ものづくり補助金平成27年度製造業石川県

加工、プレスと金型管理をIoTで最適化、品質、生産性向上システムの開発

株式会社大日製作所

この事例のポイント

  • 屋外に設置される太陽光発電関係の盤で、通気口やルーバに発錆が見られるようになった。
  • ルーバ加工ではプレス加工とレーザー加工を組み合わせ、バリが起きないよう加工方法を最適化した。
  • 発錆を抑制できるIoT対応の生産システムにより、極めて高い防錆性能を持つ製品を作れるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社大日製作所
所在地石川県 野々市市
業種電気機械器具製造業
技術分野情報処理
従業員数202人
資本金1.08億円
設立1940年

事業の背景

平成22年度から太陽光発電関係の屋外盤を開発してきた。固定価格買取制度を背景に、平成24年度後半から需要が急激に拡大した。設置場所は倉庫や工場の屋根、丘陵地帯、海岸付近などで、製品の99%は屋外に置かれ、海岸から2km以内の塩害地区での設置が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度屋外に設置される太陽光発電関係の盤で、通気口やルーバに発錆が見られるようになった。
  • 品質・精度板金部品のプレス抜きや成型時にバリが発生し、その対策が必要だった。
  • 生産能力錆の発生防止と並行して生産性の向上にも取り組む必要があった。

やったこと

ルーバ加工ではプレス加工とレーザー加工を組み合わせ、バリが起きないよう加工方法を最適化した。材料の板厚と形状に合わせたクリアランスの金型を複数収納するラックを装備した。個々の金型のパンチ回数から研磨時期を割り出し、操作部やサーバ画面に通知するしくみを作った。材料供給装置、金型交換装置とNC複合機、金型用自動研削機をIoT化し、金型のエッジの丸みを自動で研磨するしくみを構築した。金型はID番号で管理し、研磨しろが無くなった金型は使用できないようにした。機械の電力使用量と稼働時間を監視し、工場デマンドのピーク時間帯を避けた運用を行った。塩水噴霧1,000時間試験では発錆は見られなかった。

その他材料供給装置
その他金型交換装置
加工機NC複合機
その他金型用自動研削機

事業の効果

発錆を抑制できるIoT対応の生産システムにより、極めて高い防錆性能を持つ製品を作れるようになった。特に海岸付近や酸性雨の強い工場地帯など環境の悪い場所へ、従来より安価に製品を供給できるようになった。生産性の面では、材料供給から金型の使用回数管理、自動研磨により連続無人生産への対応力が大きく向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    太陽光関係の盤製品を平成22年度から開発してきた経緯が書かれ、屋外盤の防錆強化という事業の延長線が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    再生可能エネルギー買取制度で需要が急拡大し、海岸付近の塩害地区の設置が多いという市場環境と、防錆性能で差別化する方針が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    発錆原因を金型エッジ状態と特定し、IoT生産システムで対策する流れと、屋外盤へ安価に供給できるという効果が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    塩水噴霧1,000時間試験で発錆なしという結果はあるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数202人や取引先の記載はあるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理の体制は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    防錆性能の高い屋外盤を海岸付近や酸性雨の強い工場地帯へ供給するという顧客像と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    量産応用製品の外注から内製化への切り替えや、新製品への応用といった今後の展開が書かれているが、スケジュールは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    防錆性能の高い屋外盤で差別化するという方向性は読み取れるが、分野の普及度や高価格化の具体的数値は書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    再生可能エネルギー関連の需要拡大に触れているが、地域経済波及や雇用創出など国が補助する理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    連続無人生産対応力の向上や人件費削減の狙いは書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    IoT対応の生産システムやオンライン監視を用いた取組が書かれ、デジタル技術の活用は読み取れるが、業界全体への貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    再生可能エネルギー分野の需要拡大に触れているが、日本経済の構造転換に資するという記述はない。

  • 地域経済への波及2

    石川県野々市市の本社所在地は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用面の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

主力製品である屋外キュービクルを、今回構築した防錆システムによって差別化し、拡販していく。量産応用製品は外注加工から内製化へ切り替え、費用削減を図る。当システムの効果的な運用により生産工程の人件費削減を狙い、新製品への応用や提案型営業により事業を拡大していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。