ものづくり補助金平成27年度製造業島根県

省力化設備の導入と醸造環境の設備による生産性向上と市場ニーズへの対応

青砥酒造株式会社

この事例のポイント

  • 酒袋の手洗いに毎日、多くの労力と時間がかかっていた。
  • 酒袋などの布製品を洗う全自動洗濯機WN352Hを導入し、毎日の手洗い作業を機械化して省力化を図った。
  • 導入した設備により、酒袋の洗浄作業が大幅に省力化され、醸造に時間と労力を充てられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名青砥酒造株式会社
所在地島根県 安来市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1895年

事業の背景

明治28年創業の青砥酒造は、「ほろ酔い」や純米酒「蒼斗七星」などの銘柄で知られる蔵元で、全工程に井戸水を使い伝統的な手法で日本酒を造っている。年間仕込み500石のうち半分が料理酒で、島根県産エコロジー米を使った純米料理酒や調味液などを製造している。料理酒は都会のオーガニック系市場へ出荷され、「オイシックスドット大地」「ムソー」「ポラン」のプライベートブランド商品として食の安全に意識の高い消費者に届けられ、台湾・香港にも市場を広げている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能酒袋の手洗いに毎日、多くの労力と時間がかかっていた。
  • 人手・技能人力による脱水には限界があり、衛生を保つために相当の気遣いと人的エネルギーを強いられていた。
  • 生産能力市場ニーズの高い高付加価値料理酒などを量産するため、生産性と能率の向上が課題だった。
  • 品質・精度量産にあたり、品質確保と安定供給を実現する必要があった。
  • 納期・工程既存事業との両立が課題だった。
  • 集客・繁閑引き合いがありながら、対応が困難で新規受注を確保できていなかった。

やったこと

酒袋などの布製品を洗う全自動洗濯機WN352Hを導入し、毎日の手洗い作業を機械化して省力化を図った。醸造用の開放タンク傾斜底2号SUS304(2.0009)を5基導入し、施設レイアウトと製造工程を最適化した。これにより醸造に時間と労力を充てられるようになり、生産性、能率の向上、品質確保と安定供給、既存事業との両立という課題を解決した。研究試作段階にあった島根県産特別栽培米オーガニック純米料理酒の量産化にも好結果を得て、本格的な市場投入時の生産性確保とニーズへの対応の道を開いた。

  • その他全自動洗濯機WN352H開放タンク傾斜底2号SUS304(2.0009) 5基名醸2号呑A3全

新しい製品・サービス:島根県産特別栽培米オーガニック純米料理酒の量産化、酒粕を使った生チョコレートなど新商品の開発

事業の効果

導入した設備により、酒袋の洗浄作業が大幅に省力化され、醸造に時間と労力を充てられるようになった。タンクの増設と工程最適化により、生産性、能率、品質の安定確保が進んだ。引き合いがありながら対応できなかった新規受注を確保でき、5年間で2,390万円程度の新規売上が見込まれている。新商品投入と生産性向上による競争力強化で、増収増益を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性五段仕込みでアミノ酸が通常の料理酒の3.5倍という数値があり、オーガニック市場向けの差別化の根拠が具体的に示されている。
  • 5
    課題の認識と解決手洗い作業の労力や脱水の限界を課題として示し、5年間で2,390万円の新規売上や経常利益208.1%改善の目標を掲げている。
  • 4
    これまでの取組との一貫性明治28年創業で井戸水と伝統手法を守り、五段仕込み純米料理酒やPB商品を継続して手がけている点が事例から読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果補助金投入額と付加価値増加の比率は示されていないが、新規売上や経常利益の改善見込みの記述がわずかにうかがえる。
経営戦略との整合性4.7
  • これまでの取組との一貫性4

    明治28年創業で井戸水と伝統手法を守り、五段仕込み純米料理酒やPB商品を継続して手がけている点が事例から読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    五段仕込みでアミノ酸が通常の料理酒の3.5倍という数値があり、オーガニック市場向けの差別化の根拠が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決5

    手洗い作業の労力や脱水の限界を課題として示し、5年間で2,390万円の新規売上や経常利益208.1%改善の目標を掲げている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後の付加価値額は直近決算に対し40.2%の進捗を見込むと数値で示されており、目標は具体的である。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名で、IUターンの若者4名を通年雇用し、組織体制の見直しと人材育成を計画していると書かれているが詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    オイシックス・ムソー・ポランのPB採用や関東の店舗展開など、安全志向の顧客ターゲットと選ばれる理由が事例に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    5年間の売上見込みや生産工程の最適化、施設レイアウト改善が書かれているが、具体的なスケジュールや課題解決方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    アミノ酸3.5倍の五段仕込み純米料理酒など、一般的な料理酒より高水準の高付加価値化を図る取組が具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    地元と県外からのIUターン若者4名の雇用や、農家・農業高校との6次産業化など、地域への雇用と需要創出が読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値増加の比率は示されていないが、新規売上や経常利益の改善見込みの記述がわずかにうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    全自動洗濯機やタンクの導入は記述されているが、先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルへの言及はわずかである。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    オーガニック市場への出荷や台湾・香港への市場拡大が書かれているが、構造転換への言及はわずかにうかがえる程度である。

  • 地域経済への波及4

    島根県の雲南市や広瀬の有機農家、出雲農林高校と連携し、地域の農業資源を活かした高付加価値料理酒を生産している点が具体的である。

今後の展望

5年後の全体売上は直近決算に対して37.2%の進捗、経常利益は黒字化を実現し208.1%の大幅な改善を目指す。付加価値額は直近決算に対して40.2%の進捗を見込み、人員の増員と賃金値上げを計画している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。