ものづくり補助金平成27年度製造業広島県

マイクロバブル超音波洗浄制御装置の導入によるめっき品質向上の実現

日本バレル工業株式会社

成果不良率は以前と比べて10%程度まで減少

この事例のポイント

  • めっき工程では素材表面の油脂付着や溶接焼け(スケール)の洗浄が重要だが、従来の方法では不良率が高かった。
  • めっき全工程のうち洗浄工程とめっき工程の課題を解決するため、マイクロバブルと超音波を組み合わせた技術と、そのモニタリング・制御技術を導入した。
  • 不良率は以前と比べて10%程度まで減少。洗浄能力が向上し、不良率低減と生産性向上が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名日本バレル工業株式会社
所在地広島県 広島市
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数50人
資本金2,000万円
設立1954年

事業の背景

当社は自動車、電気器具、建築関連を中心に120社の取引先からめっき処理を受注している。自動車部品や船舶のエンジン・モーターなどの大型部品から安全ピンなどの小型部品まで幅広く対応している。顧客の属する各業界では、部品の被覆膜形成工程が表面保護や意匠性のために重要で、製品の材質・形状・サイズの多様化とコストダウン、環境負荷低減の要請が強まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度めっき工程では素材表面の油脂付着や溶接焼け(スケール)の洗浄が重要だが、従来の方法では不良率が高かった。
  • 生産能力洗浄工程でコストや手間をかけずに洗浄力を高めることが課題だった。
  • コスト・採算顧客からのコストダウンや環境負荷低減の要請に応える必要があった。

やったこと

めっき全工程のうち洗浄工程とめっき工程の課題を解決するため、マイクロバブルと超音波を組み合わせた技術と、そのモニタリング・制御技術を導入した。洗浄槽内にマイクロバブルを発生させ、水流でめっき処理品に吹き付けて付着物を吸着・除去する。超音波でマイクロバブルのサイズを小さく均質化し共振させ、より大きなエネルギーを得て、対象物に均一で効果の高い洗浄力を与える。洗浄力を最大化するためマイクロバブルと超音波のモニタリング・制御を行い、洗浄槽により音波の制御を行う。この組み合わせはめっき業界では未確立の技術である。

加工機マイクロバブル超音波洗浄制御装置

新しい製品・サービス:マイクロバブル超音波洗浄制御装置

事業の効果

  • 不良率は以前と比べて10%程度まで減少

洗浄能力が向上し、不良率低減と生産性向上が実現した。特に不良率は以前と比べて10%程度まで減少するなど高い効果が見られた。洗浄時間の短縮や薬品の使用低減により排水処理においても効果が出ている。音波の音圧測定・解析により、対象物の形状や材質によらず高いレベルの洗浄力を維持できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    めっき事業の洗浄工程の課題に対応する取組だが、過去の取組や経営戦略上の位置付けは記載されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の自動車・電気器具・建築関連の要請に触れ、不良率が10%程度まで減ったと記載。外部環境と自社の強みとの関係は具体的には書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    不良率が10%程度まで減少、洗浄時間短縮や薬品使用低減など、課題と効果が数字つきで整理されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    洗浄能力向上や不良率低減は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    超音波研究所などとの連携継続は書かれているが、社内の人材や事務処理体制は記載されていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    120社の取引先や自動車・船舶などの大型から小型部品まで対応する旨が書かれ、顧客ニーズはうかがえる。

  • 事業化までの道筋3

    今後は洗浄工程からめっき工程へ応用する方向性が示されているが、スケジュールや解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    マイクロバブルと超音波の組み合わせは業界で未普及・初の試みと明記され、新規性の高さが具体的に書かれている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    自動車や建築など幅広い業界への波及がうかがえるが、国が補助する理由や雇用創出などの記載はない。

  • 費用対効果2

    不良率低減や生産性向上は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    超音波研究所との連携は記載されるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献までは書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    広島市の企業であることは書かれるが、地域特性を活かした雇用や地域経済成長への言及はうかがえる程度である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

超音波研究所などと連携を継続し、洗浄工程だけでなくめっき工程自体にもこの技術を応用して、さらなる品質向上を目指したい。マイクロバブルの当たりやすい所と当たりにくい所をモニタリングし、より高い効果の実現に向けた検証を続けている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。