ものづくり補助金平成24年度熊本県

光沢金めっき技術の開発

株式会社熊防メタル

成果光沢を維持できる膜厚 1μm→3μm

この事例のポイント

  • 従来の金めっきでは光沢が得られる膜厚が1μm程度に限られ、3μm以上の厚付けで光沢を出す技術が求められていた。
  • ものづくり補助金を活用し、金めっき条件、特に攪拌条件に着目した金めっき装置を設計・作成した。
  • 光沢を維持できる膜厚 1μm→3μm。3μm以上の厚膜でも良好な光沢外観の金めっき皮膜を実現し、事業目標を達成した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社熊防メタル
所在地熊本県 熊本市
業種はん用機械器具製造業
技術分野めっき
従業員数103人
資本金2,000万円
設立2001年

事業の背景

半導体メーカー向けの供給を視野に、赤外線反射部品や赤外線ヒーターの反射板に多く使われる光沢金めっき技術の開発を進めていた。従来のめっきは膜厚1μmで光沢がなくなり、反射用途に十分な性能が得にくい状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の金めっきでは光沢が得られる膜厚が1μm程度に限られ、3μm以上の厚付けで光沢を出す技術が求められていた。
  • 品質・精度金めっきの温度や電流値にずれが生じやすく、安定した品質での処理が難しかった。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、金めっき条件、特に攪拌条件に着目した金めっき装置を設計・作成した。めっき液の選定や成分濃度、温度、電流値などの条件を変えながら、光沢や反射の違いを測定し、最も良い品質が出る条件を解析した。試作開発とテストを重ね、3μmの膜厚でも反射効率が高く光沢のある金めっき技術を確立した。

新しい製品・サービス:厚付けでも光沢と高い近赤外線反射率を持つ純金めっき皮膜の技術。

事業の効果

  • 光沢を維持できる膜厚 1μm→3μm

3μm以上の厚膜でも良好な光沢外観の金めっき皮膜を実現し、事業目標を達成した。温度や電流値のずれに対する管理幅も広く、安定した品質でのめっき処理が可能になった。厚付けにより下地金属の拡散バリア性が高まり、半導体プロセスにおける重金属汚染を抑えられる。高い近赤外線反射率を持つため、赤外線反射板などの用途にも適する。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性従来品は1μmで光沢が消えるが今回は3μmで光沢を維持し、反射効率も高いと具体的な数値で競争優位性が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標事業目標として3μmで光沢を維持する技術の確立を掲げ、達成できたと記載されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け厚付けで光沢と近赤外線反射率が得られる点、拡散バリア性による重金属汚染抑制など製品の価値と用途が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    課題の認識と解決半導体市場での導入実績はまだないと記載があり、課題認識や事業計画の実効性は具体的に読み取れない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    従来の金めっきで光沢が得られない3μmの膜厚を実現し、半導体や赤外線反射板向けに展開する点は読み取れるが、過去の取組との一貫性は書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来品は1μmで光沢が消えるが今回は3μmで光沢を維持し、反射効率も高いと具体的な数値で競争優位性が示されている。

  • 課題の認識と解決2

    半導体市場での導入実績はまだないと記載があり、課題認識や事業計画の実効性は具体的に読み取れない。

事業の実現可能性3.5
  • 付加価値・賃上げの目標4

    事業目標として3μmで光沢を維持する技術の確立を掲げ、達成できたと記載されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    厚付けで光沢と近赤外線反射率が得られる点、拡散バリア性による重金属汚染抑制など製品の価値と用途が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は半導体製造装置向けに市場での導入実績を作る方針と展示会からの引き合いが述べられているが、スケジュールや方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    従来では光沢が得られない3μm以上の厚膜で良好な光沢を実現し、同分野で高水準の性能を示していると読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    半導体製造や赤外線ヒーター関連の市場が大きいと述べられるが、雇用創出や波及効果の定量的な記載は乏しい。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数値は書かれておらず、わずかに推測できる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    新たな市場での広がりへの期待は述べられているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    半導体業界への進出が述べられており、成長分野への進出は一部うかがえるが構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

半導体製造工程のエピタキシャル成膜装置向けに導入実績を作り、市場を広げていく計画である。展示会出展後、半導体関連パーツへの利用や半導体市場以外のメーカーからも問い合わせがあり、新たな市場での広がりも期待される。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。