ものづくり補助金平成27年度製造業神奈川県

強力型転造機導入による埋込み型ピンの生産性改善

株式会社ミズキ

この事例のポイント

  • 締結に必要なくびれの加工を切削で行うと加工時間がかかる。
  • 締結工具が不要な埋込み型ピンは、主に圧造・転造・切削の3工程で作られる。
  • 転造加工への切り替えにより生産性は約4倍に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ミズキ
所在地神奈川県
業種金属製品製造業
技術分野精密加工

事業の背景

当社は自動車の電装装置に用いる締結用埋込み型ピンを製造している。自動車向けにはヘッドライトユニットに用いる締結工具不要の埋込み型ピンを提供してきた。以前はHDD、デジカメ市場向けにもネジなどの締結部品を製造していたが、両市場は縮小傾向にあった。世界では中国系、インド系のメーカーが低価格車を武器に市場シェアを拡大しつつあり、拡大している自動車向け製品の強化を考えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算締結に必要なくびれの加工を切削で行うと加工時間がかかる。
  • 品質・精度切削では一定の不良が出やすい。
  • 生産能力切削のままでは大量生産に対応しにくい。
  • 集客・繁閑HDD、デジカメ市場は縮小傾向にあった。
  • コスト・採算新興国メーカーの低価格車参入により、顧客から価格競争力、高精度、性能向上が求められていた。

やったこと

締結工具が不要な埋込み型ピンは、主に圧造・転造・切削の3工程で作られる。締結に必要なくびれを作る工程を、切削から転造加工へ切り替えた。転造化により加工時間を短縮し、不良の削減と大量生産を可能にした。技術の実証ができたため、自己資金で追加設備を導入した。

加工機転造機

事業の効果

転造加工への切り替えにより生産性は約4倍に向上した。不良が削減され、大量生産が可能になった。自己資金による追加設備の導入で生産能力も拡大し、顧客からの急なオーダーにも対応できるようになった。価格競争力も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    HDD・デジカメ市場の縮小を受け自動車向け強化を考えていたとあるが、過去の取組との一貫性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    新興国メーカーの低価格車参入や顧客からの価格競争力・高精度の要望を踏まえ、自社の強みとして生産性を挙げている。

  • 課題の認識と解決5

    切削の加工時間と不良の課題を認識し、転造化で生産性約4倍、自己資金で追加設備導入という実効性の高い計画が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性は約4倍に向上し技術の実証ができたとあるが、今後の付加価値向上や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    自己資金で追加設備を導入したとあるが、人材や事務処理体制についての記述はうかがえる程度である。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客から価格競争力・高精度・性能向上が要望されており、自動車電装向け埋込み型ピンという対象と需要の裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    転造化により不良削減と大量生産を実現し、更なる成長分野へ挑戦中とあるが、今後のスケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    自己資金で追加設備を導入したとあり、自己資金による投資余力がうかがえるが、金融機関からの調達については書かれていない。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    締結部品は一般的な分野だが、高付加価値化や高価格化の水準についての記述は読み取れない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車向け製品の強化を掲げ、大量生産を可能にしたとあるが、国が補助する波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果3

    生産性約4倍、不良削減、価格競争力向上という効果は示されているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    HDD・デジカメ市場の縮小から自動車向けへ転換したとあり、成長分野への進出はうかがえるが、構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自動車向けなどの更なる成長分野へ挑戦している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。