ものづくり補助金平成27年度製造業奈良県

漢方エキスの生産性向上、海外展開及び取引力の強化を図る

新生薬品工業株式会社

この事例のポイント

  • セルフメディケーションの推進で一般薬、とりわけ漢方薬の需要拡大が見込まれるなか、漢方エキスの製造工程を改善して生産性を上げることが急務になっていた。
  • 本事業では、最新式の貫流ボイラー、製造自動化装置、消臭装置(デオライザー)を導入した。
  • 抽出・濃縮工程の自動化・連続稼働が実現し、生産効率が約3割向上した。

事業者のプロフィール

事業者名新生薬品工業株式会社
所在地奈良県 高市郡高取町
業種化学工業
技術分野製造環境,機械制御
設立1947年

事業の背景

当社は1947年の設立以来、古都奈良で日本で唯一の漢方液剤一貫製造ラインを中心に、OTC医薬品の液剤・顆粒剤・シロップ剤などの共同開発・受託製造を行っている。漢方液剤および顆粒剤の一貫生産を長年のノウハウで行い、独自製法の優位性で他社との差別化を図ってきた。国の健康医療政策でセルフメディケーションが推進され、一般薬、とりわけ漢方薬が見直されており、今後の需要拡大が予想されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力セルフメディケーションの推進で一般薬、とりわけ漢方薬の需要拡大が見込まれるなか、漢方エキスの製造工程を改善して生産性を上げることが急務になっていた。
  • 人手・技能漢方エキスは原料生薬を煎じて抽出し、さらに煮詰めて濃縮するため常時高温下の作業となり、作業員の負担が非常に大きかった。
  • 品質・精度抽出・濃縮工程は作業員の経験に頼っており、品質を安定させることが課題だった。
  • 生産能力生薬特有の臭気が近隣住民への配慮から、生産稼働の間隔を空けて対応しており、連続稼働ができなかった。

やったこと

本事業では、最新式の貫流ボイラー、製造自動化装置、消臭装置(デオライザー)を導入した。これまで作業員の経験に頼っていた各設備の操作タイミング等を数値化し、各工程を連動させた。抽出・濃縮工程を一体的に自動制御することで、抽出・濃縮の精度を上げて品質の安定化を図った。消臭装置の導入により生薬の臭気を抑え、間隔を空けていた生産稼働を連続稼働できるようにした。

その他貫流ボイラー
加工機製造自動化装置
その他消臭装置(デオライザー)

事業の効果

抽出・濃縮工程の自動化・連続稼働が実現し、生産効率が約3割向上した。生薬特有の臭気はほぼ100%解消され、近隣住民への配慮から行っていた稼働間隔の制限がなくなった。作業員の負担が軽減され、各設備の連動により抽出・濃縮の精度が上がって品質が安定した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1947年設立以来の漢方液剤開発の歴史と「他にはできないオリジナル製品の開発」という理念が書かれ、過去の取組との連続性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    他社が手を出していない液剤・顆粒等の剤型を専門とし、満量処方にこだわる点が差別化として書かれているが、市場動向の分析は乏しい。

  • 課題の認識と解決3

    セルフメディケーション推進で漢方需要拡大が見込まれ、生産性向上と品質安定が急務とされている。課題認識は明確だが数値目標はない。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産効率が約3割向上したと実績が書かれているが、付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    錠剤が飲み込めない消費者に向けた液剤・顆粒等の剤型という選ばれる理由は書かれているが、顧客ターゲットの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と自動化・連続稼働の方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決の具体的方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    市販漢方薬でも処方箋同様の満量処方にこだわり、他社が余り手を出していない液剤等を専門とすることが具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    セルフメディケーション推進で漢方薬の需要拡大が見込まれると書かれるが、雇用創出や波及効果への言及はない。

  • 費用対効果3

    生産効率が約3割向上し臭気がほぼ100%解消したと書かれるが、補助金額に対する費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    制御による自動化・連続稼働は書かれているが、デジタル技術や業界全体へのイノベーション貢献は具体的でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    漢方薬の需要拡大が見込まれる分野で生産性を高める取組はうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    奈良県高取町の本社・工場が所在地として示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。