ものづくり補助金平成26年度製造業和歌山県

「有田みかん」の加工を極め、販路拡大への取り組み有田地域の活性化に貢献し、牽引する企業を目指す

株式会社 早和果樹園

この事例のポイント

  • 廉価版の光センサー選果機は選別基準が曖昧な場合があり、外観や大きさ、品種などで選別していたため、糖度による細かい分類ができなかった。
  • 糖度で選別するため、最新型の光センサー選果機を導入した。
  • 選果機の導入により、選別から搾汁、製品づくりまでの流れがスムーズになり、受注量の増加にも対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 早和果樹園
所在地和歌山県 有田市
業種食料品製造業
従業員数57人
資本金8.502億円
設立1979年

事業の背景

和歌山県有田地方は温州みかんの国内有数の産地である。同社は1979年に7戸のみかん専業農家が組合として創業し、2000年に法人化された。主力は温州みかんを軸とした加工品で、特にチョッパー・パルパー方式のジュースは雑味がなく濃厚な味わいとして人気を得ている。出荷量は2年前の100万本から170万本まで伸びており、認知度も高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度廉価版の光センサー選果機は選別基準が曖昧な場合があり、外観や大きさ、品種などで選別していたため、糖度による細かい分類ができなかった。
  • 新製品・新技術加工品の製造・販売はこれまで高価格帯のジュース中心だったため、消費者の好みに応じた製品づくりを進める必要があった。
  • 品質・精度糖度で選別して仕分けできなければ仕入の効率も上がらず、糖度を明示した製品の販売もできなかった。

やったこと

糖度で選別するため、最新型の光センサー選果機を導入した。加工用みかんの大きさや品種などを扱える選果機として、選別の信頼性向上を図った。導入後は選果した加工用みかんと搾汁後に検査するみかんの品質がほぼ一致し、品質別(糖度別)の果汁製造に取り組めるようになった。選果機の導入により、選別、搾汁、製品づくりの流れを円滑にした。

加工機光センサー選果機

事業の効果

選果機の導入により、選別から搾汁、製品づくりまでの流れがスムーズになり、受注量の増加にも対応できるようになった。糖度別の果汁製造に取り組めるようになり、製品づくりの基礎が固まった。協力農家からのみかんの仕入時にも糖度に合わせた正確な値決めができ、仕入面での精度も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    1979年創業から7戸の農家組合、2000年法人化と一貫した加工品事業の歩みがあり、温州みかん軸の加工品展開が明記されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    チョッパー・パルパー方式でジュース作りを行う企業はほとんどなく、雑味がなく濃厚な味わいとあり、差別化の強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    糖度別の品質分類基準に満足しておらず、より細かく分類して製品づくりの幅を広げる計画が示され、課題認識と方向性が明確。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    出荷量が2年前の100万本から170万本に伸びた実績はあるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    新卒採用を継続し若手社員が育っていることは書かれているが、補助事業を担う具体的な体制や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    1本200円台の「飲むみかん」を開発し、リピーターが下支えして国内外の販売数が増えたとあるが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    調味料や医療介護分野向け製品の開発、陳皮や皮の活用、海外輸出を含む中長期展望はあるが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高水準の高付加価値化として、雑味のない濃厚な味わいの製品を目指す記述はあるが、市場の認知度や普及度についての情報は薄い。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    有田地域の活性化に貢献し牽引する企業を目指すとあり、地域雇用創出への注力が書かれているが、波及効果の定量的な記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    選果機のデータ蓄積と糖度分類で仕入れ精度を高めた点はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    健康・医療介護分野への製品開発挑戦はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及4

    有田地方の温州みかん産地で、自社栽培や周辺農家からの仕入れを軸に加工品を展開し、地域の農家収入と雇用に貢献する点が具体的。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は消費者の好みに応じた製品づくりを進め、温州みかん関連の加工品のラインナップを増やしていく。海外への加工品輸出や、みかんの皮の有効活用も検討している。出荷能力を高めて、みかん農家の収入アップと地域の雇用創出に引き続き取り組む。

  • 目標:出荷量 100万本→170万本

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。