ものづくり補助金平成27年度製造業埼玉県

顧客ニーズに即した「着せ替え型」食品用遠心脱水機

株式会社岩月機械製作所

この事例のポイント

  • 板金加工を外注していた川口市内の業者が相次いで廃業し、このままでは外注先がなくなるという危機感があった。
  • 2016年に、ものづくり補助金を活用してステンレスを切断するシャーリングマシン(せん断機)と、板金を折り曲げ加工するプレスブレーキを導入した。
  • 板金加工を自社で行えるようになり、外注先が廃業しても製造を続けられる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社岩月機械製作所
所在地埼玉県 川口市
業種業務用機械器具製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数12人
資本金1,000万円
設立1966年

事業の背景

食品用遠心脱水機の製造・販売を事業の中心とする会社である。最初はクリーニング機械の製造販売から出発し、1994年に食品加工業に転身した。ものづくりのまちである川口では近年機械加工業の衰退が著しく、加工を頼める外注先の確保が難しくなっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力板金加工を外注していた川口市内の業者が相次いで廃業し、このままでは外注先がなくなるという危機感があった。
  • 生産能力外注先で加工するまで待つ時間のロスがあり、納期が長くなっていた。
  • 人手・技能ほとんど職人が手作業している製造工程があった。

やったこと

2016年に、ものづくり補助金を活用してステンレスを切断するシャーリングマシン(せん断機)と、板金を折り曲げ加工するプレスブレーキを導入した。これにより、制御盤やモーターカバーといった部分の板金加工を自社で行えるようにした。外注待ちの時間がなくなり、納期を大幅に短縮できるようになった。

加工機シャーリングマシン(せん断機)
加工機プレスブレーキ

新しい製品・サービス:2014年に発売した、食材の水切りに加えて殺菌・冷却までを一体で行える「着せ替え型」食品用遠心脱水機KM-SW型(実用新案取得済み)。

事業の効果

板金加工を自社で行えるようになり、外注先が廃業しても製造を続けられる体制が整った。外注待ちのロスがなくなったことで納期が大幅に短縮された。短納期によって生産性が向上し、専門メーカーとしての地位を確立した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1966年創業で食品用脱水機の製造販売を主力とし、2016年ものづくり補助金で板金機械を導入した経緯が書かれ、過去の取組との連続性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    「着せ替え型」の食品用遠心脱水機やコンビニ・スーパー向け製品など顧客ニーズへの対応は読み取れるが、市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    外注先の廃業で加工できなくなる課題を認識し、板金機械導入で納期を1週間〜2週間から数日短縮できると具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮の日数は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数12人と記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    「着せ替え型」など製品の特徴はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理までは読み取れない。

  • 事業化までの道筋3

    溶接の導入や部品共通化、ロボット化を今後進めたい構想が書かれているが、スケジュールや方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    食品用遠心脱水機は同分野の先駆けと書かれ、競争上の位置づけがうかがえるが、高価格化の数字はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    川口市内の板金外注先の廃業により地域の加工業が衰退しつつあるという地域課題がわずかにうかがえる。

  • 費用対効果2

    外注より高くつく可能性に触れつつ納期短縮の効果は書かれるが、投入額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    ロボット化を進めたいとの構想はあるが、デジタル技術の活用や新ビジネスモデルの具体的記述は少ない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    ものづくりのまち川口の機械加工業の衰退に言及しており、地域の加工業を支える事業であることがうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は多品種小ロットの生産の中で部品の共通化を進め、比重の大きい溶接工程を導入することを目指している。また、職人の手作業が多い製造工程のロボット化も進めたい考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。