ものづくり補助金平成27年度製造業茨城県

設備導入による商品の生産性と収穫量の向上 及び新商品の開発

成果落花生の作付面積 2ヘクタール→4ヘクタール

この事例のポイント

  • 従事者の高齢化と減少により、手作業での生産量に限界が生じている。
  • 掘取機を導入し、土から落花生を掘り上げる作業を機械化した。
  • 落花生の作付面積 2ヘクタール→4ヘクタール。掘取機の導入により落花生の作付面積が約2ヘクタールから4~6ヘクタールへ広がり、黒落花生の作付面積も約5倍に拡大した。

事業者のプロフィール

所在地茨城県 牛久市
業種食料品製造業
従業員数4人
設立1926年

事業の背景

同社は1926年創業で、4代にわたり茶と落花生を製造販売してきた生産直売店である。仕入れは極力行わず、自家農園で生産から販売まで行う。東日本大震災の風評被害で茶・落花生ともに売り上げが激減したため、4代目代表は千種類以上の落花生から30種を選んで試作を重ね、香ばしく濃い「黒落花生」の生産に成功した。地域では高齢化や人手不足で落花生の栽培をやめる農家も少なくない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従事者の高齢化と減少により、手作業での生産量に限界が生じている。
  • 人手・技能落花生の収穫・掘り起こしから乾燥、加工まで手作業に頼っており、人手不足が課題である。
  • 生産能力国内唯一の希少な国産黒落花生に対して需要が高いが、供給が追いついていない。
  • 販路・情報発信東日本大震災の風評被害により、茶と落花生の売り上げが激減した。

やったこと

掘取機を導入し、土から落花生を掘り上げる作業を機械化した。掘取機の導入前は約2ヘクタールだった落花生の作付面積が4~6ヘクタールに広がり、黒落花生の作付面積も2,000平方メートルから1ヘクタールへ約5倍に拡大した。乾燥した実と葉を分ける脱粒機と、茹で落花生の生産に必要な脱莢機を導入し、加工の工程でも約3倍の効率向上を実現した。収穫時の品質に不安があったが状態は良く、家族4人で行っていた収穫のスピードは格段に向上して約3倍の効率化となった。

加工機掘取機
加工機脱粒機
加工機脱莢機

新しい製品・サービス:国産黒落花生

事業の効果

  • 落花生の作付面積 2ヘクタール→4ヘクタール
  • 黒落花生の作付面積 2,000平方メートル→10,000平方メートル
  • 収穫作業の効率 1倍→3倍
  • 加工工程の効率 1倍→3倍

掘取機の導入により落花生の作付面積が約2ヘクタールから4~6ヘクタールへ広がり、黒落花生の作付面積も約5倍に拡大した。収穫作業と加工工程はいずれも約3倍の効率化を実現した。国産黒落花生は生産と同時に完売する人気商品となり、増産に成功したことは大きい。手作業からの機械化により、手放された農地での落花生栽培の復活も期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    「国産黒落花生」を主力商品と位置づけ、試作を重ねて生産に成功した経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけを示す記述は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内唯一の生産という希少性と、高い需要に供給が追いつかない状況が書かれ、競争優位の根拠として具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による生産量の限界や高齢化・人手不足という課題が示され、掘取機や脱粒機の導入で解決を図る流れが読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    落花生の作付面積が約2ヘクタールから4~6ヘクタールへ拡大し、収穫の効率が約3倍になったと具体的な数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員4名で家族が手作業を行っていたことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    味が濃く栄養価も高い黒落花生で、生産と同時に完売する人気やメディアでの注目が書かれ、選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    機械化の段階的な導入や乾燥工程を残す方針は読み取れるが、スケジュールや中長期の課題検証の記述は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    千種類以上の落花生から30種を試作して選んだ黒落花生は、国内唯一の生産で一般的な普及度が低いと具体的に読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    落花生栽培をやめた農地の復活や雇用創出、食文化の継承に言及があるが、国が補助する積極的理由としては具体性が薄い。

  • 費用対効果2

    作業効率の向上はうかがえるが、補助金投入額に対する費用対効果を示す数字や記述は見当たらない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    牛久市女化地区の水はけのよい平地と県内有数の産地という地域特性が書かれ、地域の農業振興との関連がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在8ヘクタールの農地を所有するが、人手不足のため半分しか活用していない。機械化により今後の人材減少に対応し、栽培を拡大していく方針である。黒落花生は薄皮に含まれるアントシアニンや香ばしさがメディアで注目され、今後の展開に期待がもてる。

事業者の声

栽培、生産、販売まで、自家農園で行うことが強みです。甘い落花生を生産するというこだわりを崩すことなく、機械化できるところは機械化することで、これからの人材減少と栽培拡大につなげ、味、品質ともに落とすことのない、安心安全かつおいしい落花生をこれからも作り続けていきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。