが、スケジュールや課題解決方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    メーカーという分野への進出や他の内装業者との差別化が書かれ、デザイナー物の商品化など高付加価値化の方向性が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済への波及や雇用創出などの国の補助の必要性を示す記述は見当たらず、わずかに地域の事業者としての位置付けがうかがえる程度。

  • 費用対効果3

    工程短縮や品質の均一化など効果は書かれているが、補助金額に対する費用対効果を示す数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタルプリンターやラッピング設備の導入は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献としては具体性が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    印刷とフィルム加工、施工を組み合わせた取組はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する旨は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    那珂市に所在する地域企業であることはうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

貼ってはがせる壁紙は、貼り替えが簡単で依頼主自身が貼ることもできる新素材として今後の展開が期待できる。プリンターの特徴を知ってもらうため、小物やシールに印刷してコミュニケーションツールとしてPRに利用する考えである。デザイン部門を自社内に新設し、デザイナー物の商品化を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。