ものづくり補助金平成27年度建設業岡山県

地震時の天井崩落を防ぐ(膜天井)の普及を推進

有限会社ファインアートかわばた

この事例のポイント

  • シート加工は職人がアナログ制御のウエルダで行うため勘に頼る部分が大きく、折れジワが発生して見た目と引張強度・引裂強度が低下する。
  • 懸架式(高架式)ハイブリッド高周波ウエルダを導入した。
  • 懸架式高周波ウエルダとレーザーマーカーの導入により加工スピードが高まり、生産能力が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ファインアートかわばた
所在地岡山県 津山市
業種総合工事業
従業員数8人
資本金500万円
設立1981年

事業の背景

当社は昭和53年にテント工事会社として創業し、昭和56年に法人化した。大規模なテント材工事ができる企業は岡山県下でも限られ、学校施設などで膜天井の施工実績を築いている。東日本大震災以降、天井崩落対策として軽くて丈夫な膜天井が注目されている。ただし膜に使うシートの加工品質が低く、受注に結び付かない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度シート加工は職人がアナログ制御のウエルダで行うため勘に頼る部分が大きく、折れジワが発生して見た目と引張強度・引裂強度が低下する。
  • 生産能力シートの品質課題を解消し、安定生産と短納期を実現しなければ施工の受注に繋げられない。
  • 人手・技能加工時の1mm単位のライン引きを人手で行っており、作業時間と人員の負担が大きい。

やったこと

懸架式(高架式)ハイブリッド高周波ウエルダを導入した。高架式のため装置のふところが自由に使え、加工時にシートを折り曲げる必要がなくなった。加工時の1mm単位のライン引きは、人手からレーザーマーカーの光による方式に変更した。これにより作業時間の削減と人員の転換が可能になる。

  • 加工機懸架式(高架式)ハイブリッド高周波ウエルダ
  • 検査測定レーザーマーカー

事業の効果

懸架式高周波ウエルダとレーザーマーカーの導入により加工スピードが高まり、生産能力が飛躍的に向上した。シートにムラや折れジワが生じなくなり、見た目や強度などの品質も問題がなくなった。高品質のシートを安定生産・短納期で供給できるようになり、今後の膜天井の受注で大きな優位性を持つことができる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性独自の専用金具によるテンション工法で大面積を継ぎ目なく施工でき、県内でも大規模テント工事を手がける企業は限られると示している。
  • 4
    課題の認識と解決シートの折りジワ・強度低下という課題を特定し、懸架式ウエルダで解消して受注に結びつける具体的な計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け地震時の天井落下問題を受け軽くて丈夫な膜天井が注目されているというニーズを示し、学校施設などの施工実績で選ばれる理由を示している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産能力が飛躍的に向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の数値根拠が弱い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    テント施工から法人化を経て膜天井工事に取り組んできた経緯があり、膜天井の受注拡大を事業計画として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自の専用金具によるテンション工法で大面積を継ぎ目なく施工でき、県内でも大規模テント工事を手がける企業は限られると示している。

  • 課題の認識と解決4

    シートの折りジワ・強度低下という課題を特定し、懸架式ウエルダで解消して受注に結びつける具体的な計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産能力が飛躍的に向上したとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の数値根拠が弱い。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の施工実績や関連各社との一般社団法人設立による受注から施工までの管理体制があり、体制は整っている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地震時の天井落下問題を受け軽くて丈夫な膜天井が注目されているというニーズを示し、学校施設などの施工実績で選ばれる理由を示している。

  • 事業化までの道筋3

    防災フェアや自治体へのPRによる拡大策と、管理体制確立による安全確保の進め方を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    膜天井は普及途上の工法で、大規模施工が可能な企業が県内で限られる中、独自工法で高付加価値の施工を行う点が読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    天井落下対策という防災面の社会的必要性に触れ、膜天井の普及が公共施設等の安全に資することが読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値がなく、効果は定性的にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザーマーカーの導入や関連各社との一般社団法人設立による管理体制の確立など、新しい取組で業界の安全管理に寄与しうる。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山県津山市の工業団地に立地し、県下で大規模テント工事を担う地域企業として地域の施設整備に貢献する事業である。

今後の展望

防災フェア等への参加や自治体へのPRを通じて膜天井の拡大を図る。関連各社と一般社団法人を設立し、受注から施工までの管理体制を確立して安全確保の理念を共有し、膜天井事業の継続を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。