ものづくり補助金平成25年度建設業長野県

高速プラズマ切断機の導入による建設金物の生産能力向上及び代替エネルギー向けフレーム製作の新規事業分野への事業確立

株式会社倉科鐵工所

成果革新的な溶接ロボットの開発により、従来より35%のコストダウンを達成した。

この事例のポイント

  • 建設金物の外注に頼っており、納期とコストの面で対応が難しくなっていた。
  • 平成25年度は高速プラズマ切断機を導入し、専門業者に外注していた建設金物を内製化した。
  • 革新的な溶接ロボットの開発により、従来より35%のコストダウンを達成した。高速プラズマ切断機の導入により外注品を内製化し、高精度・高付加価値化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社倉科鐵工所
所在地長野県 松本市
業種職別工事業
技術分野製造環境
従業員数14人
資本金3,000万円
設立1929年

事業の背景

倉科鐵工所は1929年創業の鉄骨製造を中心とする建設会社で、2000年頃から長野県内の土木建設工事が激減したため、鋼材商社を通じた首都圏の工事受注に活路を見出し、現在も首都圏の実績が売上の8割を占める。2005年に社長に就任した倉科賢三氏は、好況時の投資による借入金の重さを抱えながら経営の立て直しに取り組み、2012年に黒字化を果たした。長野県鐵構組合員は1995年から2015年の間に180社から66社へ約3分の1に減少した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力建設金物の外注に頼っており、納期とコストの面で対応が難しくなっていた。
  • 人手・技能建設業界では技術者・技能者の不足により需給ギャップが深刻化していた。
  • 新製品・新技術鉄骨建築物の溶接作業の効率が限られており、革新的な生産効率の向上が必要だった。

やったこと

平成25年度は高速プラズマ切断機を導入し、専門業者に外注していた建設金物を内製化した。平成26年度は溶接ロボットを更新し、2アークコア・仕口混合溶接という独自技術を高度化させた。新溶接電源の活用により、ヒュームを大幅に低減してキシレン等の特定化学物質を撤廃した。従来のレーザー加工をプラズマ加工に置き換え、低環境負荷・高効率化を図った。

加工機高速プラズマ切断機
ロボット溶接ロボット
その他新溶接電源

新しい製品・サービス:代替エネルギー向けフレーム製作

事業の効果

  • 革新的な溶接ロボットの開発により、従来より35%のコストダウンを達成した。

高速プラズマ切断機の導入により外注品を内製化し、高精度・高付加価値化を実現した。レーザー加工からプラズマ加工への置き換えで低環境負荷・高効率化も進んだ。溶接ロボットでは従来より35%のコストダウンを達成し、キシレン等の特定化学物質を撤廃して作業環境を大幅に改善した。これらの結果、新規分野である代替エネルギー向けフレーム製作の足掛かりとなった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    鍛冶屋から鉄骨業へ転換し、建設金物の内製化や溶接ロボット更新を続けた流れは読めるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    首都圏の工事が売上の8割を占め、内製化で納期とコストを削減できる強みが記載されている。

  • 課題の認識と解決4

    外注品の内製化で納期とコストを削減し、代替エネルギー向けフレーム製作の新規分野へ進む計画が具体的に示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    溶接の革新でコスト削減率35%という数値目標が示され、達成結果も記載されている。

  • 事業を進める体制3

    CAD技術者の限られた人数と作業量の調整の難しさが書かれるが、体制確保の具体策は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    首都圏の鋼材商社経由の受注や隣接業者との連携は読めるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    平成25年度に切断機導入、26年度に溶接ロボット更新と段階的な進め方は読めるが、課題解決の方法は詳細に書かれていない。

  • 財務と資金の調達2

    過去に年商とほぼ同額の借金を抱え、24年に黒字化したとあるが、今回の資金調達計画は書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    代替エネルギー向けフレーム製作を新規分野とすると書かれるが、市場の普及度や認知度は記載されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    建設人材不足の需給ギャップ解決と地域社会活性化への寄与が書かれ、公的意義はうかがえる。

  • 費用対効果3

    コスト削減率35%など効果は示されるが、補助金投入額との対比は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ヒューム低減で特定化学物質を撤廃し作業環境を改善したと書かれるが、サプライチェーンへの貢献は薄い。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    代替エネルギー分野への進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    長野県の地域事業者と協力し仕事を融通する仕組みや地域の雇用面が読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

東京オリンピック開催決定による建設需要が予想以上に膨らみ、従来のやり方では対応できないことへの投資を進めている。

事業者の声

1社では自分の能力以上のものはできませんが、お互いに協力し合うことで仕事は倍になり幅も広がる。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。