ものづくり補助金平成27年度製造業埼玉県

湿式銅めっき法を用いたVia付きガラスへの直接銅膜形式

江東電気株式会社

この事例のポイント

  • ガラスへの銅めっきは乾式法が一般的で、立体形状の製品には難しく密着性が低く剥がれやすいため、湿式法での量産が求められていた。
  • ものづくり補助金を活用し、湿式法でガラス基板に銅めっきを量産できる設備を導入した。
  • 湿式法によるガラス基板への銅めっきを量産できる設備を導入したことで、ガラス素材の選定や穴あけ工程、実装側メーカーなど国内の生産環境が整い、量産化へ踏み切れる段階に進んだ。

事業者のプロフィール

事業者名江東電気株式会社
所在地埼玉県 川口市
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数180人
資本金9,700万円
設立1947年

事業の背景

江東電気株式会社は1947年創業で、主力製品は水晶振動子で、工場を中国・唐山に移転している。テレビ局のスタジオや漁船の集魚灯などに使われる高輝度の特殊ランプも主力製品である。来るべき5G(第5世代移動通信システム)時代へ向けて、データ通信量は現行4Gの1000倍、通信速度は100倍という高い性能が通信機器に求められるようになった。同社は2012年ごろからガラス基板への湿式銅めっきの本格研究に乗り出した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ガラスへの銅めっきは乾式法が一般的で、立体形状の製品には難しく密着性が低く剥がれやすいため、湿式法での量産が求められていた。
  • 生産能力ガラス基板を量産するには、素材選定や穴あけ工程、基板を実装する側のメーカーなど国内の生産環境を整える必要があった。

やったこと

ものづくり補助金を活用し、湿式法でガラス基板に銅めっきを量産できる設備を導入した。ガラス基板は厚さ0.3〜1ミリで、樹脂基板より絶縁性や平滑性に優れ、大量の電気を早く流すことができる。直径〜120ミクロンの貫通穴(Via)が開いた基板や複雑な形状のガラスでも、均一に銅めっきを付けることができる。

加工機湿式銅めっき設備

新しい製品・サービス:Via付きガラス基板への湿式法による直接銅膜形成

事業の効果

湿式法によるガラス基板への銅めっきを量産できる設備を導入したことで、ガラス素材の選定や穴あけ工程、実装側メーカーなど国内の生産環境が整い、量産化へ踏み切れる段階に進んだ。立体形状のガラス部品や貫通穴のある基板にも均一に銅めっきを付けられるようになった。表面処理デバイス部の高山部長は量産化に踏み切れると期待している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    水晶振動子の工場移転後、2012年ごろから湿式銅めっきの本格研究に乗り出したと書かれ、事業の流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    5G時代の通信量が4Gの1000倍、速度100倍になるという市場動向と、ガラス基板の絶縁性・平滑性の優位が書かれているが、自社の強み・弱みとの関係は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    乾式法は立体形状で密着性が低いという課題と、湿式法で0.3〜1ミリのガラスに直径80〜120ミクロンのVia穴へ均一にめっきできる点が書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    表面処理デバイス部の高山部長の発言が見られるが、人材や事務処理体制についての記述は確認できない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガラス基板は樹脂より絶縁性や平滑性に優れ、電子デバイスや立体形状ガラス部品へのニーズが高まっていると具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    周辺の生産環境が整うのを待ち、そろそろ量産化に踏み切れるという判断が書かれているが、スケジュールや解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ガラスへの銅めっきは乾式法が一般的で、湿式法で可能にした点が書かれており、従来の水準を超える高付加価値化と読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    5G時代の通信機器の高度化が背景として書かれるが、雇用創出や波及効果についての記述は見当たらない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    5G通信機器向けのガラス基板への湿式銅めっきという先端技術の活用が書かれ、サプライチェーンへの貢献がうかがえる。

政策面40%
  • 成長分野への進出3

    5G時代の通信機器向けに、ガラス基板の量産化を進める点から成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

来るべき5G時代に向けて、電子デバイス製品や立体形状のガラス部品からの需要が高まると見込まれ、量産化に踏み切れるとの期待がある。

事業者の声

ようやくその辺も整い、そろそろ(量産化に)踏み切れるのでは

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。