ものづくり補助金平成27年度製造業香川県

板厚9mm 銅板対応の曲げ加工機導入による、産業用コンベア製作の革新

株式会社アバンテック

成果製造リードタイム 7日→1日

この事例のポイント

  • 板厚9mm程度の加工が必要な産業用コンベアの部品を、自社のベンダーマシン(6mm以上の板厚加工ができない)では製造できなかった。
  • 板厚9mm以上の曲げ加工に対応できるベンダーマシンを導入し、銅板にも対応できる設備で曲げ加工を内製化した。
  • 製造リードタイム 7日→1日。ベンダーマシンの導入により板厚9mm以上の曲げ加工を内製化でき、外注に頼っていた工程を社内で完結できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アバンテック
所在地香川県 仲多度郡まんのう町
業種金属製品製造業
技術分野情報処理,精密加工
従業員数20人
設立1977年

事業の背景

顧客から産業用コンベアの増産要請が続いていた。産業用コンベアは強度を要するため9mm程度の板厚加工が必要だが、自社のベンダーマシンでは6mm以上の板厚加工ができず外注していた。東北復興関連の土木工事、廃棄物処理、発電所等のプラントで需要が増加傾向にあり、東京オリンピックやリニア新幹線関連でも需要増大が見込まれていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力板厚9mm程度の加工が必要な産業用コンベアの部品を、自社のベンダーマシン(6mm以上の板厚加工ができない)では製造できなかった。
  • 納期・工程9mm程度の曲げ加工を外注していたため工程が外部に依存し、外注先も生産量に限りがあって全ての受注に応えられなかった。
  • 人手・技能従来の曲げ加工機では図面を読み取ってデータを操作パネルに入力する工程に熟練を要し、1人で曲げ加工ができるまでに半年かかっていた。

やったこと

板厚9mm以上の曲げ加工に対応できるベンダーマシンを導入し、銅板にも対応できる設備で曲げ加工を内製化した。新たに導入した最新モデルは対話型システムを備え、加工中に検知したデータから補正データを算出してCAMモデルに反映し、SSDに加工情報を蓄積する仕組みである。CAMモデルで曲げ順や使用する金型が一目で分かるため、経験の浅い人でも3〜4日の学習期間で操作できるようになった。これにより加工の精度が高まり、品質の安定と担当者によるばらつきの解消につながった。

加工機ベンダーマシン(板厚9mm以上対応の曲げ加工機)

事業の効果

  • 製造リードタイム 7日→1日
  • 生産量 50枚/日→250枚/日

ベンダーマシンの導入により板厚9mm以上の曲げ加工を内製化でき、外注に頼っていた工程を社内で完結できるようになった。製造リードタイムは1週間から1日に短縮され、生産量は50枚/日から250枚/日へ大幅に増えた。加工の精度が格段に高まって品質が安定し、加工担当者によるばらつきも解消された。品質面だけでなく人の採用や配置の面でも優位性が生まれ、顧客の多品種・短納期の要望に応えられる体制が整った。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来は外注していたが、9mm板厚の曲げ加工を内製化する取組で、過去の取組との連続性は文章から読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    東北復興や東京オリンピック、リニア関連で産業用コンベアの需要増加が見込まれると書かれ、外部環境の把握はあるが、自社の強み分析は一部にとどまる。

  • 課題の認識と解決4

    外注が受注を全て受けられない課題に対し、9mm曲げ加工の内製化でリードタイムを1週間から1日に短縮し、生産量を50枚/日から250枚/日へ増やすと具体的に書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    売上目標が1年目5,250千円から5年目6,000千円と数字で示され、生産量50枚から250枚/日の実績も示されており、実現可能性を判断できる。

  • 事業を進める体制3

    従来1人で半年かかった曲げ加工が3〜4日の学習で操作可能になったと書かれるが、人材や事務処理体制の確保については記載が薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    耐久性の高いコンベアの多品種・短納期対応を目的とし、東北復興や公共工事、プラント等の顧客ニーズを具体的に挙げている。

  • 事業化までの道筋3

    工場拡大や雇用増員を実施すると書かれるが、遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    産業用コンベアは一般的な製品分野であり、小ロット・多品種・短納期に対応する高付加価値化の方向性はうかがえるが、高水準の価格面の記述は薄い。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    東北の災害廃棄物処理や土地造成、地域貢献への言及があり、地域経済や雇用への波及はうかがえるが、国が補助する理由としての具体性は薄い。

  • 費用対効果3

    リードタイム短縮と生産量5倍の効果は具体的だが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    対話型CAMシステムとSSDへの加工データ蓄積で品質を安定させる取組があるが、サプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    産業用コンベアの需要増加分野への対応はうかがえるが、日本経済の構造転換に資する記述は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    まんのう町に立地し、雇用増員や地域貢献を実施すると書かれ、地域の経済成長への寄与が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

工場拡大と雇用増員も実施し、売上増加を実現するとともに地域貢献にも役立てたいと考えている。本事業による売上目標は、1年目5,250千円から5年目6,000千円としている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。