ものづくり補助金平成27年度建設業島根県

3DCADと形鋼切断機の導入による生産性と品質の向上

有限会社森廣テック

成果図面作成時間 1カ月→0.25カ月

この事例のポイント

  • 図面作成や積算に時間がかかり、汎用CADでは詳細な部品図を描けず手作業で寸法を打ち込んでいた。
  • 鉄骨建築専用の3DCADを導入し、CADを使えるスタッフを新たに採用した。
  • 図面作成時間 1カ月→0.25カ月。3DCADの導入で図面作成が大幅に短縮され、図面や積算、検査表の精度も向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社森廣テック
所在地島根県 邑智郡邑南町
業種職別工事業
技術分野製造環境
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

明治期に鍛冶屋として創業し、建築関係のトラス梁や手すりなどを手掛ける鉄骨建築業として発展した。地元の島根県邑智郡邑南町では9割以上のシェアを占めるが、全国的に鉄骨建築を手掛ける業者は減少している。リーマンショックで元請け会社からの仕事が激減したため、営業範囲を中国地方にまで広げた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力図面作成や積算に時間がかかり、汎用CADでは詳細な部品図を描けず手作業で寸法を打ち込んでいた。
  • 人手・技能施工図作成を担っていた専門スタッフが視力低下を理由に退職し、大きな痛手となっていた。

やったこと

鉄骨建築専用の3DCADを導入し、CADを使えるスタッフを新たに採用した。これにより、100トンクラスの建築の図面作成が約1カ月からわずか1週間程度になり、図面や積算、検査表などの精度も向上した。あわせて角度旋回機構を搭載した形鋼バンドソーを導入し、任意の角度に旋回位置決めができるようになった。切れ曲がりや振動も著しく減少し、切断スピードは旧設備と比べて約2倍になった。切削油剤にオイルミストを採用し、材料や機械、工場が汚れないようにした。

新しい製品・サービス:角度旋回機構を搭載した形鋼バンドソー(HK700)

事業の効果

  • 図面作成時間 1カ月→0.25カ月
  • 切断スピード 1倍→2倍

3DCADの導入で図面作成が大幅に短縮され、図面や積算、検査表の精度も向上した。形鋼バンドソーにより切れ味と切断スピードが上がり、品質と生産性が向上した。設備投資で顧客からの信頼が強まり、受注が拡大して売上は前年度比の約2倍となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性地元シェア9割以上や短納期の技術力が強みとして示され、リーマンショック後に中国地方へ営業圏を広げた事実がある。
  • 4
    課題の認識と解決3DCAD導入で100トンクラスの図面作成が1カ月からわずか1週間程度になったと具体的な課題解決が書かれている。
  • 4
    費用対効果切断速度が約2倍、売上が前年度比約2倍になったと、設備投資の効果が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標切断速度が約2倍になった実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    明治期の鍛冶屋創業から鉄骨建築業へ発展した経緯は書かれるが、本事業の戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地元シェア9割以上や短納期の技術力が強みとして示され、リーマンショック後に中国地方へ営業圏を広げた事実がある。

  • 課題の認識と解決4

    3DCAD導入で100トンクラスの図面作成が1カ月からわずか1週間程度になったと具体的な課題解決が書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    切断速度が約2倍になった実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    CADを使える新たなスタッフを採用したと書かれ、人材面の対応がうかがえるが詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    短納期・高品質・地元シェアといった選ばれる理由は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    既存建築の修繕・改修工事に注力し、販路拡大と後継者育成を狙うと方向性は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    鉄骨建築は減少傾向とされ、高付加価値化の水準や高価格化の具体は示されていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    社会のインフラ整備への貢献や地域での鉄骨建築の担い手としての役割がうかがえるが、波及効果は数字で示されていない。

  • 費用対効果4

    切断速度が約2倍、売上が前年度比約2倍になったと、設備投資の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    3DCADの導入は読み取れるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    邑智郡邑南町で9割以上のシェアを占め、地域の鉄骨建築を支える事業であることが具体的に書かれている。

今後の展望

今後は既存建築の修繕・改修工事に注力し、販路拡大と後継者育成を進める。適時設備投資を進めてライン化のスムーズ化も図る。

事業者の声

技術力が問われる仕事。新築よりやりがいを感じますよ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。