ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

麹の高品質化の為の設備導入による製麹室環境の整備事業

こがね味噌株式会社

この事例のポイント

  • 製麹室の床や壁に隙間があり冷風が吹き込むため、夏季以外は麹作りに最適な32℃以上を維持できず、年間を通じて安定した品質の麹を作ることが困難だった。
  • 製麹室を一新し、製麹室を加温するコンベクタ、麹を適温状態に保つ製麹装置、麹棚、室内の温度調整と空気清浄のための換気設備を導入した。
  • 製麹室の環境改善により麹の品質が安定し、受け継がれてきた風味を維持・向上させるとともに雑菌の発生を抑制できた。

事業者のプロフィール

事業者名こがね味噌株式会社
所在地兵庫県 養父市
業種食料品製造業
技術分野バイオ
従業員数4人
資本金2,300万円
設立1960年

事業の背景

宝暦元年の創業以来、約260年にわたり一子相伝の手づくり製法で味噌を作り、長年変わらぬ風味を守ってきた。設備の老朽化により麹の品質を維持することが困難になりつつあった。和洋菓子や弁当など新市場への進出を目指していたが、そのためには細菌数のさらなる減少が必要だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度製麹室の床や壁に隙間があり冷風が吹き込むため、夏季以外は麹作りに最適な32℃以上を維持できず、年間を通じて安定した品質の麹を作ることが困難だった。
  • 品質・精度市場へ進出するには細菌数のさらなる減少が求められ、対応が急務となっていた。
  • 人手・技能従業員は全員女性で、段差や狭い作業スペース、重い麹の移動など製麹室内の作業負担が重く、女性職人の育成のために作業環境の改善が必要だった。
  • 人手・技能設備の老朽化が従業員のモチベーション低下につながることが懸念されていた。

やったこと

製麹室を一新し、製麹室を加温するコンベクタ、麹を適温状態に保つ製麹装置、麹棚、室内の温度調整と空気清浄のための換気設備を導入した。新設備により製麹室内を年間を通じて32℃以上に保ち、麹の発育に最適な温度帯を維持できるようにした。床の段差解消、作業スペースの拡張、滑車の設置などを行い、作業者の負担を軽減した。温度センサーの導入により温度管理を自動化し、頻繁な温度確認が不要になった。

その他コンベクタ
その他製麹装置
その他麹棚
その他換気設備
検査測定温度センサー

事業の効果

製麹室の環境改善により麹の品質が安定し、受け継がれてきた風味を維持・向上させるとともに雑菌の発生を抑制できた。細菌数は103分の1の水準まで抑えられ、賞味期限の短い量販店の弁当の食材や洋菓子のクリームの素材として採用され、新しい販路を開拓できた。段差の解消や作業スペースの拡張、滑車の設置などにより女性作業者の負担が軽減され、作業効率も格段に向上した。温度管理の自動化により従業員の精神的負担も軽減され、仕事への意欲と能力・技術の向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    宝暦元年創業以来約260年、一子相伝の手づくり製法を守ってきた点は読み取れるが、経営戦略としての明文化は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    手づくり製法の風味を強みとし、細菌数を103分の1に抑えて量販店弁当や洋菓子の材料として採用された具体的な強みが示されている。

  • 課題の認識と解決4

    製麹室の温度維持困難や細菌数の課題を明示し、設備更新で解決して新販路を開拓したと、課題と対応の流れが読み取れる。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性の向上をめざすとあるが、付加価値や賃上げの数値目標は示されておらず、実現可能性は判断できない。

  • 事業を進める体制3

    従業員4人で女性職人が作業する体制と、令和元年時点の人数は書かれているが、補助事業を遂行する事務体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    細菌数の抑制と温度管理による理想的な風味を製品価値とし、量販店弁当や洋菓子の素材として採用されたという選ばれた事実がある。

  • 事業化までの道筋4

    コンベクタの2台増設、本年秋のベルトコンベア設置予定など、段階的な更新のスケジュールと課題の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    伝統製法の味噌で新販路を開いたとあるが、ジャンルの普及度や高価格化の水準を示す記述はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    女性職人の育成や作業環境改善に触れているが、川上川下への波及や雇用創出の規模は示されていない。

  • 費用対効果2

    作業時間の短縮や温度管理の自動化は述べられているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度センサーによる温度管理の自動化は記載があるが、先端デジタル技術の活用や地域サプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    兵庫県養父市の企業であることは分かるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今般の事業後にコンベクタを2台増設し、本年秋には製麹室内に麹運搬用のベルトコンベアを設置する予定である。老朽化した設備を段階を踏んで更新しつつ、働く人が働きやすい環境づくりを進め、次の世代に引き継いでいきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。