ものづくり補助金平成27年度製造業千葉県

独自製法で醸造した銘酒「木戸泉 アフス」の輸出拡大事業

木戸泉酒造株式会社

この事例のポイント

  • 製造工程の機械類が劣化・老朽化しており、生産効率が悪かった。
  • 作業効率を改善するため洗壜機とマルチキャッパーを導入した。
  • 洗壜機の導入により洗浄能力が飛躍的に向上し、洗浄不十分なものはほぼ0%に近くなった。

事業者のプロフィール

事業者名木戸泉酒造株式会社
所在地千葉県 いすみ市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数10人
資本金1,000万円
設立1952年

事業の背景

製法にこだわり続けた結果、一定の販路を確立しつつあった。海外への出荷量が右肩上がりで伸びている日本酒業界では競争も激しくなり、海外現地での日本酒生産も増えてきている。同社の強みは唯一無二の味わいを醸す技術力であり、その技術力をより生産性の高いものにするため機械類の導入に踏み切った。売上高は1億1800万円(平成29年度)である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製造工程の機械類が劣化・老朽化しており、生産効率が悪かった。
  • 生産能力このままでは海外も含めた今後のニーズに対応しきれないという不安があった。

やったこと

作業効率を改善するため洗壜機とマルチキャッパーを導入した。洗壜機は機械音が静かになり、ノズルの数も旧型より増えたことで洗浄能力が飛躍的に向上し、洗浄不十分なものはほぼ0%に近い結果となった。マルチキャッパーは一升瓶から小瓶まで自動で打栓(巻き締め)が可能になり、パート従業員でも作業しやすい環境になった。専用の巻き締め機の導入により検査工程を分離して検査密度を高め、不良品防止を図った。検査は目視で行い、異物混入としぼりかすなどによる濁りをチェックする。サーマルタンクは自動制御式の冷却機能により安定的な温度管理が可能になり、仕込みと貯蔵のどちらにも使えるため生産制が高まった。クーリングロールも導入し、製造工程や品質保管の観点から品質向上を図った。

加工機洗壜機
加工機マルチキャッパー
その他サーマルタンク
その他クーリングロール

事業の効果

洗壜機の導入により洗浄能力が飛躍的に向上し、洗浄不十分なものはほぼ0%に近くなった。マルチキャッパーにより一升瓶から小瓶まで自動で打栓でき、パート従業員でも作業しやすくなった。検査工程を分離して検査密度を高めたことで不良品の防止につながった。サーマルタンクにより安定的な温度管理が可能になり、増産体制や新酒の切り替え時にも安定的に貯蔵できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    50年以上の独自製法を継承する記述はあるが、過去の取組との一貫性を経営戦略として明示する記載は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    海外出荷量が右肩上がりという業界動向と、唯一無二の味わいという強みへの言及はあるが、自社の経営資源との対比は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    機械の劣化や老朽化で生産効率が悪いという課題が明示され、洗壜機や貯蔵設備の導入で解決を図る流れは読み取れる。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    洗浄不十分な製品がほぼ0%という結果は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は記載されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員10名でパート従業員も作業しやすい環境になったとあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記載は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    製品は定番商品「アフス」とされ、海外需要の拡大が述べられるが、ターゲット顧客やニーズの裏付けは具体的でない。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の増産体制や新酒切り替え時の安定貯蔵への言及はあるが、中長期の遂行スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    独自製法の自然醸造という特徴はあるが、高付加価値化や高価格化の水準を示す記述は見当たらない。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    50年以上の独自製法の継承や日本酒の海外展開という文脈はあるが、国が補助する波及効果の記載は薄い。

  • 費用対効果2

    不良品がほぼ0%に近いという結果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    海外出荷量の拡大という市場成長分野への進出は触れられているが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    千葉県いすみ市の本社で醸造する地域事業であることは読み取れるが、地域の雇用創出や成長牽引への具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産性や品質管理で改善された部分を大事にし、さらなる商品の品質向上と販路拡大に挑戦していく。バリエーションも増やし、多様な食文化に対応できるラインナップにしていきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。