ものづくり補助金平成26年度製造業岡山県

金属酸化物のナノ粉砕・分散技術の構築と塗料開発

株式会社フェクト

成果ATO微粒子の平均粒径21.68nm

この事例のポイント

  • 窓の幅射熱を制御する塗料には、可視光は通すが赤外線を吸収・拡散または反射する材料が必要で、住宅・自動車業界で要求が高いが、ATOの微細粉砕技術と分散技術が確立されていなかった。
  • ATO粉末と高分子系分散剤、イソプロピルアルコール(分散媒)から成る供試体を、ビーズミルとダイノーミルの2段階方式で粉砕・分散した。
  • ATO微粒子の平均粒径21.68nm。ATO微粒子を分散させた新塗料により窓の輻射熱を制御し省エネ効果を生むことが見込まれる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社フェクト
所在地岡山県 津山市
業種化学工業
技術分野複合・新機能材料
資本金1,000万円

事業の背景

株式会社フェクトは岡山県津山市に本社を置く技術開発型企業で、機能性コーティング剤、機能性化学原料、難燃・防災剤、天然高分子関連技術の研究開発・受託研究・製造販売などを行っている。地球温暖化対策として建物の省エネ化が急がれ、東日本大震災を機に建物の節電も重視されるようになった。窓は建物の熱の出入りで最も多い開口部だが、採光のため透明性と熱制御の両立が求められ、遮熱塗料は色が付くため使えず、フィルムは曲面に貼れず継ぎ目が生じるなどの問題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術窓の幅射熱を制御する塗料には、可視光は通すが赤外線を吸収・拡散または反射する材料が必要で、住宅・自動車業界で要求が高いが、ATOの微細粉砕技術と分散技術が確立されていなかった。
  • 品質・精度既存のATOによるコーティングは性能面と施工性の問題から一部実用化されたものの普及に至っていなかった。

やったこと

ATO粉末と高分子系分散剤、イソプロピルアルコール(分散媒)から成る供試体を、ビーズミルとダイノーミルの2段階方式で粉砕・分散した。その結果、平均粒径21.68nmの微粒子を得た。後工程で超音波を照射することで、ATO微粉末の長期的な再凝集がなく経時での保存安定性を確認した。塗料のベースとなる樹脂にATO微粒子分散液を5~10%添加することで省エネ効果が認められた。既設のガラスへの施工性を高めるため低臭の高沸点グリコール系溶媒を添加し、市販のメラミンスポンジでの塗装法を確立した。塗膜性能試験や光学性能・熱性能試験で省エネに有効なデータが得られた。

新しい製品・サービス:窓の輻射熱を制御し省エネ効果を生む新塗料(ATO微粒子分散液を配合した塗料)

事業の効果

  • ATO微粒子の平均粒径21.68nm
  • 塗料のベース樹脂にATO微粒子分散液を5~10%添加

ATO微粒子を分散させた新塗料により窓の輻射熱を制御し省エネ効果を生むことが見込まれる。微粒子は2段階粉砕・分散で平均粒径21.68nmまで微細化され、超音波照射後も長期的な再凝集がなく保存安定性が確認された。低臭の高沸点グリコール系溶媒の添加で既設ガラスへの施工性を高め、メラミンスポンジによる塗装法も確立された。塗膜性能・光学性能・熱性能試験で省エネに有効なデータが得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は「技術開発型企業」の機能性コーティング剤等の研究開発を背景に、ATO微粒子の粉砕・分散技術構築を目指したと書かれ、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    窓の遮熱需要や既存の実用化品の性能・施工性の問題に触れるが、市場規模や自社の強みの具体的な数字や比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    フィルムや遮熱塗料の課題、ATOコーティングの性能・施工性の問題が挙げられ、解決として新塗料開発が示される。ただし事業計画の数値目標は読み取れない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員数は一部のみでうかがえ、体制の具体的な人材・事務処理能力の記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    透明性と熱制御の両立、施工性向上など製品の価値は書かれるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の具体的整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    粉砕・分散を2段階で行い平均粒径21.68nmを得た等、工程は書かれるが中長期のスケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ATO系の遮熱コーティングは一部実用化されたが普及に至っていないと書かれ、新しい分野として位置付けられている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用3

    地球温暖化対策や節電の重視という社会的背景が書かれ、建物の省エネ化という国が補助する理由がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    建物の省エネ化という政策的方向性に触れるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。