ものづくり補助金平成24年度宮城県

複合加工機導入による高精度化・低コスト化を実現し医療・航空機産業への参入を目指す。

株式会社タカシン

この事例のポイント

  • 既存の設備では医療・航空機産業の部品に対応することが難しく、これまで参入を断念せざるを得なかった。
  • 最新の複合加工機を導入し、加工プログラムのデータも蓄積する体制を整えた。
  • 複合加工機の導入により1台で5面加工ができるようになり、リードタイムが大幅に削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タカシン
所在地宮城県 平川市
業種電気機械器具製造業
技術分野金型
設立1979年

事業の背景

株式会社タカシンは1979年に青森県平川市で創業し、青森県内を中心に埼玉県内などに工場を展開し、2011年には仙台工場を開設した。コネクター・カートリッジの組み立てや半導体検査用プローブ治具の製造など、電子機器製造受託を中心に試作・部品調達・組み立て・検査、プラスチック成形、生産設備設計・製作などを幅広く手掛けている。仙台工場の機械加工部では金属加工や樹脂加工、難形状から微細加工まで形状や材質を選ばない加工を行っており、今後の成長分野として注目される医療・航空機産業への参入が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存の設備では医療・航空機産業の部品に対応することが難しく、これまで参入を断念せざるを得なかった。
  • 品質・精度顧客から高精度化・短納期化・低コスト化の要望が高まっていた。
  • 人手・技能従来の設備では作業員の錬度に頼っていた部分があった。

やったこと

最新の複合加工機を導入し、加工プログラムのデータも蓄積する体制を整えた。導入した複合加工機は1台で5面加工が施せるため、従来のNC旋盤とマシニング加工機を使って加工していた時と比べてリードタイムを大幅に削減した。精度についても従来の約2倍という高精度化を達成した。操作マニュアルを習得するだけでなく、加工シミュレーションを幾度も繰り返してデータを蓄積したことで、技術力の向上と低コスト化も実現した。

加工機複合加工機

事業の効果

複合加工機の導入により1台で5面加工ができるようになり、リードタイムが大幅に削減された。加工精度は従来の約2倍となり、高精度化を実現した。医療分野の機械部品製作に参入し、すでに売上の約1割を占めるようになった。加工シミュレーションによるデータ蓄積で技術力が向上し、低コスト化も実現している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の組み立て・機械加工の実績と医療・航空機分野への参入計画が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    一台で5面加工が可能、従来の約2倍の精度、リードタイム大幅削減と強みが具体的に書かれ、競争優位が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    既存設備では対応困難で断念していた課題を認識し、複合加工機導入で解決する流れは読めるが、計画の数値目標は薄い。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上や賃上げの目標値は書かれていない。医療分野の売上の一割という実績は記載されている。

  • 事業を進める体制3

    仙台工場の機械加工部、作業員の習熟やシミュレーション反復による技術蓄積など体制の一端は読める。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    医療・航空機分野への参入と高精度・短納期・低コストという顧客要望は整理されているが、ターゲットの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋3

    医療機器製造業許可やISO13485取得、総括製造販売責任者資格取得など段階的な進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    航空機・医療分野は参入ハードルが高いと書かれ、既に売上の1割を占めるなど高付加価値分野への進出が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    今後の成長分野として医療・航空機産業が挙げられているが、雇用創出や波及効果の記載は読み取れない。

  • 費用対効果2

    リードタイム削減や低コスト化は書かれているが、補助金額に対する費用対効果を示す数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    CADCAMシステム導入の検討は書かれているが、サプライチェーンへの貢献や先端デジタル活用の具体は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    医療・航空機という成長分野への進出が明記されており、構造転換への寄与はうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    東日本に9工場を展開し青森・仙台などに拠点を持つことは書かれているが、地域経済への牽引効果は明示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は最新のCADCAMシステムの導入など、さらに複雑な部品への対応も検討している。

事業者の声

従来設備では作業員の錬度に頼っていた部分もあったため、設備の導入と加工プログラムデータの集積に踏み切りました

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。