ものづくり補助金平成27年度建設業岡山県

自動溶接機導入により生産性を向上させ純水関連装置事業への本格進出

松正工機株式会社

この事例のポイント

  • 溶接箇所に凸凹があるとパイプ内を流れる水が滞留し、菌などが発生する原因となる。
  • 2016年にものづくり補助金を活用し、パイプ切断機と自動溶接機を導入した。
  • 人手による溶接と比べて溶接時間が20%短縮され、生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名松正工機株式会社
所在地岡山県 倉敷市
業種設備工事業
技術分野接合・実装
従業員数63人
資本金2,000万円
設立1977年

事業の背景

松正工機は1970年に岡山県倉敷市で創業し、産業ガス関連、サニタリー関連、石油化学関連の工事を3本柱として手がけている。近年はサニタリー関連の需要が増え、製薬などのプラントに純水装置を設置する工事が増えていた。売上は23億円(2022年7月期)である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度溶接箇所に凸凹があるとパイプ内を流れる水が滞留し、菌などが発生する原因となる。
  • 生産能力純水装置の工事が増えたが、対応できる仕事の量を超えていた。
  • 生産能力工事量を増やすには、溶接などの工程を自動化する必要があった。

やったこと

2016年にものづくり補助金を活用し、パイプ切断機と自動溶接機を導入した。自動溶接機はパイプの厚さなどにより電流と電圧を4段階で制御し、ヘッドを変更することで直径18ミリメートルから152ミリメートルまで対応する。自動溶接機により凸凹のない均等な溶接ができ、外気を遮断した状態で溶接するため溶接後の酸化を防ぐことができる。

事業の効果

人手による溶接と比べて溶接時間が20%短縮され、生産性が向上した。凸凹のない溶接により、水の滞留や菌の発生につながる課題が解消された。溶接後の酸化も防げるようになった。顧客からの仕事の依頼に対応できるようになり、現在は仕事量全体の半分程度がサニタリー関連になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性1970年創業の配管・溶接の蓄積を背景に、2016年に自動溶接機を導入しサニタリー関連の工事量を拡大しており、取組の一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性約50年の配管・溶接技術と社内設計部門、ベトナム現地法人のCAD設計を強みとし、製薬などの需要増に対応していることが読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決溶接箇所の凸凹による滞留・菌発生という課題を認識し、自動溶接機の導入で凸凹のない溶接を実現し、溶接時間を20%短縮した。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標溶接時間20%短縮という実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    1970年創業の配管・溶接の蓄積を背景に、2016年に自動溶接機を導入しサニタリー関連の工事量を拡大しており、取組の一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約50年の配管・溶接技術と社内設計部門、ベトナム現地法人のCAD設計を強みとし、製薬などの需要増に対応していることが読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    溶接箇所の凸凹による滞留・菌発生という課題を認識し、自動溶接機の導入で凸凹のない溶接を実現し、溶接時間を20%短縮した。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    溶接時間20%短縮という実績はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    社員寮の整備や新卒採用・育成、健康経営優良法人への選定に触れており、人材面の体制はうかがえるが具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    純水装置の配管を設計から試運転まで一括で請け負えることを強みとし、製薬などのプラント工事が増えている点が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    2021年の酸洗工場新設や技術投資の継続に触れるが、今回の補助事業の遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    サニタリー関連の需要増に触れるが、分野の普及度や高付加価値化の度合いを示す記述は少ない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    水島コンビナートの工場群を支える地場企業として医薬・食品・半導体の工事を担う点にふれるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    自動溶接機導入で溶接時間が20%短縮し生産性が向上したと示されるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    電流と電圧を4段階でプログラム制御する自動溶接機を導入しているが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    製薬や純水装置など成長が見込まれる分野へ工事を拡大している点はうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及3

    倉敷市の水島コンビナートを拠点とし、地場の技術力を生かして事業を拡大している点が読み取れるが、雇用創出の数字はない。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。