ものづくり補助金平成27年度製造業栃木県

鉄道模型用治具製造における生産プロセスを革新する事業

有限会社近藤製作所

成果粗加工〜仕上げ加工工数 150分→90分

この事例のポイント

  • 鉄道模型用の塗装用治具を製造するため、生産プロセスの構築が急務だった。
  • ITで生産工程の制御と自動化を図るため、デジタル対応のマシニングセンタ、NCフライス盤、3D画像測定器を導入した。
  • 粗加工〜仕上げ加工工数 150分→90分。生産工程の革新により、粗加工〜仕上げ加工の工数や検査工数が短縮され、全体の製造工数も大きく減った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社近藤製作所
所在地栃木県 栃木県真岡市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数15人
資本金300万円
設立1974年

事業の背景

当社は自動車部品や電気部品の金型製造を主力とし、高精密な加工技術と品質の高さから引き合いが増えていた。近年は大人向けホビー市場の拡大に伴い、おもちゃメーカーから鉄道模型(Nゲージ等、縮尺約1/150)の塗装用治具の製造を依頼されるようになった。塗装の品質が商品の完成度に直結するため高精密性が求められ、1モデル(1車両)の製作には5面×塗装箇所数の治具が必要で、総数は多いもので約20〜50個に及んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力鉄道模型用の塗装用治具を製造するため、生産プロセスの構築が急務だった。
  • 品質・精度0.2mm幅などの非常に細かい加工が求められ、精度は±5/1,000mmの高精度が必要だった。

やったこと

ITで生産工程の制御と自動化を図るため、デジタル対応のマシニングセンタ、NCフライス盤、3D画像測定器を導入した。ミクロン単位の精度に対応するため、マシニングセンタの設置スペースに空調設備を整備した。さらに最新式マシニングセンタを新たに2台独自に導入した。鉄道模型本体の金型は、さらなる高精度が求められたため、およそ1年間試行錯誤を重ね、2017年(平成29年)から事業化した。

加工機デジタル対応のマシニングセンタ
加工機NCフライス盤
検査測定3D画像測定器
加工機最新式マシニングセンタ(2台)

事業の効果

  • 粗加工〜仕上げ加工工数 150分→90分
  • 加工後の検査工数 45分→15分
  • 全体の製造工数 225分→145分
  • 生産数 2個/日→5個/日

生産工程の革新により、粗加工〜仕上げ加工の工数や検査工数が短縮され、全体の製造工数も大きく減った。生産数は2個/日から5個/日へと2.5倍になり、生産性が大幅に向上した。メーカーの要求どおり、またはそれ以上の高精密性も確保できた。その結果、鉄道模型本体の金型製造を依頼されるようになり、事業領域が拡大して大きなビジネスチャンスをつかむことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車部品や電気部品の金型製造を主力とし、高精密加工の実績を積んだ上で鉄道模型用治具に展開したと書かれているが、経営戦略上の位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大人向けホビー市場の拡大とおもちゃメーカーからの依頼増加、小規模事業者の小回りと短納期対応という強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    塗装用治具の生産が2個/日から5個/日の2.5倍になり、全体工数が225分から145分に短縮されたと課題解決の効果が数字で示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産数2.5倍、全体工数225分から145分への短縮など目標に対する実績値が示されており、実現性の根拠として読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員15名や1年間の試行錯誤が書かれているが、人材や事務処理能力の体制について直接の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    縮尺約1/150の超小型模型で塗装品質が完成度に直結し、±5/1,000mmの精度が要求されると顧客ニーズが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋4

    2017年からの事業化に向け、およそ1年間試行錯誤を重ねたうえで設備導入し、本体金型製造へ移行したという経緯が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    鉄道模型の塗装用治具は高精密性が求められる分野だが、一般的な普及度や高価格化について明確な記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    大人向けホビー市場の拡大は書かれているが、国が補助する波及効果や雇用創出などの積極的理由は記述されていない。

  • 費用対効果4

    補助事業で2台の最新式マシニングセンタ等を導入し、生産数2.5倍と工数短縮の効果が数字で示されており費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    デジタル対応のマシニングセンタやNCフライス盤、3D画像測定器でIT技術による工程制御を図ったとあるが、地域やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ホビー市場の拡大という成長分野への進出はうかがえるが、日本経済の構造転換に資するとまでは書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    栃木県真岡市の小規模事業者として地域に根ざす様子はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中長期的には金属加工全般に加えて金型の設計業務にも挑戦し、設計と加工を両立させてスピーディーかつ低コストで提供することで競争力を高め、新たな分野にもビジネスチャンスを広げたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。