ものづくり補助金平成27年度サービス業(他に分類されないもの)兵庫県

ミャンマーにおける整備サポートシステムの普及に向けた実証実験

ワタキ自動車株式会社

この事例のポイント

  • 日本車に用いられるスキャンツールはデータ内蔵で操作表示も日本語のため、ミャンマーの現地での使用に適さない。
  • ミャンマーの整備会社にスキャンツールを貸与するため、当社がスキャンツールを購入した。
  • ミャンマーでスキャンツールを使った整備技術が普及し、道路交通の安全に貢献することが見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名ワタキ自動車株式会社
所在地兵庫県 豊岡市
業種自動車整備業
従業員数15人
資本金1,000万円
設立1964年

事業の背景

当社は豊岡市で自動車整備・販売業のほか、板金塗装、損害保険、レンタカー事業を行っている。近年は人口減少や高齢化が止まらず、今後の国内マーケットの縮小は避けられず、技術者の人手不足も深刻である。ミャンマーの最大都市ヤンゴンでは日本車の普及率(中古車)が8割以上と高いにもかかわらず、日本車を整備できる工場は著しく少ない。そこで3年前から海外市場、特にミャンマーに目を向けた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術日本車に用いられるスキャンツールはデータ内蔵で操作表示も日本語のため、ミャンマーの現地での使用に適さない。
  • 人手・技能ミャンマーには日本車を整備できる整備工場や整備士がほとんどなく、現地整備士は診断結果に対して適切な整備対応ができないことがある。
  • コスト・採算スキャンツールは高価で現地の整備会社はほとんど所有できない。
  • 新製品・新技術スキャンツールの種類、通信方法や通信プラン、ミャンマー語と日本語の言語の問題、現地整備士に提供するマニュアル、本事業に対応できる当社の体制、現地整備士の育成などの課題があった。

やったこと

ミャンマーの整備会社にスキャンツールを貸与するため、当社がスキャンツールを購入した。現地整備士が操作・読取可能なように、診断端末とエラーコード情報を持つサーバーを別々にし、アプリを独自開発して診断結果を把握できるようにした。ミャンマーで行った診断結果をインターネット回線を通じて当社に送信し、当社整備士が適切な整備方法を現地語に翻訳したマニュアルで提供する体制を整えた。ミャンマー人整備士を当社で雇用・育成し、技術面・言語面の対応を行っている。現在は既に2名のミャンマー人を正社員として雇用・育成している。

  • 検査測定OBD2診断機スキャンツール
  • ソフト現地整備士用の診断結果閲覧アプリスマホ・タブレット対応診断端末とエラーコード情報を持つサーバーのシステム

新しい製品・サービス:ミャンマーでの整備支援のための、OBD2診断機の普及と整備情報提供を行うシステム(現地整備士用アプリ、エラーコードマニュアル、遠隔アドバイス体制)

事業の効果

ミャンマーでスキャンツールを使った整備技術が普及し、道路交通の安全に貢献することが見込まれる。現地整備士が診断結果を把握し、日本の当社から適切な整備方法の提供を受けられる体制が整う。現地での整備技術の向上と、当社の海外での新たな顧客開拓につながると期待される。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性レンタカーで約20年前から外国人需要に取り組み、その延長でミャンマー事業を位置付けている点が過去の取組との一貫性を示す。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ヤンゴンの日本車普及率8割超と整備工場の少なさを踏まえ、OBD2診断の貸与と日本からの遠隔助言で優位性を作る構想になっている。
  • 4
    課題の認識と解決人口減少や技術者不足で国内市場縮小という課題を認識し、海外市場開拓を高付加価値化の解決策として計画している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、実現可能性を測る材料が薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    レンタカーで約20年前から外国人需要に取り組み、その延長でミャンマー事業を位置付けている点が過去の取組との一貫性を示す。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ヤンゴンの日本車普及率8割超と整備工場の少なさを踏まえ、OBD2診断の貸与と日本からの遠隔助言で優位性を作る構想になっている。

  • 課題の認識と解決4

    人口減少や技術者不足で国内市場縮小という課題を認識し、海外市場開拓を高付加価値化の解決策として計画している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、実現可能性を測る材料が薄い。

  • 事業を進める体制4

    ミャンマー人整備士2名を正社員として雇用・育成し、翻訳マニュアルや国内の整備アドバイス体制を整えている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    現地で整備技術が不足し日本車を直せない課題に対し、診断結果を送り指導するという顧客ニーズへの対応が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    課題を挙げ、ツール開発、人的体制、マニュアル作成という目標と遂行方法が段階的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ミャンマーでは故障診断機の普及が少なく、OBD2診断による整備はまだ一般的でない分野として新規性がある。

公的補助の必要性4.0
  • 波及効果・雇用4

    日煙をあげて走る車が珍しくない道路安全の課題に対し、整備技術の普及で社会的意義を示し、現地整備士の雇用も生む。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    スマホ・タブレットで操作する専用アプリと遠隔の診断データ送信という新しい仕組みで、現地整備の仕組みを変える計画である。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    国内の市場縮小に対し海外需要を取り込む方向性は触れられているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及2

    但馬地域での信頼に触れているが、地域の特性を活かして地域経済を牽引する効果は具体的に書かれていない。

今後の展望

ミャンマーでの整備サポートシステムの普及に向けて実証実験と体制整備を進め、整備技術の浸透を目指す。

事業者の声

ミャンマーの整備士は医者の次に人気のある職業です。自動車先進国の日本で整備技術を学べることはミャンマーの整備士にとって希望です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。