ものづくり補助金平成24年度大阪府

超高圧クーラント装置の流通に付随する課題の研究開発

株式会社トクピ製作所

成果クーラント圧力 7MPa→20MPa

この事例のポイント

  • 難削材の加工では従来の7MPaまでの高圧クーラントしか対応できず、20MPaへの対応が課題であった。
  • 超高圧クーラントを搭載した超寿命ポンプを開発した。
  • クーラント圧力 7MPa→20MPa。難削材の切削において超高圧クーラントで切り屑の排出とチップブレークを促し、工具の加熱を抑えて切削速度を向上させられるよ…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社トクピ製作所
所在地大阪府 八尾市
業種はん用機械器具製造業
技術分野切削加工
従業員数30人
資本金1億円

事業の背景

同社は工業用産業用高圧ポンプの製造を主力とし、半導体製造装置、工作機械、食品業界、自動車部品洗浄機など多方面の業界で採用されている。航空機や自動車などの難削材加工分野では超高圧クーラントの採用が増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術難削材の加工では従来の7MPaまでの高圧クーラントしか対応できず、20MPaへの対応が課題であった。
  • 生産能力インコネルなどの難削材加工では切り屑の巻き付きにより生産効率が低下していた。
  • 新製品・新技術超高圧クーラントを非対応型の工作機械に取り付ける方法が確立されていなかった。

やったこと

超高圧クーラントを搭載した超寿命ポンプを開発した。超高圧クーラントを非対応型の工作機械へ取り付ける方法を構築し開発した。航空機分野ではニッケル基超合金の難削材加工工程への適用を試し、自動車分野では低燃費化を目指して超高圧クーラントの応用を試みた。大学などとの連携により、高速切削加工技術の有効性を裏付ける実験データを揃えた。

  • 加工機超高圧クーラントユニット超寿命ポンプ

新しい製品・サービス:難切削加工の生産性を高める超高圧クーラントユニット(超耐熱鋼の旋削加工に使用可能)

事業の効果

  • クーラント圧力 7MPa→20MPa

難削材の切削において超高圧クーラントで切り屑の排出とチップブレークを促し、工具の加熱を抑えて切削速度を向上させられるようになった。大学との連携で実験データと論文が揃い、大手自動車メーカーの耐熱部への応用が決まった。航空機部品の難切削への応用も大学などの研究機関に向けて納入された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性難削材加工で7MPaから20MPaへ対応を広げた点や、航空機・自動車分野で採用が増える市場動向が具体的に書かれ、強みとして示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け難削材加工の生産効率向上、低燃費化への応用、航空機分野への適用など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値難削材の超高圧クーラントは採用が増加傾向だが認知度は低いとあり、7MPaから20MPaへの高水準化も示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていない。切削速度向上の効果が述べられる程度でうかがえる範囲にとどまる。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    産業用高圧ポンプを多方面で製造してきた経緯と、超高圧クーラント開発の連続性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    難削材加工で7MPaから20MPaへ対応を広げた点や、航空機・自動車分野で採用が増える市場動向が具体的に書かれ、強みとして示されている。

  • 課題の認識と解決3

    難削材加工での生産効率低下という課題認識と、超高圧噴射で切削速度を向上させる方向性は読み取れるが、事業計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値化や賃上げの目標値は書かれていない。切削速度向上の効果が述べられる程度でうかがえる範囲にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    大学や研究機関との連携、論文発表、大手自動車メーカーへの納入実績があり体制は一定に読み取れるが、人材や事務体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    難削材加工の生産効率向上、低燃費化への応用、航空機分野への適用など顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    実用化に向けて先を見据えた研究開発や論文発表、サポイン事業の活用が述べられるが、スケジュールや解決方法は明確ではない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    難削材の超高圧クーラントは採用が増加傾向だが認知度は低いとあり、7MPaから20MPaへの高水準化も示されている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    航空機・自動車産業への応用や国内ものづくりの活性化への貢献が述べられるが、波及効果の定量的根拠は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や費用対効果を示す数字は記載されておらず、わずかに生産効率向上の方向性がうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献3

    大学との連携による高速切削の研究や、難削材加工の技術革新によるサプライチェーンへの貢献が読み取れるが、デジタル技術の記述は薄い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    自動車・航空機分野の技術革新への貢献や、国内ものづくりの産業活性化をめざす方向性が示されている。

  • 地域経済への波及2

    大阪の中小企業としての立地は書かれるが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用創出の具体は示されていない。

今後の展望

現在引合いのある自動車メーカーへ超高圧クーラントの販売に注力し、マスメディアを通じて次世代切削技術の認知度向上を図る。サポイン事業などを活用して技術力の向上と新技術の開発を進める方針である。

事業者の声

「ものづくり支援事業]は、申請書類がやや複雑であり、難しい点もありますが、新製品の開発にはありがたい支援となっています。また、1社の製品開発にとどまらず、経済の活性化にも役立っている制度だと思います。世界は日本の切削技術に期待を寄せています。今後も新たな技術と販売に支援をお願いしたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。