ものづくり補助金平成27年度製造業神奈川県

「ころ」一筋60年以上、独自の技術で付加価値を高める

株式会社共栄製作所

この事例のポイント

  • 円錐ころは旋削加工でないと質の良い製品ができず、鍛造加工では大手メーカーの求める品質に達しなかった。
  • 製造したころの研磨を行うための設備を導入し、充実を図った。
  • 鍛造加工での円錐ころの生産が可能になり、生産スピードが上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社共栄製作所
所在地神奈川県 秦野市
業種はん用機械器具製造業
技術分野表面処理
従業員数75人
資本金1,000万円
設立1955年

事業の背景

株式会社共栄製作所は昭和30年創業のころ製造会社で、大型ベアリング用ローラーの球面ころ、円筒ころ、円錐ころを製造し、長年大手メーカーへ納入してきた。注文も多く、工場をフル稼働させて生産している。国内にころを製造する企業は少なく、鍛造加工でころを作る企業はほとんどない。一方で、より安価な海外製のころを仕入れる動きが顕在化してきている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度円錐ころは旋削加工でないと質の良い製品ができず、鍛造加工では大手メーカーの求める品質に達しなかった。
  • 生産能力球面ころ・円筒ころは鍛造加工でも比較的品質を保てたが、鍛造加工は傷がつくことがあり品質が低いという問題があった。
  • 新製品・新技術ころの研磨は製造したころの研磨設備が充実していなかったため、メーカーの負担を減らして付加価値を高める必要があった。

やったこと

製造したころの研磨を行うための設備を導入し、充実を図った。研磨工程を自社で取り込み、メーカーの負担を減らすことで付加価値を高めた。平成27年の補助金では鍛造工程の設備を導入し、傷をつけないようにする新しい供給装置と、傷がついてしまった場合に対応する機能を付けた排出装置を導入した。これにより鍛造加工での円錐ころの生産が可能になり、生産スピードを上げることができた。

その他研磨設備
加工機新しい供給装置(鍛造工程用)
加工機排出装置(傷対応機能付き、鍛造工程用)

新しい製品・サービス:鍛造加工で作る円錐ころ

事業の効果

鍛造加工での円錐ころの生産が可能になり、生産スピードが上がった。研磨工程を自社で取り込むことで、メーカーの負担を減らし付加価値を高めている。一貫生産により資材管理から仕上加工までを行えることや、月産250万個の生産スピードと品質管理は強みとなっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業以来ころ一筋で、補助金を4年連続で活用し研磨・鍛造と工程を広げてきた一貫した流れが具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内にころ企業が少なく鍛造で製造する企業もほとんどない点や、資材管理から仕上げまで一貫対応できる強みが書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    安価な海外製ころの台頭という課題認識はあるが、高付加価値化の具体的な計画は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月産250万個という現状の生産量は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    工場をフル稼働させ、従業員75名という規模が書かれているが、補助事業を遂行する体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    鉄道や発電所関連の品質重視の顧客へ動くという明確なターゲットと、国産・品質を選ばれる理由として示している。

  • 事業化までの道筋3

    円錐ころの大型化や球面ころ以外への研磨拡大が構想として書かれているが、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    大型ベアリング用ころは国内に競合が少なく、鍛造での円錐ころ製造は同分野で珍しい高付加価値の取組と読み取れる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    鉄道や発電所といった社会インフラ関連への展開がうかがえるが、国が補助する積極的理由としての記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金の投入額や付加価値増加の数値は示されておらず、費用対効果は公開事例からは判断しにくい。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    神奈川県秦野市の地場製造業として大手メーカーへ納入し生産を続けている点が読み取れるが、地域への波及は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

国産で品質の高いころをアピールし、安価な海外製ころへ対抗していく。鉄道や発電所関連へ積極的に動いていく考えである。また、研磨工程を他のころにも広げ、研究開発を進めて大きな円錐ころも作れる体制にしたいとしている。

  • 目標:月産250万個もの生産スピード

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。