ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)新潟県

超高張力鋼板に対応したスポット溶接機導入により安全性向上と短納期化の実現

有限会社美寄車体

成果作業時間も5分の1程度まで短縮

この事例のポイント

  • 新型車に使われる超高張力鋼板は既存の溶接機では電流が足りず溶接できないため、損傷した部品を鈑金することが困難で、修理には溶接以外の作業が必要となりタイムロスが生じていた。
  • メーカーの基準を満たした新型スポット溶接機を導入し、超高張力鋼板を直接溶接できるようにした。
  • 作業時間も5分の1程度まで短縮。新型スポット溶接機の導入により、超高張力鋼板を直接溶接できるようになり、別作業が不要となった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社美寄車体
所在地新潟県 燕市
業種自動車整備業
設立1982年

事業の背景

1982年に創業し、もともとは認定整備工場を営業していたが、整備部門と鈑金部門を分社化し、美寄車体は鈑金部門を引き継いだ。事故や老朽化で変形・変色した自動車のボディ修理を主な仕事とし、個人客のほか地域の整備工場からの依頼も受けてきた。2000年代に入りハイブリッドカーが急速に普及し、さらに新型車の骨格部材に一般的な鋼板の4〜5倍の強度をもつ超高張力鋼板が使われるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力新型車に使われる超高張力鋼板は既存の溶接機では電流が足りず溶接できないため、損傷した部品を鈑金することが困難で、修理には溶接以外の作業が必要となりタイムロスが生じていた。
  • 生産能力修理の仕事を引き受ける余力が限られ、作業時間の長さから受注を断る場面があった。

やったこと

メーカーの基準を満たした新型スポット溶接機を導入し、超高張力鋼板を直接溶接できるようにした。これにより、従来必要だったドリルやサンダー等を用いた別作業が不要となった。超高張力鋼板の素材強度を損なわずに修理できるため、安全性も向上した。事故で損傷した自動車のフレームの歪みを1mm単位で修正できるイタリア製のフレーム修正機『グローバルジグ』と、センサー機能の調整に不可欠なレーダーエーミングツールも導入した。

加工機新型スポット溶接機
加工機グローバルジグ(フレーム修正機)
検査測定レーダーエーミングツール

事業の効果

  • 作業時間も5分の1程度まで短縮

新型スポット溶接機の導入により、超高張力鋼板を直接溶接できるようになり、別作業が不要となった。作業時間は5分の1程度まで短縮され、納期の遅延がなくなった。素材の強度を損なわずに修理できるため、車体の安全性も著しく向上した。短縮した時間で修理の仕事の引き受けや中古車の仕入れ販売にも時間を使えるようになり、顧客の安心感にもつながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1982年創業の鈑金業で、従来の溶接機では超高張力鋼板を扱えなかったことが書かれ、過去の事業との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    新型車に超高張力鋼板が必須で、対応できれば修理仕事を引き受けられると書かれ、外部動向と強みへの言及はあるが、競合比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手持ち溶接機の電流不足で別作業が必要だった課題が明記され、作業時間が5分の1程度に短縮し納期遅延がなくなったと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間が5分の1程度まで短縮と書かれているが、受注増や売上の目標値は示されておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制2

    経営者の言葉以外に人材や事務処理体制に関する記述はなく、補助事業を遂行する体制はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    新型車対応や安全性向上、顧客の安心感につながると書かれ、顧客ターゲットは地域の整備工場や個人客と示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は新潟市や長岡市など営業エリアを広げて顧客開拓を目指すとあるが、スケジュールや課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    超高張力鋼板の修理対応を先手で行う点は同業で高水準の対応とうかがえるが、普及度や高価格化の具体的数字は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    安全基準の厳格化や認証制度の動きに触れ、地域の鈑金業の役割に言及しているが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    作業時間5分の1、別作業不要と効果は書かれているが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    新型スポット溶接機による新素材対応は示されるが、デジタル技術や地域サプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    自動車技術の変化に対応する点に触れているが、成長分野への進出や構造転換への言及は限定的である。

  • 地域経済への波及3

    燕市を中心に新潟市や三条市など地域の事業者から依頼を受けると書かれ、地域密着の強みは読み取れるが雇用創出の数字はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自社の設備の充実をアピールポイントに、燕市に限らず新潟市、西蒲区、三条市、長岡市など営業エリアを広げながら顧客の開拓を目指していく。

事業者の声

電気自動車、自動運転車の開発など自動車業界はまさに大変革の時代です。その中で生き残るために、常に情報を仕入れながら安全を追い求めていきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。